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 平成19年度全日本選手権 1月19〜20日 東京・東京体育館



 戦いながら進化! 福原・照井組初の日本一

福原・照井ペア  フルゲームで迎えた第5ゲーム、10−9。静まり返る東京体育館。会場全員の視線は次の1ポイントに集中する。次のポイントを奪われればジュース、決めれば優勝。相手の返したボールは、わずかに台上からはずれ、福原愛(スポ1)の目の前の床に落ちた。その瞬間、早大では史上初となる女子ダブルス優勝が決まった。笑顔でハイタッチをし、抱き合う2人の顔からこぼれる満面の笑顔。日本女子卓球界を担う2人の若き才能ががっちりとかみ合い、手にした初の栄冠だった。

 福原・照井萌美(教1)組が始めてペアを組んだのは、今季の春季関東学生リーグ。熟年の専大ペアに負け、チームもリーグ優勝を逃した。あれから8ヶ月、再びペアを組むこととなった2人。今大会に向けて2人で何度も練習をする機会はなかったが、試合中に細かくコミュニケーションを取り合うことで、試合を重ねるごとに尻上がりにコンビネーションを高めていった。準決勝ではストレートで相手を退ける強さを見せ、上り詰めた決勝の舞台。相手は、全日本社会人選手権で優勝経験のある藤沼・樋浦組(ミキハウス)。1−2と後のない第4ゲーム、細かいことを考えるよりも若さを生かした思い切った攻めをみせる。福原のバックハンドスマッシュに照井のフォアドライブとお互いの得意なプレーが冴えわたった。2−2として運命を懸けた第5ゲーム。2人の胸中にあったのは優勝をかけたプレッシャーよりも「出来るだけ長くこの場所にいたい」(福原)という思いだった。第4ゲームの勢いそのままに序盤にリードを広げ、なんとかリードを守りきって早大1年生ペアが日本の頂点に立った。

福原・照井ペア  女子ダブルスでは表彰台の2つを早大が占めるなどまさに歴史をぬりかえることとなった今大会。関東学生リーグでは1部昇格が決まった来季。早大女子部の活躍を予感せずにはいられない。

(飯田唯) 


◆結果
【女子ダブルス】
優勝 福原・照井 福原
ベスト4 宮本・梶本
【女子シングルス】
ベスト4 照井
【男子ダブルス】
ベスト8 足立・笠原
【男子シングルス】
ベスト16 下山隆敬(社4)
※上位進出者のみ掲載

★“仲良しコンビ”快挙!宮本・梶本組がベスト4入り

強豪をなぎ倒していく宮本・梶本組  女子ダブルスでは、全日本学生選手権ベスト4などこつこつと実績を積み上げてきた宮本真梨子主将(スポ4)・梶本麻莉菜(教3)組もベスト4入り。福原・照井組とあいまって“W”の躍進劇を演じた。
 シングルスでは振るわなかった二人だが、1足す1がマイナスにも何十倍にもなり得るダブルスは得意分野だった。学年は違うが「何でも言い合える」という仲の良さが生む抜群のコンビネーションで、個人の技量では差のある敵を次々になぎ倒した。ランキング決定戦でもあった5回戦の山崎・坂本組(サンリツ)戦では、ゲームカウント2―0からタイに戻されたあとも粘りに粘って勝ち星をゲット。「気持ちを切り替えて自分たちのプレーができた」とうなずき、堂々と表彰台の3位の位置に立った。
 宮本が卒業するため、3年間苦楽をともにした“仲良しコンビ”での戦いも今季で一区切り。しかし、ベスト16以上のペアには次回の無条件参加資格が付与されるため、「できたら来年もこの全日本で組んで、来年は優勝したい」と二人に燃え尽きた様子はなかった。


