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第86回ニッケ全日本テニス選手権
11月5〜13日 東京・有明テニスの森公園
ワセダの快進撃、最終章
田川の快進撃もついに終わった
大詰めを迎えた大会8日目。男子シングルス準決勝では、今大会旋風を巻き起こしてきた田川翔太(教2=神奈川・湘南工大付)が第3シード相手にストレート負けを喫した。また、雨で延期となった男子ダブルス準決勝。伊藤潤(スポ4=佐賀・龍谷)・廣田耕作(スポ3=佐賀・龍谷)組は、第1シードペアから第1セットを接戦で奪うも逆転負け。どちらもベスト4で姿を消すこととなった。
田川の一球一球に観客が一喜一憂し、どよめく。注目度の高さを表す光景だった。前回覇者・杉田祐一(三菱電機)ら格上選手を次々と倒してきた田川は、高校の1学年先輩である守屋宏紀(北日本物産)と対戦。勝利への期待、試合前特有の高揚感。それらに満ちた中、田川は臆せず挑んでいった。リターンエースや相手に引けをとらない高速ラリーなど、大舞台にも屈しない強さを見せる。しかし、それだけに悔やまれたのがミスの多さであった。一番の武器である強烈なフォアハンドで打つショットが相手コートに収まらず、バックアウト。その他にもミスが目立ち、「どうしたらポイントを取れるのだろうという風に思わせてくるようなかなり良いプレー」(田川)をしてくる相手に2−6、1−6で敗戦。「あともう1個いくときにやっぱり壁があるな」(田川)。今大会見つかった課題は、田川をさらに大きく、強く、成長させることだろう。
ラストゲームを終え、握手を交わす伊藤潤・廣田組
手に汗握る試合だった。WC(主催者推薦枠)で出場する伊藤潤・廣田組の相手は第1シードペア。実力差は歴然であったはずだが、第1セットでは互角以上の戦いを見せた。2人の息の合った連係プレーは、観客席から感嘆の声が漏れるほど。この試合でも相手を苦しめ、第1セット第8ゲームで4−4と並ぶと、ここからシーソーゲームが始まる。互いに譲らず迎えたタイブレーク。ここで魅せたのは伊藤潤・廣田組だった。廣田と相手選手の高速ラリーの中、伊藤潤がポーチに出てボレーを打ち込む。2人のコンビネーションの良さが輝いた、見事なプレーだった。そして最後は伊藤潤のサービスポイントでタイブレークを制し、第1セットを先取した。しかし、第2セット、第3セットで力の差を見せつけられる。悔しい逆転負け。これが中学時代から組んできた伊藤潤・廣田組の解散試合となった。今大会負けたら引退となる伊藤潤は、試合後の感想を聞かれ、「終わったなあ…という感じです」と感慨深げに一言。4年間ワセダ庭球部を支え続けた伊藤潤は、この試合をもってコートを去った――。
大会最終日を前にワセダ勢の試合はすべて終了。今大会、早大選手の出場試合数は計37にも上る。格上の相手と当たり、苦戦する場面も多かった。しかし、それでも果敢に攻めていく選手たちの姿に、多くの人が感動と勇気を与えられたに違いない。
(記事 柳澤里衣、カメラ 小笠原芳)
※日本テニス協会側の統一表記で、大会名は例外的にニッケ全日本テニス選手権と記載いたします。ご了承ください
準優勝という好成績で表彰を受ける片山・高畑組
★片山・高畑組は惜しくも準優勝
混合ダブルス決勝には、片山翔(スポ4=福岡・柳川)・高畑(橋本総業)組が登場。第1セット序盤は3ゲーム連取で幸先の良い出だしだったものの、3−3と追いつかれると相手のペースに。4−6と逆転で落とし、第2セットも片山のサーブを相手の女子選手にリターンエースされるなど流れを取り戻せない。要所でボレーやスマッシュも食らい、2−6とされ敗戦。ストレート負けで頂点には届かなかった。
◆結果
▽男子シングルス準決勝
●田川(2−6、1−6)守屋
▽男子ダブルス準決勝
●伊藤潤・廣田組(7−6(5)、2−6、3−6)伊藤竜馬(北日本物産)・近藤大生(アイシン電機)組
▽混合ダブルス決勝
●片山・高畑組(4−6、2−6)篠川智大(JR北海道)・田中真梨(フリー)組
◆コメント
