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第33回全日本女子選手権
12月17日 コカ・コーラウエスト広島スタジアム
女王・INACに善戦するも惜敗
前後半開始前には、ピッチ上の11人・ベンチ・スタンドにいる部員で輪を作り円陣。チーム一体となって戦った
全日本女子選手権(全日)2回戦で逆転勝利し3回戦に挑んだワセダ。対するは昨季の全日、今季の日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)を制し、さらに澤穂希や川澄奈穂美など数多くの日本女子代表選手を擁する名実共に日本一のチーム、INAC神戸レオネッサ。前半、INAC神戸の猛攻を必死で防ぐもCKから失点。後半はボールを支配されながらワセダも粘り強い守備からカウンターでチャンスを作るもゴールを割ることが出来ず。そのまま0−1で敗れた。
川澄と競る石田。徹底したマークで、相手エースを封じた
トーナメント方式故に負けたら終わりという状況で強豪・INAC神戸と戦えるという、願ってもない機会を得たワセダは試合前、ピッチの11人だけでなくベンチメンバー、さらにはスタンドで応援する部員全員で円陣。その胸の高鳴りを表すように前半開始からプレーする。ワセダボールでキックオフしたボールを左サイドでDF臼井理恵(スポ4=東京・吉祥女子)が受け、相手DFを抜き去りセンタリング。このボールには合わせられなかったがワセダはディフェンディングチャンピオン相手にいきなりチャンスを作る。しかしその後はINAC神戸にボールを支配され守勢の時間が続く。28分、中央から崩され打たれたシュートはポスト直撃。その後も相手の猛攻をなんとか跳ね返し続けるもついにゴールを破られる。35分、自陣左からのCKをニアで合わせられ失点。そして前半は反撃の糸口を見出だせず、結局ワセダのシュート数は0本のまま0−1で終了する。
試合終了後、高畑主将(左)と笑顔で抱き合う大滝。4年生はこの試合で引退となった
後半に入ってもボールを支配するのはINAC神戸だが、ワセダはGK鈴木望(スポ3=日テレ・メニーナ)のファインセーブやDF高畑志帆主将(教4=静岡・藤枝順心)を中心とした粘り強い守備と、DFラインでのインターセプトからカウンターを狙い徐々に相手陣内にボールを運び始める。さらに前線では不動のエースFW大滝麻未(スポ4=横須賀シーガルズ)がボールを収め、FW八木彩香(スポ3=東京・十文字)が運動量を生かしボールを追う。70分、相手陣内で大滝がボールを受け臼井へ落とす。そこから右サイドのスペースに出し八木へ。ボールキープからシュートを放つもDFにブロックされる。残り15分を切るとディフェンディングチャンピオンに対するワセダの戦いぶりに感銘を受けた観客からワセダコールが起こる。その声援に応えるべく得点を取りにいくワセダ。80分には右に抜けた八木のセンタリングからMF権野貴子(スポ1=宮城・常盤木学園)がヘッドで合わせるもこれは入らず。さらに87分、相手陣内で数的有利を作り八木からFW瀬口七海(スポ1=兵庫・日ノ本学園)へスルーパスを出すも上手く合わずシュートに持ち込めない。ロスタイムに入るとINAC神戸もプライドを捨てボールキープで時間稼ぎを実行。ディフェンディングチャンピオンをそこまで追い詰めたワセダだったが点を奪うことが出来ず、0−1で試合終了となった。
3週間前、ワセダは全日本大学女子選手権(インカレ)でまさかの敗退となり、この全日に全てを懸けていた。しかしこの全日での敗退で今季のチームは解散、同時に4年生は引退となった。強豪・INAC神戸を相手に善戦を見せたチームがここで終わりを迎えるのは残念でならない。それでもこの1年間の経験は今後のワセダにとって大きな財産となったはずだ。そして高畑主将は後輩へ「ずっと応援しているので、『強いワセダ』を取り戻してもらいたい」という言葉を残した。来季のワセダは、引退する4年生から学んだものや果たせなかった思いも力にし、ピッチで躍動する姿を見せてくれるに違いない。
(記事 下村龍史、カメラ 松田拓也)
全日本女子選手権 3回戦
早 大
0
0−1
0−0
1
INAC
【得点者】
(早)
早大メンバー
位置
背番
名前
前所属
学部学年
GK
1
鈴木望
日テレ・メニーナ
スポ3
DF
2
石田みなみ
静岡・常葉学園橘
スポ2
◎6
高畑志帆
静岡・藤枝順心
教4
3
千葉望愛
浦和レッズJr.
スポ2
5
臼井理恵
東京・吉祥女子
スポ4
MF
7
谷本晴奈
鹿児島・鳳凰
スポ3
12
大宮玲央奈
浦和レッズJr.