★照井「無欲」のシングルスベスト4

照井  19日に福原愛(スポ1)とのダブルスで優勝した照井萌美(教1)は20日、シングルスでベスト4入りを果たした。ダブルス優勝で勢いにのる照井は、準々決勝で元オリンピック代表の小西杏(アスモ)をストレートで下す。期待高まる続く準決勝では、昨年王者・平野早矢香(ミキハウス)と決勝をかける大一番。勢いの止まらない照井は、1ゲーム目から6−1とリードする。しかし、「リードしていて緊張して固くなってしまった」(照井)。勝利への欲が裏目に出てしまったのか、その後は相手の実力を見せつけられ、ストレートでの完敗。だが今大会、照井は、ダブルスでの優勝に加え、シングルスでもベスト4の快挙を成し遂げるなど、日本トップレベルの実力を有する事が証明された。「無欲」で夢を実現させられるか、今年の照井に注目が集まる。


★男子ダブルス 足立「ぶっつけ」で驚きベスト8

 今季1年ルーキーながら早大の主戦として活躍してきた足立智哉(スポ1)が、高校の後輩である笠原弘光(東山高)と約1年ぶりにペアを組んでベスト8。「全然練習してなかったんですけど…」とうれしさの中に驚きの様子をのぞかせた。 笠原の到着は2回戦の試合当日。「試合前に約1時間練習したくらいのぶっつけ」状態で臨んだが、互いの性格やプレースタイルを知り尽くす先輩後輩コンビが感覚を取り戻すのにそう時間は要らなかった。3回戦では、早大の久保田隆三(社4)・原田慎吾(スポ2)組を相手に接戦の末3―2で勝利。「先輩たちに勝ったから、 ベスト8に入るのが義務だ」と意識付け、続く社会人ペアと高校生ペアを破ってきっちり“責務”を果たしてみせた。 先輩・足立の背中を追い、笠原も今年春に早大に入学する。前回もベスト16に入った実績十分の若手ペアには、まずは春季リーグ戦でのダブルス即戦力としての期待がかかる。下山隆敬主将(社4)ら4年生3人が卒業する早大にとって、今大会の単複王者である水谷隼(青森山田高)ら大物ルーキーが加入するライバル・明大はとてつもない脅威。足立は「プレッシャーはあるが、自分がシングルス、ダブルス両方で点を取りたい」と、ポスト黄金世代の旗手に名乗りをあげた。


◆コメント
福原、照井組
(チームとしての手ごたえは)照井:予選の時から危ないときもあった。上は狙っていたけれど優勝するとは。戦っているうちに「あっなんか調子がいいな」ってわかってきて試合するごとにいいダブルスになってきた。福原:試合しながらかみ合っていったと思う。最後までいけるとは思っていなかった。(試合前お互いにアドバイスしあったことは)照井:ずっと組んでいるペアじゃないから話し合うことを大切にした。今、相手が何をしてほしいと思っているか考えてプレーした。ミスしても「大丈夫」と愛ちゃんがいってくれたので心強かった。福原:3球目のボールをここにうつとかお互い細かいところまでいいあってプレーした。(大会前までのコミュニケーションは)照井:いっぱいメールをした(作戦は)照井:まず対戦したペアのビデオをみて打たせると不利だと感じたので最初はなるべく短くストップとかしてたけれど、途中で考えすぎるより思い切ってやりたいようにやったほう次につながるボールがくると思って思い切ってやった。(途中のタイムアウトではどんなことを)福原:決勝まできたのだからできれば長くこの場所にいれたらいいねと話していた。(福原選手は大会を振り返って)福原:オリンピックの年ということでいつもより気合が入っていたけれど、前年度より落ち着いてプレーできてよかった部分もあった。(世界卓球、オリンピックにむけて)福原:ずっと全日本選手権にむけてやってきたけれど今回だせなかった分、世界卓球では銅以上を目指したい。団体のほうが個人より10倍くらい好き。

宮本・梶本組
(結果に関して)梶本:半分満足、半分反省かなという感じです。二人:でも自分たちのレベルだったらいい方だなとは思いました。(今大会の目標は)宮本:組み合わせを見た時にいけそうだなとは思っていました。全日学とかもいい試合をしてきたので、この大会でも上位が狙えると思って練習してきました。(今大会で印象に残った試合は)宮本:ランク決定戦ですね。2ゲーム取ったんですけど、そこから2ゲーム取り返されてしまうという悪い流れだったんですけど、そこから気持ちを切り替えて自分たちのプレーをすることができました。(このペアの今後は)梶本:どうなるんですか?(笑)できれば全日本で来年も組みたいです。来年は優勝したいですね。(宮本選手は卒業となりますが)宮本:4年間は色々とありましたが、最後にこうやってダブルスで表彰台に立つことができてよかったです。卒業後も東芝メディカルに所属して競技を続けます。実業団は今よりも練習量が減ってしまうと思いますが、少しでも上を目指してやっていきたいです。

