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第89回全国学生選手権(団体戦)
11月6日 大阪・大浜公園相撲場
インカレは目標届かずも、力闘見せる
青山の勝利に咆える塚本とキアラシ(左)、堀(右)
全国学生選手権2日目の6日、早大相撲部にとっての「本番」であるインカレ団体戦が行われた。現在Bクラスの早大は、Aクラス予選進出を狙ったが、あと一歩で目標に届かず。これで今季の公式戦を全て終えた。
停滞した前日から一夜明け、早大は本命である団体戦に臨んだ。Aクラス予選に進むためには、トーナメントで3位以内に入ることが絶対条件だが、ここで早大は上々のスタートを切る。
1回戦シードの早大は2回戦で防衛大と激突。まず先鋒で登場したのは助っ人の堀敦登(社3=島根・開星)。小柄な堀はきれいな小手投げで先鋒の責任を果たす。柔道部の見事な技に会場から拍手が沸き起こる中、相撲部が黙っていられるはずがない。前日は不調だった二陣の塚本直樹(スポ2=鳥取城北)は立ち合いを完全に制し、はたき込んでチーム2勝目。これでチーム全体に漂っていた停滞ムードを一掃すると、流れは完全に早大に。続くキアラシ(人2=東京・都立大付属)は敗れるが、副将の青山貴昭主将(スポ4=愛知・愛工大明電)が上手投げで貫禄勝ち。準々決勝に駒を進め、Aクラス予選へあと一勝とした。
準々決勝敗退が決まり悔しさに顔を歪める元杉
勝てばAクラス予選進出が決まるこの日最大の一番。相手はAクラスとも互角に渡り合える戦力を擁する駒大。まずは先手を取りたかったが、1回戦で活躍した堀が、今度は立ち合いで完全に出遅れ、なす術なく土俵の外へ。だが、簡単にペースは譲らない。「個人戦は(勝っても負けても)どちらでも良かった。とにかくきょうの団体戦に勝ちたかった」と必勝を期して挑んだ塚本は、タイミングよく相手を引き落とし、前日とは見違える動きぶりを披露。その後チーム2敗目を喫し、後がなくなるが、ここで踏ん張るのが主将の青山。取り直しの後も集中力を切らさずとったりで勝利。「彼は本当にああいう相撲が得意なんでね」という集大成の大会にふさわしい働きを見せた。そして勝負は最後の大将戦に委ねられる。出てきたのは「先輩を目標にやってきた」と、人一倍青山の有終の美を望む元杉有成(社3=熊本・文徳)。しかし、思い切ってぶつかっていくも、相手にペースを奪われ、土俵際まで詰め寄られる。なんとか形勢を逆転しようと必死に粘るが、無情にも土俵の外へと倒された。悔しさからか、しばらく立ち上がれなかった元杉。試合後に見せた表情には無念さがにじみ出ていた。
目標であるAクラスチームとの対戦は叶わなかったが、今季の最後を締めくくるにふさわしい熱い試合だった。5人全員が一丸となり、1勝を挙げるごとにチームは沸いた。主将の青山も「(元杉と塚本と)本当に同じチームで良かったなと再認識できた」。部員3人による戦いはこれにて幕を下ろした。厳しいシーズンを乗り越えた早大には、来季の飛躍が期待される。青山主将はチームを去るが、来季は元杉と塚本を中心として古豪・ワセダ復活の一年として欲しい。
(記事、カメラ 竹端集)
◆結果
Bクラストーナメント
1回戦
シード
2回戦
対防衛大(3勝2敗)
先鋒 堀 〇(小手投げ)
二陣 塚本〇(はたき込み)
中堅 キアラシ●(寄り倒し)
副将 青山〇(上手投げ)
大将 元杉●(寄り倒し)
準々決勝
対駒大(2勝3敗)
先鋒 堀 ●(押し出し)
二陣 塚本〇(引き落とし)
中堅 キアラシ●(突き出し)
副将 青山〇(とったり)
大将 元杉●(寄り倒し)
★個人戦は正代(東農大)、団体戦は日体大が優勝
5日の個人戦は正代(東農大)が日体大の中村を倒し学生横綱に。6日の団体戦では決勝で近大を5−0で退けた日体大が頂点に立った。その他結果は以下の通り。
※個人戦
優勝 正代(東農大)、準優勝 中村(日体大)、3位 川口(九情大)、大道(東洋大)
※団体戦
優勝 日体大、準優勝 近大、3位 拓大、日大
◆コメント
室伏渉ヘッドコーチ(平7人卒=東京・明大中野)
――きょうの団体戦の結果について
勝てた試合だなと思いますけど、部員が3人しかいない中でいいチームである駒大にあそこまでいったので、残念ですけどよくやったと思っています。
――昨日の個人戦については
青山の相手は過去に何回も戦っている相手で、(お互い)相手を知り尽くしているのでやりづらいというのはあったので、この結果は致し方ないと思います。塚本に関しては近大のなかなかいい選手だったんですけど、少し元気がなかったかなというのはありますね。元杉は1回戦勝ちましたけど、2回戦の専大の蒲田選手は悪い選手ではないので、もうちょっと次につながる相撲を取ってもらいたかったです。
――今季全体を振り返ってみて
自分の選手を褒めるわけではないんですけど、部員3人しかいない中で、本当によく戦ったと思います。練習の時からモチベーションをどうやって上げるのかを考えなければいけなかったので、それを考えた時に3人しかいない中でどうやってやるかが一番大事でした。僕も毎週必ず練習に行って顔を出して叱咤激励するというか、練習を一緒にやったりだとか、この間も練習取材に来てもらったり、それでチーム(の気持ちが)が切れなかったですね。きちっとすごくまとまったのではないかと思います。
――青山主将はこれで早大での相撲生活が終わりますが何か一言ありましたら
本当にご苦労様でした、と。あいつは2年の時にケガをして相撲どころではないほど体が不調だったんですね。脊髄の方をケガして、それを懸命なリハビリによってこうやってまた土俵に立てた。本人やご両親とも色々相談したんですけど、その中で本人が相撲をやりたいということでここまで来て、最後駒大の選手に勝った相撲なんかはいい相撲だったなと思います。彼は本当にああいう相撲が得意なんでね。本当にご苦労様でしたと言いたいですね。
青山貴昭主将(スポ4=愛知・愛工大名電)
――大学相撲の4年間が終わりましたが今の気持ちは
寂しいというのが一番ですね。15年間相撲をやってきて振り返ったら本当に早くて、あっという間でした。
――団体戦を振り返って
本当にみんな楽しくやれたなというのはありました。あとは元杉と塚本なんですけど、本当に同じチームで良かったなと再認識できました。お礼を言いたいです!
