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 全日本学生選手権 8月26〜29日 大阪・金岡公園体育館



 2つの銀、1年かけて金色に染めあげる

相手をタックルから投げ飛ばす新井  全日本学生選手権(インカレ)2日目、女子フリースタイルが行われた。前日とは打って変わって高い声が響き渡る体育館内では、男子よりも小さな体をした女子が男子にも劣らぬ熱い思いと眼差しをもって、長い間目標にしてきたインカレに挑んでいた。48キロ級では西のどか(社4)が3位入賞を果たし、55キロ級で新井千明(社3)、63キロ級で高橋海里奈(スポ4)がそれぞれ1位の座を掴みとった。

 優勝した新井と高橋は共に、昨季のインカレの成績は無念の準優勝。今回の優勝は昨季の雪辱を見事果たした結果だ。「インカレ優勝が入学当初からの目標だった」と強く喜びを噛みしめるのは55キロ級、新井千明。決勝では自身の武器である片足タックルをここぞ言う時に決め込み、順調な試合展開を見せた。途中相手に投げられそうになった場面も何度かあったが、ポイントを取られないように歯を食いしばって相手の攻めに耐えていた。「昨季の悔しさを思い出して苦しいときは守りに徹した」と本人は語る。

相手を押さえ込む高橋  最後までしっかりと持ち味を発揮した新井。追い風に乗るように、その後にリングに立った63キロ級決勝に出場する高橋海里奈も気持ちは同じだった。彼女の目標もまた、昨季取り逃した優勝をその手につかむこと。4年生ということで今大会に懸ける思いは誰よりも強い。迷いのない思いは試合にもよく表れていた。決勝戦は終始高橋が攻め通しており、圧倒的力の前に相手をねじ伏せた。インカレ最後の年、高橋が手にした金メダルに誰も文句を言うことはできないだろう。

 3年新井は先輩である高橋の、猛者にも物怖じせず戦う姿勢に「勇気づけられた」と言う。一方その高橋は後輩である新井の、練習への真摯な姿勢に「かなり刺激を受けた」と語っていた。後輩は先輩から学び、先輩は後輩を見て初心に帰る。少人数ながらも確実な実績を残す女子部の信頼関係は確かで、男子部含めレスリング部全体の雰囲気の良さが選手たちに良い影響を与えている。きょねんの悔しさをことしの栄光にしっかりとつなげた早大女王の2人。その真っ直ぐでひたむきな思いが部員1人1人の心に生き続ける限り、早大レスリング部の未来は安泰と言えよう。




(記事 佐藤真希、カメラ 森美咲紀) 

★西、昨季女王を散らす
素早くバックに回り込みポイントをとる西  48キロ級3位の成績を残した西も、望む結果は出せなかったが昨季女王を準々決勝でくだすなど収穫の多い大会となった。「次はしっかり最後まで守る」と悔しさをにじませて繰り返し口にした西。次の舞台は静岡で行われる全日本女子オープン。「優勝したい」という言葉を果たすため、少ない時間の中でまだまだ成長し続ける。






◆結果
48キロ級 西 第3位
 同    藤川千晶(社2) ベスト8

51キロ級 杉本恵(社2) ベスト8

55キロ級 新井 優勝
 同    小黒真愛(法1) 第3位

63キロ級 高橋 優勝


◆コメント
高橋
(優勝おめでとうございます。今の率直な気持ち)やっと取れたなって感じです。(コーチが「理想通りのレスリングが優勝につながった」と仰っていましたが、自分ではどう思いますか)今回のインカレでは1回戦がヤマだなって感じて、1回戦の相手の対策をずっとしていました。全日本合宿が8月の頭にあって、その時その相手と対戦して五分五分だったんですね。それですごいやだなーって試合を迎えたんですけど、自分のレスリングは貫かなきゃって思ってやったのでその点に関してはできたと思います。(その1回戦の相手について)世界ジュニアとかで代表にもいくような子で負けん気が強くて。合宿の時もランニングや基礎トレーニングで私はいつも引いていたんですよ。そういう面でも不安要素はあったんですけど、自分は4年で最後だしって思いが強くて勝たなきゃって思いました。(その試合について、新井千明さんが勇気付けられたそうですが…)えー!(笑)新井千明…本当真面目でコツコツやる子で、普段の練習も真面目にやるし弱音を吐かないし、苦しい時も顔に出さない…。そういう姿勢を見ていて、ヘラヘラしてられないなってこの夏焦ってしまいました。だから私は逆に新井千明にかなり刺激を受けていました。普段の打ち込みの相手も彼女が相手なんで…繋がっている感じがありました。(ヤバい!と思った瞬間)2回戦目で、対戦相手が名前も姿も初めて見た人で、この人なんだろうって思いながら対戦してみたら、片足タックルに入って直ぐに処理ができなかったんです。いつもはできるんですけど今回は腕をロックされちゃってて…ああ抜けないどうしよう!って。決勝戦の流れのイメージをしていたのも無理そうだって途中頭を切り換えてやりました。…それ以外は皆がそこにいてくれて…早稲田の応援って一番良いと思うんですよ!声が大きいし通るので、いつもそれを安心して聞いています。(部内全体が良い雰囲気なんですね)はい、男女本当に仲が良い。それがすごい力にもなります。最初に鈴木啓仁(スポ4)が試合をしていて、すごい大きい相手に自分は背が小さくてもガツガツいっているのを見て、自分もガツガツいくしかないなって…そこで踏ん切りがつきました。男女の間でも刺激しあえるのは早稲田のすごく良いところだと思います。(決勝戦では終始攻めていて、こちらがペースを掴んでいるようでしたが)今日みたいに落ち着いてる時は、今自分がペースを掴んでる、大丈夫って思えるんですけど、普段は頭真っ白です。今回は妙に冷静になれていて。最後のインカレっていうのが頭にずーっとあって、何でも…食べるものや寝る時間までベストを尽くそうって意識してきたんで、だから今回落ち着いてできたのかなって思いました。(優勝して頂点に立って)満足は全然していないです。最後の試合も、頭の中の予定が狂った時に余計な動きをしてバテバテになって…予想以上に動けなかったです。基礎体力がまだまだないので、それがしっかりしてれば技のキレも出てくると思うので。基礎体力をつけてバテないように。それがまず第一ですね。

