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蹴魂(11)
昇格への道のり
「1部へ」。今シーズン、選手たちが揃って目標として口にしてきた合言葉が現実味を帯びてきた。8年間という長い低迷期を抜け、今早大ア式蹴球部が再び関東1部リーグの舞台に立とうとしている。
今季、早大が所属する関東2部リーグは全12チーム。その12チームのうち、上位2チームのみが来季関東1部リーグで戦うことが許される。「上位2チームに入ること」が今季のワセダに課せられている絶対命題だ。現在(第16節終了時)、早大は2位の専大に勝ち点6差をつける37点で首位を快走中。一部昇格への道を着実に進んでいる。
首位を走る今季は攻守ともにリーグ最高の出来を見せている。リーグ戦前期、早大は最多得点、最小失点という2部リーグでは圧倒的な力で折り返す。後期リーグが始まる前の7月に行われた総理大臣杯でも、全国を舞台に準優勝という結果を残しており、その実力に疑いの余地はない。
早大の強さとは何か―。数字で見れば早大の強さは圧巻、他を寄せつけないだけの力を十分に持っている。その最も大きな原動力となっているのが選手層の厚さだろう。選手層の厚さ、それは長いリーグ戦を勝ち抜いていくためには必要不可欠な要素だ。早大は今季スターティングメンバーが固定されたことはなく、毎試合のように選手が入れ替わり出場している。それでいてしっかりと結果を残していることが早大の何よりの強みだろう。また、大榎監督(昭63年教卒)が「交代枠が足りないよ」とこぼすように控え選手の質の高さも見逃せない。交代選手がしっかりと結果を出し、それによってチーム内競争が激化する。これが強さの秘訣だろう。
しかし、どんなチームにも「完璧」はない。絶対的な戦力を誇る早大も、後期は前期のようにはいかない。前期を圧倒的な力で、首位で折り返した早大は、他チームからマークされることを避けることはできない。カウンターからの失点、ガチガチに引かれて突破口を見出せずに敗戦を喫す。これが今季の早大の「負けパターン」だ。他チームからすれば、圧倒的戦力を誇る早大に対して、このような戦術はとるのは当然。今後も十分に予想される展開である。攻勢に出たときの守備の意識、ビハインドを負ったときのメンタリティーの強さなど、1部昇格のために残された課題は少なくない。
これらの課題を1つ1つ解決していくことで、ワセダの強さは更なる高みに達し、8年ぶりの関東1部へ、選手たちの合言葉は現実となる。
(内田樹)
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