――昨日の個人戦に関しては
(相手の選手とは)今年2回戦って2連敗していて、今回3回目として臨んだんですけど、以前よりは結構いい相撲を取れたので、自分自身の自信になってきょう(の団体戦に)臨むことができました。
――早大相撲部での4年間を振り返って
2年生の時に試合中にケガをして相撲人生も終わりだなと思ったんですけど、監督、コーチや先輩方、後輩の支えもあってここまで来ることができました。4年間最後まで相撲を取ることができて幸せ者だなと思います。
――主将としてチームを引っ張った1年間でしたが
(団体戦の)メンバーをギリギリ組める状態で、柔道部の助けもありながら1部と対等に戦える駒大とあそこまでやれたというのは後輩たちの自信にもなりますし、僕自身終わり良ければ全て良しではないですけど、みんな(力を)出し切ったんではないかと思います。
――後輩に向けてメッセージを
元杉は本当にリーダーシップがあるので、元杉なりのチームを作ってくれればいいチームができあがると思います。塚ちゃん(塚本)は緊張してしまうんですけど(笑)、チームのムードメーカーというか、塚ちゃんがいるだけでチームがまとまるので、あの2人でいいチームを作ってくれると思っています。
――元杉さんが「刈谷大会(大学生と実業団のよる大会)で会いましょう」とおっしゃっていました
僕も社会人になって完全に相撲を辞めるのではなく、相撲にはずっと携わっていこうと思っています。社会人の試合には出るので、元杉が刈谷大会に来た時にそこでまた話ができればなと思います。
元杉有成(社3=熊本・文徳)
――団体戦を振り返って
全然ダメだったというか、一番大事な場面で勝てなかったので残念ですね。貴昭先輩(青山)最後の試合だったので。
――最後の取り組みではどのような気持ちで土俵に上がられましたか
自分が勝ったら(チームの)勝ち、負けたら(チームの)負けだったので、勝つ気持ちで臨みました。
――昨日の個人戦を振り返って
個人戦はのびのび取れたんですけど、2回戦で負けてしまったのでいい結果ではないと思います。もっと頑張らなければいけないなというのはあります。
――今季全体を振り返って
今年は部員3人という中でずっと練習をやってきて、試合では柔道部やアメフト部の選手に出てもらって試合に出場できたんですけど、3人という中で1年間試合に出られたということが良かったと思います。
――少し早い話ですが来季に向けての抱負を
僕も来年はこの大会で最後なので、1年後に笑って卒業できるようにしたいです。体ももっと大きくして力もつけて、新入生が4人ぐらい入ってくれるらしいので、チーム作りをしっかりして勝利目指して頑張っていきたいなと思います。
――最後に青山主将に一言
4年間お疲れ様でした。先輩を目標にやってきたので、また頑張りたいです。刈谷大会で会いましょう。
塚本直紀(スポ2=鳥取城北)
――昨日の個人戦を振り返って
昨日は個人戦だったので、(勝っても負けても)どちらでも良かったです。とにかくきょうの団体戦に勝ちたかったです。
――では団体戦を振り返っての感想を
個人的には結構体が動いていたから満足です。
――チームとしては
自分は2回戦(対防衛大戦)勝てると思っていなかったので、勝てて良かったです。4年生の青山先輩はこれで最後になってしまったんですけど、僕自身また来年も頑張りたいと思いますね。
――昨日の夜はどう過ごされましたか
いや、いつも通りにみんなでご飯食べに行きました。
――きょうの団体戦についてもみなさんで話されたのですか
そうですね。明日は本番だから頑張ろうと気合を入れました。
――今季全体を振り返って
自分は今回まで団体戦も全然勝てなくて、内容が悪かったので、その分今回は青山先輩の最後の大会ということもあり頑張りました。
――それでは最後に来季の目標を
この大会が終わると(部員が)2人になってしまって、来年新入生が4人受けてくれる予定ではあるんですけど、何人入るかははっきりと分からないのでまずは部員を確保したいです。あと、きょう悔しい思いをしたのでまた来年に向けて冬にしっかりと稽古をして、頑張りたいと思います。
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