西
(きょうの試合をふりかえって)今4年で最後のインカレだったので、優勝できず、悔しいです。(最後の試合では相手に押され気味のようでしたが)その人にいつも何連敗もしていて、勝つために頑張ってきたのに、勝てませんでした。ことしこの後の大会でリベンジしたいです。(相手の相性はどうですか。対戦中にやりにくさなどは感じたりしますか)自分は右がまえで、相手は左がまえなので、タックルは入りやすいですが、最後にはとられてしまいました。最後までしっかり守れるようにしたいです。(去年のインカレ女王を準々決勝で破りましたが、その時の気持ちは)年下なので、絶対に勝たないといけない、と思っていました。(次の大会である、全日本女子オープンでの意気込みをお願いします)しっかり最後まで守って、優勝したいです。

新井
(優勝おめでとうございます。今の率直な気持ち)インカレ目標は大学入学当初からの大きな目標だったので、本当に嬉しいです。(コーチが「理想通りのレスリングが優勝に繋がった」と仰っていましたが…)え、本当ですか?コーチからそう言って頂けたのは初めてなんで…嬉しいです。決勝戦では自分のレスリングがちゃんとできたので、良かったと思います。(自分のレスリングについて)片足タックルのクラッチを離さない自信があります。(ヤバい!と思った瞬間は)1回戦がきつかったです。自分が点を取って勝ちたかったんでがむしゃらに動いていたら墓穴を掘った感じでした。相手もタックルにガツガツ来る子でなかなか自分の攻めが出来なくて…。1ラウンド目取られた時は怖いなって思いました。私は結構コーチに「スロースターター」と言われていて、1ラウンド目が取られることは多いんですけど、朝練とか走り込んでいて体力には自信があるし、相手も過去2勝している相手なので負けられないなって強い気持ちで挑みました。(決勝戦、投げられそうになっても守りきっていた姿勢が印象的でしたが)知らない技をかけられて、自分でも何が何だか分からない状態だったのでポイント取られてなくて良かったという感じです。去年がぶり返しという技にかかって負けちゃったんで、今年はビッグポイントだけは取られないぞって守りに撤しました。(きょねん準優勝のリベンジについて)きょねんももっと頭を使えば優勝できていたと思うんで、今年絶対勝ちたいという思いが強かったです。(高橋)海里奈先輩の1回戦を見て勇気をもらったのもあります。(というと?)私は高校からレスリングを始めたんですけど、周りは小さい頃からやっている子が多くて。海里奈先輩の相手も強くて自分もハラハラしながら見ていたんですけど、相手のレッテルに左右されずきっちり点を取って自分のレスリングをしていたのが凄いなと思いました。(今から来年のインカレについて意識していること)JOCで自分が負けた高校生も大学生になるということで、他にも1個1個リベンジして優勝したいです。(優勝して頂点に立って)自分の中でインカレ優勝が一番の目標で、今はそれで気持ちがいっぱいいっぱいです。でも、繰り上がりで特別に世界学生の大会にも出られることになってチャンスをもらったので、世界でもチャンピオンになれたら良いなって思っています。

藤川
(今大会を振り返って)負けた相手は、高校時代に私が1年のとき3年の先輩だったんですけど、当時からぼこぼこにされていて雲の上の存在でした。自分が成長したことを証明できたらいいなと思ったんですけど、結果的にああいう形だったので、自分が今までやってきたことがまだまだだったのかなと感じました。(階級を上げて臨んでのインカレ。やはりまだ階級差は感じますか)48キロ級は、女子の中でもすごく層が厚いんです。実力も均衡していて。なので、自分がその階級に対応していけるようにならなくちゃなと思います。(次の全日本女子オープンへの抱負をお願いします)全日本女子に出るのは実は初めてなんですけど、優勝を目指して、力をつけて頑張ります。

※女子に関しての太田拓弥コーチのコメントは、同じく2日目に行われた男子グレコローマンの記事に含めて掲載いたします。







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