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 【特集】ア式蹴球部女子部 大滝麻未単独インタビュー



 リヨン入団!大滝単独インタビュー

 4年間ワセダのエースとして活躍したFW大滝麻未(スポ4=横須賀シーガルズ)。4年間でいくつもの大会において得点女王の称号を総なめにしてきた大滝は、新たな舞台に海外を選択。昨季の欧州チャンピオンズリーグを制覇したフランスの強豪、オリンピック・リヨンへの入団を決めた。ワセダでの4年間を振り返っての感想、リヨンでの目標、なでしこジャパン(日本女子代表)への思いなどを伺った。
※取材は2月6日に行ったものです。



自分で考えるサッカーを学んだワセダでの4年間


笑顔で取材に応じる大滝
――ワセダでの4年間は大滝さんにとってどういう印象でしたか
良い時もあり、悪い時もありという感じで、落ちるときにはどん底まで落ちました。でもその時期があったから這い上がれてこられたのかなって思います。4年間を通じていろんな経験もできました。

―― 一番辛かった時というのは
カナダでの留学から帰ってきた時です。理由は太ったことと、日本のサッカーからしばらく離れたことで、日本のサッカーに適応できなくなってしまったことです。前みたいに思うようなプレーもできなくて、試合にも出られていませんでした。でもそれがあったから、今ここで結果を残せたのかなとも思っています。

―― 一番良かった時は
やっぱり4年生の1年間が私の中では一番良かったです。

――高校と大学で女子サッカーのレベルの差というのはありましたか
私は高校は男子でサッカーをやっていたので、大学に入るときに戸惑うことなくすんなり入れました。でも、土日クラブチームでやっていたのと比べると体格の大きい選手も多いですし、後輩が慣れるまで時間がかかっているのを見ても、自分は体で感じていなかったけど、最近になってやっぱり差はあるなと感じるようになりました。

――技術的な部分なのでしょうか、それともフィジカルの部分なのでしょうか
たぶんフィジカルの面が大きいんじゃないかと思うんですけどね。体力とか、強さとか高校生は大学生に敵わないと思います。

――大学4年間を振り返って学んだことはありましたか
自分で考える力だと思います。監督が選手主体でやるサッカーをする人だったので、辛いときとかでも自分たちで考えてやらなきゃいけなかったし、練習メニューがうまく進まないときも自分たちで解決しなきゃいけなかったので。苦しくなったときに、自分たちでうまく打開していく力というのはついたと思います。

――高畑さんも同じようにおっしゃっていました
自分で考えなきゃどうしようもない状況に置かれていたので、そういう力がついたのは必ずプラスになったと思います。


「チームが苦しいときに点を決められるような選手になりたい」


大滝
――リヨン入団に至った経緯は
きっかけは2011年のユニバーシアードで、フランスと2試合やったんですが、フランス代表の監督がリヨンのトップチームのアシスタントコーチで。リヨンはセンターフォワードの選手を探していて、その候補の中に名前をいれてもらいました。「トライアルを受けに来て」と言われて行ったという感じです。

――最初に声がかかったのはいつごろでしたか
9月ごろだったんですが、トライアルが実現したのが1月だったので、それまでは結構な時間がありました。

――練習に参加したり、試合をみたりした中で、リヨンでうまいと感じた選手はいましたか
フランス代表のキャミーユという選手で、バロンドールの1次にノミネートされるような選手です。みんな基本的にはうまいんですが、キャミーユ選手はすごく動くし、ボールを受けるしさばくし、いたら嫌な選手でうまいなと感じました。

――大滝さんはどのようなプレーをする選手を目指していますか
フォワードなのでやっぱりゴールをとることが評価されますし、チームが苦しいときに点を決められる選手になりたいです。

――海外行きの決断は自分が決めたことですか
はい。4年生の5、6月に決心しました。昔エージェントをやってもらった方に相談して、9月にイングランドのブリストルアカデミーを紹介してもらって行きました。それが一番初めにしたことですね。

――日本のクラブから話はきていたのでしょうか
レッズなど聞いているところもあったんですが、監督が「断っておいたよ」っていう感じで(笑)。あんまりわからないです。

――リヨンの監督はどんな人でしたか
年は結構めされている感じで、きっちりしている方です。どちらかというと日本人ぽいというか。フランス人って結構大雑把なイメージでいたので。日本人の真面目なところが好きみたいなので、そういうところが評価されたというのもあると思います。何を言っているかまだわからないのですが、話もかけてくれるし、すごくいい人です。

