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第56回全日本大学選手権決勝 対法大
1月13日 国立競技場
悲願のタイトル獲得なるか!大学選手権決勝展望
「きょうの悔しさをバネに、また一から築きあげていきたい」。昨季、10年ぶりに立った決勝の舞台で屈辱的な大敗を喫した後に兵藤慎剛主将(スポ4)が絞りだした言葉である。ただ呆然と立ち尽くす長い影が伸びていた国立のピッチが、『RETADOR』(挑戦者)の始まりだった。雌伏の時を経たワセダが再び手をかけた王座に、待ったをかけるのは法大。『黄金世代』の紡ぐドラマがいよいよ最終章を迎える。
関東大学リーグ戦を2位で終えた早大。優勝は逃したものの、随所で成長の跡がうかがえる内容だった。最終節では、公式戦5連敗中だった法大に完封勝ちを収め、全日本大学選手権(インカレ)へ向けて弾みをつけた。インカレ開幕後も、エンジを包む上昇気流は止むことがない。3連勝で予選リーグ突破を
決め、準決勝では3連覇中の王者・駒大に引導を渡した。
タイトルを期待されながら無冠に終わってきた『黄金世代』。それは法大も同様である。28年ぶりに決勝へ駒を進めた今大会は、洗練された技術をベースにした流麗な攻撃サッカーで、大会最多の17得点をここまで叩きだしている。五輪代表の常連となったMF本田に注目が集まりがちだが、攻撃のタクトを振るうのはMF菊岡。小柄ながらも抜群のボールコントロールを駆使して、タイミングに秀でたスルーパスを送る。今大会ではゴールへの意識も高く、チーム最多の4得点。早大相手に通算3得点と相性も良く、最終ラインの前に菊岡の進出を許すようだとワセダは苦しい。菊岡が司る細かいパスワークにアクセントをつけるのが、本田のロングボールとなっている。また、決勝トーナメントに入ってから2試合連続で逆転勝利をあげている粘り強さも、今季の法大における進化の象徴であろう。
安定感では早大が上回る。試合全体を俯瞰することにより、場面・状況に応じた戦い方が可能になった。ポゼッションサッカーを志向する上で鍵になるのが、FW渡邉千真(スポ3)。トップタイとなる6得点の決定力はもちろんだが、プレッシャーの厳しい区域でしっかりとボールを落ち着かせられることが『ワセダサッカー』の着火点となっている。互いに似たスタイルを持ち、拮抗した試合が予想されるだけに、個の能力で局面を打開できる渡邉にかかる期待は大きい。兵藤、あるいは鈴木修人(スポ4)が蹴るセットプレーも展開を左右しそうだ。
「まだ(昨季と)同じ状況にきただけ」。決勝進出後の大榎克己監督(昭63教卒)に気の緩みは全くない。1年前に置き忘れてきたものを獲るべく、「4年間の集大成」(兵藤主将)を懸けてオレンジ軍団へ挑むワセダ。「自分たちの学年にとっても監督にとってもラストなので、優勝して監督を胴上げしたい」(鈴木修)。歓喜の咆哮へ――あの日の国立で止まっていた時計の針が、また動き出す。
(斎藤 純)
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