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 天皇杯全日本選手権 112月21〜23日 東京・代々木第二体育館



 天皇杯最終日、石田は惜しくも準優勝

決勝で敗れ、ショックな様子の石田
全日本選手権(天皇杯)最終日、早大からはフリースタイル(フリー)の60キロ級に石田智嗣(スポ4=京都・立命館宇治)、74キロ級に北村公平(教2=京都八幡)、女子55キロ級に新井千明(社4=群馬・富岡実)と小黒真愛(法2=埼玉・早大本庄)がそれぞれ出場した。中でも石田は決勝まで勝ち進んだが、接戦をものに出来ず惜しくも準優勝。これで3日間に及ぶ天皇杯は幕を閉じ、早大レスリング部の今シーズンが終了した。

フリー60キロ級の準決勝、思わぬアクシデントが石田に襲いかかる。相手のバッティングによる鼻の骨折。そんな大ケガを負いながらも石田はボールピックアップのチャンスを生かし、決勝へ駒を進める。決勝の相手は大会前から警戒していたという前田翔吾(ニューギン)。試合はお互い隙の無い試合が続いていたが、第1ラウンド終盤にバックを取られ痛恨の失点。取り返そうと臨んだ第2ラウンドでも点を取りきれず、結局敗北へと追い込まれてしまう。試合終了直後、石田は悔しさのあまりマットを叩いた。「色んな人が支えてくれただけに、本当に悔しいです。」石田の大学最後の公式戦は、勝っていてもおかしくない内容だっただけに無念さこそ残る。しかし、その姿は観るものを興奮させ、まさしく4年間の思いが詰まった試合だった。

学生最後の大会だった新井も無念の結果となった
フリー74キロ級の2回戦では、北村が因縁の相手である高谷惣亮(拓大)と対戦した。今まで一度も勝てていない相手を前に北村はまたもや仕事をさせてもらえず、ストレート負けを喫する。それでも「自信につながる部分もあった」(北村)と、最後の最後で1ポイントを取り返す場面もあり、高谷との距離が徐々に縮まっていることを感じさせた。また、女子55キロ級の新井と小黒は1回戦を突破したが、共に2回戦で社会人に敗れている。

早大から優勝者が出ることはなかったが、太田コーチは「全体的なレベルは上がっている」と大会を振り返った。それは選手たちが日頃から良い環境の中で練習できている証拠だろう。今季は満足のいく結果が残せなかっただけに、来季は絶対に雪辱を晴らしたい。そしてそれを成し遂げられる人材は充分に揃っている。この日、4年生が引退となったと同時にレスリング部の新たな1ページが開かれた。

(記事 冨丘太朗、カメラ 山田周平、佐藤匠) 