伊藤潤(スポ4=佐賀・龍谷)
――いまの率直なお気持ちを
終わったなあ…という感じです。
――試合の感想を
ファーストセットを取って、少しいけるかなと思ったけれど、やっぱり相手も強いし、惜しかったなというのとしょうがないかなというのと、そういう感じですかね。
――第1シード相手に、第1セットを最後はご自身のサービスポイントで取ったとき、どのようなお気持ちでしたか
簡単にはセカンドセットを取らせてくれないなとは思いました。
――うれしかったですか
まあそれはうれしかったですね。
――第2セットを取られたときはどのようなお気持ちでしたか
結構こっちのミスも多くなってきたので、最後はもうファイナルセットは集中してもちろんやるべきだし、負けたら最後になるから、本当に最後全部出し切るだけという感じですかね。そういう風に話して、やりました。
――試合中、よく廣田選手と声を掛け合っていましたが、声掛けを意識していたのですか
そうですね、はい。良くコミュニケーションを取ってやることが大事なので。
――廣田選手と組むのも最後になりましたが、廣田選手へ何かメッセージを
ダブルスは愛だ!(笑)。
――今大会を全体的に振り返って
結構驚きの多い大会という。田川がベスト4になったりとか、僕らもベスト4になったし、片山たちも決勝に上がったし。何かいろいろと番狂わせが多いというか、そういう大会になったかなと思いますね。
――いままでのこともおうかがいします。4年間庭球部で生活してみてどうでしたか
苦しいこともあったけれど、楽しいこともいっぱいあったし、本当に充実した4年間だったかなと思います。
――テニスはこれで最後なのでしょうか
実業団でも続けるけれど、こんな多い練習量の中で試合に出られるのは最後かなと思いますね。
――ちなみにもう庭球部の練習に出ることはないのですか
気が向いたら出るかな(笑)。
――きょうの試合が全力で取り組める最後の試合ということになりましたが、そのことについてはどう思われますか
いつもいつもこれが最後になるかもしれないと思ってやっていたので、すごく気合いを入れてやっていました。
――ずっとテニスを続けてきて良かったですか
良かったです。
――どのように良かったですか
一つのことに一生懸命になって、ただ勝ちたいということだけに一生懸命取り組んで、勝つために何が必要かといろいろ考えて、本当に1日1日、時間を大切に有効活用して、いろんな角度からテニスと向き合ってやるというのは、スポーツだけでなく勉強とかそういうどの分野に関してもやっぱり大事で、本当にこう一つのことに対して頑張るというのは良いなと思いました。それに人脈もすごく増えて、こうして会場とかに来ると早大関係者はもちろんそうだけれど、他のプロの方とかトレーナーの方とか他のコーチの方とかいろんな人、さっきのファンの人もいたし、そうやってどんどん人脈が増えて、増えたから良いという訳ではないけれど、やっぱりそれはこれから生きていく上ですごく大きいし、そういうところですかね、今良かったなと思うのは。
片山翔(スポ4=福岡・柳川)
――惜しくも混合ダブルスでは準優勝でしたが
まあやっぱり悔しいですけど、全日本の決勝の舞台でプレーできてとても楽しかったです。
――センターコートでのプレーはいかがでしたか
やっぱり雰囲気が良くて、それはお客さんがそうさせてくれているからだと思います。
――相手の女子選手にリターンエースを決められてしまいましたが
女子の田中選手がやっぱりめちゃくちゃ良かったので、今回は参りましたね。
――男子の篠川選手にもボレーをことごとく決められてしまいましたが
そうですね。やっぱりダブルスを知っている選手なので、良いプレーだったと思います。
――表彰式のスピーチでは会場を盛り上げていたと思いますが
まああれがぼくのスピーチなので(笑)。
――今大会全体を振り返って
特にシングルスになるんですけど、課題が残るというか、課題が新しく見つかったというところもあるし、自分で良いと思っていたところが全日本の舞台ではあまり通じなかったと思うので。もっと全体的に(プレーの)幅を広げて上達させないといけないと思いました。