足立
(結果に関して)3回戦で久保田さんと原田さんのペアと対戦して勝ったので、その後はもう8に入るのが義務だと思っていた。勝ったほうが8だなと。去年は16だったので、8には入りたいとは思っていたが、1回も練習していなかった。普段は浅沼(慎也=スポ1)と組んでるんですけど、全日本限定で組ませてもらったので。試合前に約1時間練習したくらいで、ぶっつけでしたが、それが逆にプレッシャーなく戦えたんじゃないかと思います。(このコンビは)ずっと一緒にやっていたので、お互いの性格とかどんなプレーをしたいのかが分かる。年下だけど向こうのほうが強いので、向こうがリードして自分はついていくという感じ。信頼してますね、向こうがどうかは知らないんですけど(笑)(来季は)全日本でダブルスは今回8だったので、ベスト4以上はいきたい。シングルもワセダで最後まで残っていられるように、きょうの下山さんみたいに応援してもらえるように頑張りたいです。(次の試合は)大きな大会はリーグ戦ですね。メイジには水谷が入ってくるし、ワセダは4年生3人が抜けてしまう。3人が抜けてしまうので、みんな自分がやらなきゃと思っています。僕は今季は1年生でプレッシャーがなくて勝てたというのもある。来季は僕がダブル、シングル両方で点を取りたい。

照井
(6−1でリードしていたが)後から逆転してゲームを取ることが多いので、リードしていて緊張して固くなってしまった。(前回チャンピオンとの対戦だったが)特に考えず、意識しなかった。(結果は満足か)欲を言えばもう一試合やりたかった。(調子は)よくも悪くもない。あまりよすぎても全部入るかもと過信してしまうので、普通がベスト。(成績としては十分か)一番高いところに登りたいが…1セット目取ったら番狂わせあったかもしれないが取られてしまった。それ でも結果的にベスト4なのはびっくりしている。(平野さんはどの辺が強かったか)根性ですかね(笑)先輩なんですけど、粘りがすごいです。強い球を打っても抜けないのが怖いです。ラケットに当たってミスっても、ギリギリで入ってきそうです。(去年よりよくなったところ)精神面ですね。失うものがなく、得るものしかなかったので気持ちが楽だった。こんな強い人たちと試合する機会がなかなかないけれど。海外で戦っている人や北京もあるし、みんな懸ける想いがあるのでプレッシャーがあるのだろうけど、私はなかった。緊張せずに楽しくできた。(来年は)大学1年目でこんな成績がいいので怖いですね。欲を出さずにいきたい。来年は来年 ですが、今年新しくいいスタートを切ったので、チョンボせず安定した成績で来年もここに臨みたい。(ダブルス優勝の影響は)優勝したのは本当にびっくりでサプライズプレゼントかと思う。試合していくうちにかみ合ってきたのがわかった。決勝で負けるよりは心境的にはプラスに働いた。シングルスと共通していることは 「無欲」。考えすぎないようにやった。(無欲と言えど、もう一つ高いところを狙っていくか)いつもベスト8が多いので、今回もベスト8は破りたかった。今回ベスト4に入れたのでもう少し上を目指して頑張りたい。(日の丸は)高校の時はジュニアで海外に行かせてもらっていたが、どっかで勝たなきゃいけないと思っていた 。大学に入ってそういう機会があまりないのでそのようなプレッシャーはなくなった。今はそこまで海外は考えておらず、日本で頑張りたい。(世界卓球はどう考えているか)遠すぎると思っていた。身近じゃないと実感がわかなくて、夢のまた夢くらいに考えていた。自分の実力がついて現実になったら狙っていきたい。(部員みんなの声は届いたか)すごく聞こえて、力になった。







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