スポ2
→78分
菅藤彩子
宮城・常盤木学園
社4
18
福沢真菜美
北海道・室蘭大谷
スポ2
→63分
権野貴子
宮城・常盤木学園
スポ1
10
山根ひかり
鹿児島・神村学園
スポ4
→61分
瀬口七海
兵庫・日ノ本学園
スポ1
FW
11
大滝麻未
横須賀シーガルズ
スポ4
19
八木彩香
東京・十文字
スポ3
※監督は長岡義一監督(昭43商卒=京都・山城)、◎は主将
◆コメント
長岡義一監督(昭43商卒=京都・山城)
――きょうの試合を振り返って
やっぱり1点入れられたことが残念で。前半は守備的にやって後半に勝負しなさいと言っていました。失点が勿体ない。戦術的には学生が一生懸命やってくれたので、半分は成功していたんですけど。ちょっと勿体ないですね。
――しかし、最少失点での敗戦ということで、守備面では手応えがあったと
守備の意識はあったんですけど、それを後半まで引きずっていましたね。やっぱり1失点しているんだから、攻めに転じないと。選手を入れ替えて伝えさせたんですけど、ちょっと後ろ髪が引かれたという感じで、残念でしたね。
――これで今季の公式戦は終了しました。今季を振り返っていかがですか
この前にやった、インカレでの3連覇が出来なかったということが痛いですね。
――最大の目標が達成出来なかったと
そうですね。3連覇と全日でのベスト8、それが残念ながらクリア出来なかったので。
――来季に向けて
4年生が卒業して、どういう人材が新たに入ってくるのかによってチーム作りは変わってくるので、今の段階では何も言えないです(笑)。
高畑主将
DF高畑志帆主将(教4=静岡・藤枝順心)
――きょうの試合を振り返って
日本一のチームとやれて、本当に楽しかったです。
――後半途中からは互角に戦えていたように見えましたが
運動量の部分では絶対相手に負けてなかったと思うし、守備の時間が長くなるのは勿論、自分達も分かっていました。後半20分過ぎから、ボールを回してチャンスを作ることができていたのは、チームとして収穫だったと思います。
――スタンドの選手達と声を掛け合いながら円陣を組んだのが印象的でした
大きい大会は、チーム1つにならないと勝利っていうものは生まれないと思うので、そういうところはことし大事にしてきました。きょうも試合に出られない選手達も広島まで来てくれたので、チーム一丸となって戦うってことを、全員で統一して意識していました。
――4年間共に過ごした仲間と、後輩に向けて
ワセダに来て、4年間一緒にサッカーできて、4年生に会えて本当に良かったです。今年は自分がキャプテンになって、皆の支えが無かったらここまでサッカーすることも無かったと思うし、インカレ敗退で自分の力不足を感じてへこんだこともありました・・・。でも、やっぱり4年生が支えになってくれて、この大会に臨むことが出来ました。4年生には本当に感謝してもしきれないくらい、感謝しています。後輩には、インカレ準決勝に勝ち進めるチームにまとめることができなくて、自分の力不足で申し訳ない気持ちで一杯です。それでも、きょうの試合でやれたことも沢山あったと思います。後輩には支えてもらった感謝の気持ちと、あとは、来年もう一度「強いワセダ」になってインカレ優勝してほしいです。全日でも、なでしこリーグのチームでサッカーを続けようと思っているので敵という形になってしまうけど、ずっと応援しているので、「強いワセダ」を取り戻してもらいたいです。
臼井
DF臼井理恵(スポ4=東京・吉祥女子)
――きょうの大一番に臨むにあたって
INACは日本一のチームで、なでしこも7人いて、そんなチームと出来るチャンスなんて本当に無いので、このチャンスに感謝して、みんなで思い切り戦おうということで臨みました。
――実際にINACとやってみて
選手間でミーティングして、戦術などを考えて挑んだんですけど、実際に自分たちも出来ていて。失点してしまったんですけど、悔いがないというか、自分たちの実力を出しきれました。個人個人上手でしたけど、ワセダも組織やチームとしてはやれるなと感じたので、終わってしまいましたけど、良かったと思います。
――4年生として過ごした今季の感想は
最後だけみたら、インカレも敗退して、INACにも結局負けてしまったんですけど、1年間やってきて、最後INACでこれだけいい戦いが出来たので、観客の方も応援してくれていたし、印象づけられたんじゃないかなと。それだけでも満足です。
――次に、4年間を振り返っていかがですか
一般入試で入って、常盤木とか、なでしこリーグのチームとか全然知らなかったんですけど、みんなと一緒にやってすごく楽しかったですし、ユニバーシアードも経験させてもらって、すごく自分にとって大きな経験が出来た4年間だったと思います。
――同期の4年生に向けてのメッセージとしては
サッカー続ける子には本当に上を目指して欲しいし、4年間一緒に過ごした絆は深いと思うので、これから一生付き合っていきたいと思います。本当に仲が良いので。
――最後に、後輩の部員へのメッセージは
