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全日本学生選手権(男子)
8月28〜31日 大阪・堺市立金岡公園体育館
松本桂が健闘の準優勝
今大会フリースタイルには早大から計15選手が出場した。優勝者は出なかったものの、60キロ級の松本桂(スポ2)が見事準優勝を飾り、強豪・早大の意地をみせつけた。優勝候補の一角だった大月葵斐(スポ4)は準決勝敗退。スーパールーキー石田智嗣、山口剛(ともにスポ1)は初めての全日本学生選手権(インカレ)で準々決勝敗退という結果に終わった。
60キロ級に出場した主将の安澤薫(スポ4)は1回戦、2回戦はともに2−0で勝利、3回戦はフォール勝ちと、優勝に向けて順調な滑り出しをしたかのように見えた。しかし、続く準々決勝、対するは日体大・前田。相手にポイントを先制されると、「(ポイントを)取り返す執念が足りなかった」と振り返るようにその後、積極的に攻めることができず、惜しくも準々決勝敗退。最後のインカレを優勝で飾ることはできなかった。安澤は今大会では「(主将として)とにかく勝ってほかの部員たちに刺激を与えたい」という非常に強い思いで試合に臨んでいた。しかし、無念にも準々決勝での敗退。「結果がすべて。勝たないと意味がない」。安澤は試合後、悔しそうにこう語った。その言葉は主将として部員達を引っ張りながら、厳しい練習に日々取り組んでいる安澤だからこそ言えるとても重みのあるものだった。
安澤と同階級で準優勝した松本桂は「試合前から安澤主将とあたる所(準決勝)までは勝ち上がりたいと決めていた」と、順調に準決勝まで駒を進めていった。しかし、準決勝の相手はその安澤を準々決勝で破った日体大・前田。それでも松本桂は自分のレスリングを展開して2−1と辛勝し、決勝進出を決める。決勝戦では自身のミスが原因で惜しくも破れたものの、準優勝と健闘。今大会早大勢の中で最もよい成績を残した。しかし、試合後には「自分より強い人はたくさんいる。自分はまだ強くないので常に上を見て、チャレンジしていく」と謙虚に語る松本桂。学生日本一を決める大舞台で準優勝したものの、決しておごりはない。
「もっと上位に食い込んでくる選手が多くてもいい」(安澤主将)。「(選手の)気持ちの面、泥臭さがかけていた」(太田拓弥コーチ=アトランタ五輪銅メダリスト)と評するように全体として必ずしも満足できるといえる大会ではなかった。しかし、田村和男(社2)や播磨幸太郎(スポ2)など今大会で躍進する選手も見られ、また60キロ級では安澤が敗れた相手に松本桂が勝利するなど、チーム全体としての底上げも順調にいっているようだ。次の目標は今月18日に行われる全日本学生王座決定戦での優勝。団体戦であるからこそ今大会を通じて形成された新たなチーム力に期待したい。
(西尾貴仁)
★エース・大月 またも拓大・高谷の前に屈する
7月の世界大学選手権にも出場した74キロ級の大月は優勝候補の一角にあげられていた。シードで出場した大月は、2回戦、3回戦を圧倒的な大差で勝利。そして迎える準決勝の相手は6月の明治乳業杯で惜しくも敗れた拓大のルーキー・高谷。前回大会のビデオをチェックするなど入念に高谷対策をしてきたしてきたはずだった。しかし大月は序盤から猛烈なタックルを繰り出してくる高谷に終始リードを許してしまう。第2ピリオド後半になってやっと反撃ののろしを上げるも、ときすでに遅し。またもや高谷により優勝という夢が打ち砕かれてしまった。試合の敗因については「技術よりも気持ちの問題。相手のほうが勝ちたいという気持ちが上回っていた」と語り、次の全日本学生王座決定戦については「絶対に勝つという気持ちを絶やさず、勝つ」と話した。エースは気持ちを切り替え、次はチームで日本一を目指す。
★スーパールーキー・石田 準々決勝敗退