――練習は厳しそうですか
いや、ワセダの方が厳しいんじゃないかというくらいです。短い時間で集中してやるという感じです。

――ポジション争いをする相手となるであろう、スウェーデン代表のロッタ・シェリン選手の印象は
大きくて、がっつりキープして落として、って感じなのかなと思っていたんですけど、結構裏に抜けていくタイプで。でも、動きの中でゴールに向かう姿勢というのがそんなに感じられなかったから、そういうところでこだわっていけば勝てるかなっていう思いはあります。でも結果を出しているし、信頼も厚いと思います。それでも、「この人には勝てない」という印象ではなかったです。

――リヨンの女子の試合には観客はどれくらい集まりますか
この前観た試合は、そんなに。スタジアムと言うか、試合の会場が小さいから、一杯にはなっていたんですけど、人数にしたらそんなにいないと思います。

――フランスの女子リーグでは、上位3チームとその他のチームの実力差が大きいという情報を目にしました
そうみたいですね。3チーム(リヨン・モンペリエ・ジュビシー)が常に争っていて、その他は結構弱いみたいです。

――下位のチームの試合でたくさん得点をとればアピールの機会に
最初はそういう試合がチャンスになってくると思います。


「楽しみなのは向こうに行って試合をすること」


全日本女子選手権3回戦、INAC神戸レオネッサ戦で日本女子代表・澤と競り合う大滝(左)
――チームでのコミュニケーションは英語ですか
英語を話せる選手が結構いるのでそういう選手には英語で話すんですけど、話せない選手とはあまりコミュニケーションがとれていないので、これからフランス語を覚えてコミュニケーションをとらないといけないと思っています。とりあえず今は英語で話せる人と話すっていう感じです。

――英語が身についたのはカナダの留学などが大きかったですか
英語は、カナダに行く前に、ある程度知識があって行ったから、「こういう風に言うんだ」っていうのがすんなり身についたんですけど、フランス語の場合は最初の知識が無いからだいぶ大変だと思うんですけど、英語はカナダに行ったことがきっかけでだいぶ喋れるようになったという面はあります。

――テストや練習で日本語が出てしまうことはありましたか
フィジカルコーチが日本人なんですよ。なので変な日本語を教えたりして皆が喋ったりすることはありました。あとどうしても必要な時とかは日本語で通訳をしてもらうこともありましたし、そういう面では日本人のフィジカルコーチがいて心強いですね。

――変な日本語とは
それはご想像にお任せします(笑)。
一同(笑)

――学生時代にフランス語の勉強は何かしていましたか
全くしてないです。ゼロからですね。

――今は少しずつ勉強していますか
しようと思っていたんですけど色々と忙しくて中々出来てないですね。今度合宿に行くときは夜とか結構時間があると思うので、そういう時間に少しずつやっていけたらなと思います。まだほぼ喋れないです。

――これからフランスで生活するにあたって不安や楽しみはありますか
最初はある程度英語を話しても許されると思うんですけど、やっぱりフランスだしフランス語を話せないと「なんだよ」ってなると思うので、そういうコミュニケーションの部分で少し不安はあります。でも十日間だけなんですけど皆いい人だったし、大丈夫かなっていうのはあります。楽しみなのは向こうに行って試合をすることですね。

――フランスでの生活は大体どんな感じか決まっていますか
一人暮らしなんですけど、日本と同じようなワンルームのアパートを借りました。お昼ご飯がクラブハウスで出るので午前練習終わってお昼を結構がっつり食べて夜は少なめにしようかなと考えています。生活面はまぁ大丈夫かなと思っています。

――クラブハウスからの距離は
近いです。クラブハウスもグラウンドと一緒の所にあるんですけどそこから歩いて10分くらいです。

――自炊はしますか
はい。ちょこちょこと。

――得意ですか
まぁ、普通くらいです(笑)。

――お米とかは持っていきますか
少し持っていって後は送ってもらおうかなと思っています。

――フランス料理では何が好きですか
何がフランス料理なのかよくわかんないんですけど、パンが本当に美味しくて。フランスパンとかクロワッサンとか色んな種類があって凄く美味しいです。朝ごはんは毎朝クロワッサンかな(笑)。

――観光はしましたか
全然行ってないです。一日だけ旧市街地にご飯を食べに行って少し歩いたくらいで観光はしてないですね。これから行けたらなと思います。

――どこか行きたい所は
やっぱりフランスにいるからまずはパリに行ってみたいです。

――芸術に興味は
・・・。いや(笑)。
一同(笑)


「まずはリヨンで頑張って結果を出したい」


先日行われた記者会見で、リヨンのユニフォームに袖を通した大滝。目指すはCL優勝!
――ご自身が載っている新聞などは買いましたか
新聞はみたりみなかったり。友達から結構メールとか来ましたね。親にも結構来るみたいで。

――ご両親は本当の所どう思っていると感じますか
本当は日本でやってほしかったと思います。試合を観るのが好きなので。今回決まった時も「現役リヨンで終わったらいいな」みたいな感じで話していたら「最後の1、2年は日本でやってほしいな」って言っていました。