ことしインカレで敗退して、言い方によってはいい経験も出来たと思うので、来年はまた日本一を獲りにいって欲しいです。チャレンジャーということを忘れずに、早スポだったり、応援に来てくれる人だったり、監督・コーチがいて綺麗な人工芝のグラウンドがあるってことに、当たり前じゃなくて感謝の気持ちを忘れずに、4年間限られているので、日々を大事に頑張って欲しいです。
大滝
FW大滝麻未(スポ4=横須賀シーガルズ)
――きょうの試合を振り返って
悔しい思いもあるんですけど、このチームでやれて良かったなって思いました。
――ポストプレーが上手くできていた印象ですが
前半はやっぱりプレッシャーに慣れてないのもあって、慌ててしまってミスも多かったです。でも、後半はプレッシャーにも慣れて、ボールをおさめられるようになったので、その部分は自分でも通用するなって手応えを感じました。それでもシュートを打つことができなかったので、そこは課題として残りました。
――スタンドの選手との一体感が感じられましたが
きょうの試合は18人しか本来来ることができない中で、スタンドで応援してくれていた選手は自分達の意志で、自分達のお金で、わざわざ広島まで来てくれました。私達もそれで凄い力をもらったし、ベンチに入れなかった4年生もいて、やっぱりその分、出ている選手が頑張らないといけないと思いました。皆も凄く応援してくれていたので、一体感がいつも以上に生まれたんだと思います。
――惜しくも引退となってしまいますが、今の心境は
最後に本当に良いゲームができて、良かったって結構晴れ晴れした気持ちです。まだ次の舞台もあるので、切り替えなきゃなって思っています。
――同級生である4年生、そして後輩に向けて
4年生は凄いサッカーに対して本気で、色んなこと言い合えて、こんな良い仲間とやれて、本当に感謝の気持ちで一杯です。後輩には、後輩の支えがなかったら絶対にここまで来られなかったし、最後まで時には理不尽なことも言ったけど、何も文句も言わずについてきてくれて、凄く良い後輩達だったなって誇りに思っています。私達が叶えられなかった夢が沢山あるので、その夢を託すので、頑張って欲しいです。
菅藤
MF管藤彩子(社4=宮城・常盤木学園)
――後半途中からの出場でしたがきょうの試合を振り返って
失点していて負けている状態で、最後点取りに行くしかなかったので、監督・コーチからの指示でも前にガンガンいってこいって言われました。チャンスがあれば自分でも狙っていこうって思っていたんですけど、なかなか相手も上手いのでうまくいかなかったです。
――「最後の1週間のような練習をすれば強くなれる」とのコーチの言葉がありましたが
皆の気持ちが凄く入っていました。あと、相手が本当に上手いので、それに対してどう対応していけばいいのかって、一人一人が意識して考えてやれていました。今までとは意識の違いがあったんだと思います。
――惜しくも引退となってしまいましたが、今の心境は
ベンチで観ているときや、アップしながらでも、本当に皆の頑張っている姿が見られて嬉しかったです。最後、自分も出してもらって皆と一緒に頑張れたかなって思うので、悔いは無いです。
――後輩に向けて一言
きょうの試合のように、こうやって戦えるチームっていうことが分かったと思うので、インカレのこともありますし、借りを返してほしです。
山根
MF山根ひかり(スポ4=鹿児島・神村学園)
――きょうの試合に臨むにあたって
私たちにはきょうの試合しか残っていなくて、きょう勝って次に繋げたかったので、勝つっていう気持ちで臨みました。
――実際にINACとやってみて
きょうはひとりひとりが全力を出しきってやれたし、最初は、絶対上手いということはわかっていたんですけど、実際にやってみると自分たちもやれるなと思いました。
――4年生として過ごした1年を振り返って
色々、上手くいかないこととか、悩んだこととかもあって、チームに迷惑かけたりしたこともあったんですけど、きょうこうやってINACとやれて、きょうみたいな試合が出来たことは、スタッフ、監督、コーチはじめ、トレーナーの方とかチームメイトのお陰だと思うので、負けてしまったけど、いい試合が出来たということで感謝の気持ちでいっぱいです。
――4年間を振り返って
私は、怪我が多くて、サッカーやっている期間とリハビリの期間と半々ぐらいだったと思います。うまくサッカーができなくて、きついって思うことの方が多かったんですけど、終わってみて、サッカーやっていて良かったなと思いました。
――同期の4年生にむけて
一番長く一緒に過ごしてきて、サッカーだけじゃなくて私生活でも一緒にいる時間が長かったので、サッカーの時じゃなくても相談とかものってもらっていたし、気づいたら何でも話せる仲間だったので、きょうも勝って、もっと一緒にやりたかったなというのが正直な気持ちです。この4年生の仲間とやってこられて良かったなと思いました。
――最後に、後輩にむけて
こういう負けたときの悔しさとかは味わって欲しくないので、是非自分たちが目標にしていた全日ベスト8と、インカレ制覇を叶えて欲しいと思います。
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