石田にとっては今回が初めてのインカレ。先日の東日本学生春季新人戦で優勝し、「インカレでも優勝する」と心に決めていた。順調に準々決勝進出を決め、次に対する相手は山梨学院大・森川。これまでの勢いそのままに第1ピリオドを先取し、このまま波に乗るかと思われた。しかし第2ピリオドから疲れが見え始め、それ以後第3ピリオドも1ポイントも奪うことが出来ずあえなく敗退。1年生でのインカレ制覇は達成できなかった。「大学生のレベルで優勝を狙うには実力が足りないです」と今大会で全国のレベルを痛感した石田。今後の課題を「勝ちへの執着を意識」と話した。まだ1年生であるだけにこれからの成長にますます期待ができそうだ。
◆コメント
太田コーチ
(今大会を振り返って)(選手に)気持ちの面、泥臭さが欠けていた。(松本桂は準優勝でした)(練習は)黙々とやります。辛そうな顔も出さないですし、能力も高いです。ただあそこまでいったら優勝して欲しかった。ミスが出ましたね。(石田について)よくやったとは言い切れないですね。(準々決勝は)第1ピリオドを取っても組み手で動かされてチャンスもなかったです。階級も(大学入学後)上がっているので、この冬にかけてパワーアップしたら勝てます。(大月について)勝たせてあげないといけないですね。責任を感じます。粘り強さが足らない。型が軟らかいので、ひっかかったらダメです。相手の上手さが出た。(中田について)自分の弱いところが出た。同じミスです。泥臭さと言うか2点を取ったら0にしないと。夏からタックルの練習をしているんですけど、出し切れていない。(中田のスタイル変更示唆について)得意技でしかポイントが取れないですから。来たのを返す。こじ開ける能力が(中田だけでなく)チーム全体として足りない。(レギュラーと控えで力の差があるようです。底上げは出来ていますか)74キロ級の田村と播磨は頑張りましたね。武富にも勝ってもらいたかったです。日体大はどの階級でも強いです。ただ60キロ級は安澤が負けた相手に松本桂が勝利。優勝すればなお良かったんですが、60キロ級は良かったですね。山口も日体大の松本相手にジュニアの頃よりは良い動きしていました。心の弱さです。ラストは良かったので、それを最初から出して欲しかったですね。(夏合宿ではどんな練習を積ませましたか)基本と実戦重視です。日体大、拓大、専大、立命大、徳山大、群馬大と合同練習をしました。「接戦で勝とう」をテーマにしたんですけど、もっと尻を叩けば良かった。僕の責任です。(合宿で伸びた選手は)藤元です。2回戦で良い動きをして優勝するかなと思ったんですが、空回りしていましたね。(全日本学生王座決定戦の目標は)優勝です。ワセダに2位はいりませんから。
安澤主将
(今大会を振り返って)納得いっていない。責任を果たせなかった。(責任とは)主将の仕事をすること。勝ってみなに刺激を与えること。言葉より行動で示したかった。全日本学生選手権にはどんな気持ちで臨んだか)上級生としての意地をみせるつもりだった。とにかく結果をだすこと。練習ではできても試合でできなければ意味がない。(フォール勝ちなどもあり勢いに乗っているように見えましたが)波に乗り切れなかった。気持ちの問題。ポイントを取られた後取り返そうという執念が弱かった。(チームとして今大会の結果はどうか)あまりよくない。もっと上位にいける人が多くていい。特に上級生。しめしをつけるためにが勝たなければいけなかった。情けない。(包帯をまいていた指の状態は)脱臼していた。前からのこと。(同階級で準優勝した松本桂について)練習態度もしっかりしていた。とても嬉しいが同じ階級なので複雑な気持ち。(主将の目からみて今大会成長したと思われる選手は)2勝した播磨をはじめ下級生すべて。(夏合宿で重点的に取り組んだことは)体力面の強化。よく仕上がったと思う。(次の試合は)9月の王座決定戦。団体戦です。(目標は)優勝です。
大月