※掲載が遅くなりまして大変申し訳ございませんでした。



◆結果
▽フリー60キロ級 石田 準優勝
      74キロ級 北村 ベスト8
▽女子 55キロ級 新井 ベスト8
             小黒 ベスト8


◆コメント
太田コーチ
――大会を終えていかがでしょうか
悔しいという思いもありますが、学生たちが良くやってくれたかなという思いもあります。今までは単に全日本の出場資格を得て出場という形でしたが、昨日は全員が1回戦に勝って、今日も5人中1人が負けましたが他は勝ったということで、男女ともに全体的な底上げが出来ていることを感じています。一方で全体的なレベルは上がっているんですけれども、OBも含めてあと1歩かなとも思います。やはり、五輪への道は厳しいなと感じた大会でもありました。
――学生にもチャンスがあるなとも感じたのですが、可能性があるのは
実際に決勝まで行った前川もそうですし、田中幸太郎もそうですし、1年生の保坂(健、スポ1=埼玉栄)、桑原(諒、スポ1=静岡・飛龍)、北村、花山(和寛、社2=愛媛・八幡浜工)など、まだまだ埋もれている選手がたくさんいます。
――まず北村選手の結果についてはいかがでしょうか
最近負けるパターンが同じになりつつあるので、これを越えていってもらいたいなと思います。戦略というよりも、崩しからタックルの流れでポイントを取ることをしっかりやってレベルアップしていかないといけません。高谷(拓大)とは学年も1つ違いですし、ライバルとして当たっていくでしょうから。長島(和幸、平16人卒)の前に立ちはだかった小幡選手も1つ上でしたし、それと同様です。しかし、あの差ほどは今の差はないので、遅くともこの1年以内にはなんとか結果を残させたいなと思っています。
――小黒選手についてはいかがでしょうか
真愛(小黒)については、動きは全日本レベルで出来ていて良かったです。しかし、トップとは少し差があるなとは感じました。ケガもしていたので、そういった中では良くやれたかなと思いますね。
――新井選手はいかがですか
千明(新井)に関しても、もう少し良い勝負をして最後の試合を飾ってほしかったかなというのが本心ですね。
――最後に石田選手についての感想をお願いします
準決勝でもとりきれない部分というのがあったので、決勝はお互いけん制というよりは攻めあう内容になるかなという予想はしていました。しかし、中々とりきれなくて1−0、0−0のクリンチという形になってしまいました。ああいう状況でもポイントを取れるタックルなり崩しなり、くっつくレスリングを磨いていけばチャンスはあります。1パーセントでも可能性がある限りは、頑張っていってほしいと思います。
――太田コーチ自身もショックな様子でしたが
リーグ戦、全グレ、内閣杯も優勝して五輪と常々学生達には言っていましたので。リーグ戦は毎年ありますが、五輪は4年に1度なので長島の分もということでも全日本に挑んでいましたから。まだ2人はチャンスがあるので、そのチャンスを生かせるように指導していきたいと思います。
――来季に入る1年生も見に来られていましたが
今のところは石田とか、山口とかが1年生のときよりは実力はないです。しかし、練習相手がいない中でその結果なので、練習相手のたくさんいる早稲田に来てもまれればトップレベルにいって、全日本を目指せる選手になっていくと思います。
――最後に今季の総括をお願いします
3冠というのが目標だったんですけれども、結果的に1つの大会のみとなってしまったので、来年度はこの3つのタイトルをしっかり取って全日本でも今年以上に出場者を出してチャンピオンも1人でも多く出したいと思っています。

石田智嗣(スポ4=京都・立命館宇治)
――悔しい準優勝でした
本当にすみません。僕の実力不足です。『ついてる』って思ったんですけどね(※事前取材の際、天皇杯への意気込みを表す色紙に自身で『ついてる』と書いていたことに対して)。
――準決勝でのボールピックアップを見ていても、『ついてる』と思ったのですが…
『ついてる』っていうのは『運』だけじゃなくて。いままでで一番めちゃくちゃいろんな人が、すごくいろんな人が『ついて』てくれて、支えてくれた大会だったので、本当に申し訳ないというか、自分の実力のなさに本当に不甲斐ない思いでいまはもう…いっぱいです。本当に申し訳ないです。申し訳ないです。
――決勝についてお聞きします。事前取材の際も、前田選手との勝負になれば、時間終了近くでのスタミナ勝負になると言っておられましたね。その通りの展開になったわけですが
そうですね。もう分かっていたので、勝負どころでどっちが取るか取らないかという感じでした。その勝負どころで負けたということですね。
――あともう数秒時間があれば、石田さんが返していたかもしれないと思いましたが
そうですね…でもそれはもう、言ってもしょうがないことなので。もうちょっと…いや、でも何言ってもあかんですね、負けたら。
――敗因をあげるとしたら
自分のやってきたことを、自分を、信じ切れなかった。もっと思い切って自分の力を信じて最初から飛び込んでいけていたら、また違う展開になっていたかもしれないと。まあ、たらればなので何も言えないですけど。もっと本当に…選手として、人間として強くなっていかないと、最後の最後は勝てないなと。
――決勝第2ピリオド延長で、(相手の攻撃権を示す)赤色のボールが出たときにはどう思いましたか
もうね、そればっかりはどうしようもないことなので、もう赤が出ようが自分が点数を取りに行く気だったので。「ちょっとやばいかな」ぐらいの気持ちでした。
――最後、負けた瞬間は床を叩いておられましたが
もう、本当に悔しかったですね。悔しかったです。色んな人が支えてくれていただけに、本当に、悔しかったです。
――きょうの決勝に至るまでの勝ち上がりについては
いや、もう全然だめでしたね。準決勝の途中で相手のバッティングで鼻の骨が折れて、いまこうやってグシャって潰れているんですけど、それでちょっと集中が切れたというか、ちょっとしたことで気持ちが揺らいだところがあったので、まだまだ甘いなと思いましたね。
――今回の準優勝は石田さんにとってはどんな準優勝ですか
もう、2位も1回戦負けも同じなので。優勝以外は全部一緒なので。負けです。
――しかしまだ、湯元選手が負けたことで、オリンピック代表選考トライアルで代表をつかむ可能性もわずかに残りましたが
「まだチャンスがある」と言っているうちは、もうチャンスはないと思うので。本当に一戦一戦やるだけですね。いまはもう、あまり何も考えられないです。