――来年のこの大会で雪辱したい気持ちは
そうですね。やっぱりシングルスでスピーチできるように頑張りたいと思います。
田川翔太(教2=神奈川・湘南工大付)
――試合の感想を
相手は高校の先輩である守屋(宏紀)さんで、自分の弱点というかこうされたら嫌というのを本当にすごく知っていて、僕なりにも知っているところで対抗しようとしたのですけれど、やっぱり基本的な技術の差であったり、この全日本(ニッケ全日本テニス選手権)に懸ける思いであったり、そういうところに差があったのかなという風に思いました。
――高校時代以来の守屋選手との対戦はどうでしたか
やっぱりぼくの技術ももちろんすごく上がっているとは思ったのですけれど、やっぱり相手の技術もすごく上がっていて、ぼくの中でどうしたらポイントを取れるのだろうという風に思わせてくるようなかなり良いプレーをされたという印象があります。
――きのう、「最高で3ゲームしか取ったことがない」とおっしゃっていましたが、やはりその壁は厚かったということでしょうか
きょうは結構自分がブレークポイントとかキープできるポイントもあってそれを逃して取られていたので、きょうはちょっといけるかなと思ったのですけどね、正直。でもやっぱりそのちょっとの差でファーストセットを落としてからはもう相手の方に勢いがあるので…という感じですかね。
――いままで倒してきた選手ときょうの守屋選手はどこが違ったのでしょうか
いままでの相手はスピン系で結構跳ねるボールを打ってきて、僕はそれを上からたたくという感じだったのですけれど、きょうの守屋さんはボールが低いので、それを自分が持ち上げて打つというのがすごく結構大変で、ボールを持ち上げても同じぐらいのスピードで打てたりしないとやっぱり上にはいけないのかなという風に思いました。
――相手のセカンドサーブをいままでは思い切り叩いていたと思いますが、きょうはそれが見られなかったように思ったのですが
相手のファーストサーブの確率が良くて、やっぱりプレッシャーがかけられなかったと言えばかけられなかったのかなという…。打ってもポイントを取られている場面が結構あったので、打ってもっと良いところにいっていれば、ポイントを取れて相手にプレッシャーがかかったかもしれないですけれど、やっぱり相手のファーストサーブの入りが良いと、どうしてもやっぱり打てないかなという風に思います。
――では今大会をふり返っていただきたいのですが、ダブルスはベスト8、シングルスはベスト4という結果についてどのように思われていますか
結果についてはすごく満足できる結果だったと思います。でもあともう1個いくときにやっぱり壁があるなという風にすごく感じたので、自分なりに色々感じていることはあるのですけれど、課題を持って、日々練習していきたいと思います。
――杉田選手を倒されてからは注目度も上がったと思いますが、そのことについては
そんなに意識しないようにはしていました。やっぱりいまでも実感がわかないですし、どう変わったとかはこれから多分分かってくると思うのですが、杉田さんを倒したということで、自分にもより責任が生まれてくると思うので、その責任を果たせるようにしたいなと思いました。
――今大会、特に最後の方は数々の強い選手と対戦してきましたが、やはり緊張はされましたか
序盤はやっぱり緊張するのですけれど、中盤になると楽しめました。でも杉田さんに勝ったときは最後まで緊張しました。結構自分なりにも良いプレーができたので、そこは楽しかったです。
――これから12月には全日本学生室内選手権がありますが、その意気込みを
今までと同じ気持ちで、過去のことは関係ないので、1個1個やるだけだと思います。1個1個しっかり勝って、シングルスは第1シードが多分つくと思うのですが、第1シードがついてもそんなプレッシャーに負けないようにしていきたいなと思います。
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