(明治乳業杯で敗れた拓大・高谷との対戦で気負いがあったのか)確かに前回敗れた相手なので勝ちたいという気持ちがあった。しかし、今回は相手の方に勝ちたいという気持ちで上回られていたと思います。また、序盤に相手の指が目に入ったことで集中力を切らしたこと、その後すぐに気持ちを切り替えられなかったことが大きかったです。(2ピリオドの終了間際にあと一歩で逆転という場面があったが、その時の気持ちは)相手を返せば勝ちだったが、返しきれなかった。技術というより気持ちが足りなかったと思います。(前回の対戦から高谷対策はしたか、またどのような対策をしたか)今まで高谷と対戦した人やOBにアドバイスをもらったり、前回の対戦のビデオを見たりしました。(今大会を通じて得た収穫は)今回の大会で自分は最後まで攻めるための体力や泥臭く勝ちに行く気持ちがもっと必要だということを再認識しました。また、これらがこれからの課題です。(夏合宿では何に重点を置いて練習したか)場所が草津だったので体力面の向上のための高地トレーニングをしたり、今回の試合に備えて高谷の研究をしていました。(次の全日本学生王座決定戦に向けての抱負は)次は団体戦で、しかも自分は最上級生なので絶対に負けられません。絶対に勝つという気持ちを絶やさず、勝ちます。
松本桂
(準優勝おめでとうございます。今の率直な気持ちを教えて下さい)決勝の試合内容の悪さ、自分のミスで勝てなかったことが悔いの残る結果となった。(決勝の敗因は)第1ピリオドでポイントをとって守りに入り、自分のミスで落とした。第2ピリオドもクランチを落とした。相手のペースにもっていかれて自分のペースにできなかったことが敗因。(新人戦の時におっしゃっていた国士大・小田との決勝対決は実現できませんでしたが、結果的に彼より上に立つことができましたがそのことについては)直接戦って勝たないと全然嬉しくない。(準々決勝での日大・紋谷に2−0で勝ち、小さなガッツポーズをされていましたが自分の中で山場だと思っていましたか)試合前から安澤主将とあたる所(準決勝)までは勝ち上がりたいと決めていたので。あと、相手も結構強い相手だったので。(準決勝では、安澤主将に勝った日体大・前田でしたが意識はしていましたか)安澤主将に勝った相手というより、去年の秋の新人戦で負けた相手だったのでリベンジ戦と思っていた。(第2ピリオドはフォールされそうな場面もありましたが)フォールはそれを奪われた時点で試合が終わるので、必死で逃げた。(第3ピリオドは終了間際にバックを取って勝ちましたがカラーボールの展開も考えていましたか)もしかしたらカラーボールになるとも思いましたが、相手が前に出てきたのがわかったので逆にそれを利用してバックを取りにいこうと思っていたので作戦通りの展開。(夏合宿はどのようなことを意識して取り組みましたか)小さいので動いて先制点を取ること、構え、失点をなくす、入ってからの処理を意識してやった。(これからはマークされる存在になると思いますが)マークされるとかは全然意識していない。自分より強い人は沢山いるし、安澤主将にもまだ勝てないと思う。自分は全然強くないのでもっと上をみて、常にチャレンジする方だと思ってやる。
石田
(試合を終えて、心境は)練習不足。大学生のレベルで優勝を狙うには実力が足りないです。(6月には新しいスタイルで全日本学生選手権に臨むとコメントしたが)パワーに圧倒されてしまいました。接戦になったが、大学生の筋力とスタミナにやられた。(準々決勝の山梨学大・森川の印象)実績のある選手なので、強いのは知っていた。自分がどこまで出来るのか挑戦しましたけど、体力と力が僕より上でした。自分のレスリングをさせてもらえなかったです。(勝敗を分けたポイントは)力の差です。(7月の世界ジュニア選手権=3回戦敗退、はどうでしたか)それなりに自分のレスリングは出来ました。内容的には悪くない。最後に勝ちに固執した。気持ちの面で負けました。(夏合宿は重点的にどこを鍛えたか)走り込みで体力を強化しました。でもまだ足りないです。(次戦までにどうした調整をしますか)(今回)技術では負けていないと思っているので、勝ちへの執着心を普段から意識して身につけてチームの役に立ちます。
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