――今回色々取材があったと思いますが大変でしたか
記者会見があっただけでまだそんなにないですね。でも記者会見は緊張しましたね。めっちゃ噛みましたし(笑)。

――高畑選手(志帆、教4=静岡・藤枝順心)と山根選手(ひかり、スポ4=鹿児島・神村学園)もこれからもサッカーを続けるということで、何か話しましたか
ひかり(山根)とはあまり話していないんですけど、志帆(高畑)とは「一緒に代表目指して頑張ろう」というのは話しました。志帆とは4年間、仲間でありライバルみたいな存在だったので。お互い練習とかで激しくぶつかることとかもあって、それはお互い良い練習になっていたと思います。これから違うチームになっても変わらないと思うので、最後に一緒の舞台に帰って来られたらなと思います。

――なでしこジャパンに選ばれることは、やはり大きな目標ですか
でも、まず今のところはリヨンで試合に出て、結果を出すことが自分の中の一番の目標で、それがないとなでしこにも入れないと思うし、だからまずはリヨンで頑張って結果を出したいと思います。

――なでしこジャパンがW杯で優勝したことで、フランスで何か言われましたか
アメリカとかでプレーしていた選手が多くて、日本人の澤選手(穂希、INAC神戸レオネッサ)とか宮間選手(あや、岡山湯郷ベル)とかと一緒にプレーした選手も多かったんですけど、みんな日本人の評価はすごく高いですね。「めっちゃ上手いよ」みたいな感じで、みんな言っています。

――テストの雰囲気はどんな感じでしたか
そんなにピリピリした感じではなかったですね。「こいつが入ったら私が出られなくなる」とか、そういうのは全然感じなかったですし、みんな結構優しく接してくれたので。これからどうなるかわからないですけど。ポジション争いとかで嫌な思いをすることとかもあると思うんですけど、今のところは感じてないです。

――目標とする選手で岡崎選手(慎司、ドイツブンデスリーガ・シュトゥットガルト)を挙げられていましたが、女子では
女子では大野選手(忍、INAC神戸レオネッサ)は上手いな、っていうことを思っていて。ドリブルの速さとか、動き出しの速さとかは参考にしたいな、ということを前から思っています。

――10日からなでしこチャレンジの一員として日本女子代表合同合宿に参加されますが、とりあえずそこにはどういった目標で臨まれますか
これが最後のチャンスになってしまうかもしれないし、なでしこに入るには、この合宿で認められないともう絶対に無いと思うので、出来るだけの力を出して、絶対に次の合宿までに繋げたいなっていうことはあります。なので、頑張ります。

――今回、リヨンでサッカーを続けることになった上での後輩たちへのメッセージは
ア女(ア式蹴球部女子)の後輩だけじゃなくて、私がこうやってフランスに行くことで、「そういう道もあるんだ」っていうことがみんな分かったと思うし、色々な可能性があるということを示すことが出来たと思います。なので、サッカーを続けることを諦めてしまっている人にも海外の道とかも考えて欲しいし、そのために日々の練習で頑張ってほしいなと思います。

――最後に、今後への意気込みをお願いします
まずリヨンで結果を出して、リヨンでの目標であるチャンピオンズリーグで優勝して2連覇を果たして、ただみているだけじゃなくてその一員としてピッチに立って、ピッチの上で優勝を体験したいというのと、ロンドン五輪が控えているので、そのメンバーに入れるように、今度の合宿とリヨンでアピール出来たらなと思います。

――ありがとうございました!


(取材・編集 山本利樹、石原瑞季、写真 松田拓也)



抱負とサインを記した色紙を手にする大滝
◆大滝 麻未(おおたき・あみ)
 1989年(平元)7月28日生まれ。172センチ。神奈川・鎌倉高出身。前所属横須賀シーガルズ。スポーツ科学部4年。サッカーを始めたのは小学校1年生の時。中学・高校ではクラブチーム、横須賀シーガルズに所属する傍ら、男子と共に練習もしていた。ワセダでは、1年時からチームの得点源として活躍し、30試合で50得点。2年時には秋にカナダのヨーク大学への短期留学を経験し、帰国後には全日本大学女子選手権(インカレ)での4季ぶり2度目の優勝に貢献。3年時にはワセダ史上初のインカレ2連覇達成の原動力となった。4年時には副将を務め、30試合で45得点を記録。なお、関東大学女子リーグ戦では1・3・4年時に得点女王に。ユニバーシアード競技大会には2・4年時共に出場。4年時の大会では6試合で8得点の活躍で得点女王に輝いた。「目指すはチャンピオンズリーグ優勝」と力強く語ってくれた大滝。ロンドン五輪も見据え、意気込みは熱い。







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