新井千明(社4=群馬・富岡実)
――きょうの試合を振り返っての感想をお願いします
今後競技は続けないので、選手として臨む最後の試合でした。絶対に勝ちたいっていう気持ちで臨んだんですけど、ポイントもたくさんとられてしまいましたし、悔しさの残る内容でした。
――きょうに向けてはどのような準備をしてきましたか
対戦が想定される選手の研究をしてきました。VTRを見たり、分からないところなどはコーチに聞いたりしてきました。
――4年間のレスリング部での生活を振り返って
自分が思っていたよりも厳しくて、何回もやめようと思ったこともありました。でも、周りの人がつらいときに助けてくれました。前は、早くやめたいと思っていましたが、今は本当にチームが大好きです。
――後輩の皆さんへメッセージをお願いします
強い選手ばかりで、全日本でも活躍できると思います。自分の信じたようにやればきっと大丈夫だと思います。

小黒真愛(法2=埼玉栄)
――初戦勝った試合振り返ってみていかがですか
今日はラスト30秒で攻めようと思っていたんですけど、1ピリ目ちょっと早く攻めてしまって最後に腕とって返されてしまいました。難は逃れたんですけどやっぱりピンチのときに優勢になってとれたっていうのが大きかったと思います。
――二回戦負けてしまった試合については
少し格上の選手だったので思いっきりいこうと思ったんですけどそれっていう技が一つ思いっきり出せなかったのが悔しかったです。
――今季を振り返ってみていかがですか
去年もこの大会に出たんですけどこの大会は1年間の集大成としての大会だと思っています。今年は自分の構えを意識してやってきたので、それが今年はどれもできたのかなと思います。
――来年に向けて頑張っていきたいことは
少しでも多く勝っていきたいなと思います。

北村公平(教2=京都八幡)
――結果を振り返っていかがですか
(二回戦の)試合途中の話なんですけど、2ラウンド目の時に迷ってしまうところが一ヵ所ありまして。場外で3点取られたタックルがあったじゃないですか。あの直前、入ってきた瞬間に返すかどうかっていうのを迷ってしまって。返そうと思ったんですけど昔やった時に返してフォールになったのを思い出して、迷った結果ああやって場外に持っていかれてしまったのが悔やまれる反省点ですね。あそこが無ければ勝っていたというものでもないんですけど、こういう大会でああいう迷いが出たのが悔しいです。
――高谷選手とやっていて少しずつやれてきているというのは感じましたか
そうですね。タックルも切れるようになってきましたし、最後になんとか1点取ったのも触れれば取れるんだなという自信につながった部分もあったので、 今後の戦い方の勉強にはなりました。だいぶ自信がついてきたというのはあります。
――体の調子はいかがでしたか
今回減量が多かったんですけど、すごく長い期間をかけて落としていたのもあって調子良かったんですよ、減量自体は。昨日の計量の後もすごく調子が良くて今日の朝も良かったので、自分の中では万全で挑めたつもりだったんですけど。
――今季を振り返ってみていかがですか
きっちりとした優勝が新人戦の96キロ級だけで、あとは全部準決勝、決勝で負けてしまう感じだったので、あまり1年を振り返って良かったという気はしないですね。あと一歩が足りない1年だったかなと思います。
――来年に向けての抱負
来年は高谷さんが学生界から卒業されていなくなるので、来年はもう確実にインカレと内閣は優勝したいです。チームの中でも負けない存在でいたいと思います。









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