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 第16回全日本大学女子選手権 準決勝 1月11日 東京・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場 



 110分間の激闘…日体大に雪辱ならず

  喜びを爆発させる相手を横目で見つめる大脇5人目のキッカー・大脇が蹴ったキックは左ポストをかすめて外れていった。喜びを爆発させる日体大の傍らで肩を落とす早大イレブンに、タイムアップのホイッスルが終戦を告げる。昨年と同じく、決勝の前に立ちはだかった日体大。PK戦の末に涙をのみ、1年越しのリベンジは叶わなかった。

 この日の布陣は長岡義一監督(昭43商卒)が強豪相手に温めてきた3−5−2のオプション。両チームともに中盤でボールが収まらないなか、左サイドに張る小野がタメをつくってオーバーラップを促す。それでも日体大の組織的な4バックを崩しきれずに、前半はスコアレスで折り返した。

 後半に入ると日体大が右サイドを中心に押しこみ、ロングボールから独走を許して失点。ピッチに重苦しさが漂う。ここで意地を見せたのはエース佐藤だった。56分、ゴール前でボールを持つと、相手のプレッシャーを受けながらもタイミングを計ったスルーパスを送る。パスを受けた小野は1対1を沈めるだけでよかった。ガッツポーズをしながらベンチへ走り寄る姿にはこの試合にかける思いが凝縮されていた。

 交代で入った原が2列目からの迫力あるドリブルで好機を演出するものの、追加点には至らない。運動量が落ちてきた早大は次第に防戦一方の展開を強いられた。FWの佐藤までもが、最終ラインへ引いて守備に奔走したことからもそれは自明である。しかし、佐藤が「粘って持ちこたえてくれた」と語るように、防波堤は決して崩れなかった。延長戦に突入後も日体大の攻撃を跳ね返し続ける。

 延長終了目前の108分、原が自陣から4人抜きのドリブル突破で迫る。決勝点への期待にスタンドもどよめくが、シュートはGKが果敢な飛び出しでブロック。勝負の行方はPK戦に委ねられた。4人全員が成功した日体大に対して、先攻の早大は2人が失敗。勝者と敗者を染め分けるにはあまりにも残酷なピリオドが打たれた。

 試合後のミーティング。つなぎとめられていた感情の鎖は引き裂かれた。「自分は誰よりもサッカーが好きなんだと思ってやってきた。これからもみんなにはサッカーを楽しんでほしい」。松長が声を詰まらせながら後輩へエールを送る。涙を拭いて武末主将は言った。「こんなに真剣に取り組んだからこそ、負けてもすがすがしい」。爽やかな風を残して、ワセダは大会を後にした。

 
(斎藤純) 

全日本大学選手権準決勝
早大 0−0
1−1
日体大
【得点者】小野【延長戦】0−0【PK戦】3−4


早大メンバー
位置 背番 名前 前所属 学部学年
GK 天野実咲 常盤木学園 スポ4
→78分 岸星美 日ノ本学園 スポ3
DF 澤夏美 東経短大村田女子 スポ3
→71分 武末彩子 豊田レディース スポ4
島田知佳 日テレメニーナ スポ2
今井さゆり 神村学園 スポ2
MF 大脇友里佳 十文字 スポ2
堂下弥里 横須賀シーガルズ 教3
松長佳恵 伊賀FCフロイライン 教4
18 有町紗也香 福井工大付属福井 スポ1
→55分 原一歩 富士見FCガイア スポ1
19 小野瞳 聖和学園 スポ1
FW 11 佐藤衣里子 清水第八SC スポ3
17 小山季絵 日ノ本学園 スポ1


◆コメント
長岡監督
あとちょっとだったんだけどね。大榎(ア式蹴球部男子監督)に申し訳ない。今年こそは(男子部と)アベック優勝しようって言ってたのに。(後半押しこまれる中で原選手を2列目に投入。狙いは)相手のサイドバックが上がってきたときにはしっかりマークついて、ボールを受けたら簡単にはたいて前にボールを進め、もし(対峙する)DFが1枚だったら勝負しなさいと伝えました。原はよく自分の持ち味を出してくれた。後半よく同点に追いついたけれど、いい流れのときにもう1点とれなかったのが痛かった。ただ、内容はよく粘れたし、発足時と比べると本当に強くなった。(関東入れ替え戦に向けて)4年生が引退でまた新しいチームになるけれど、きょうの試合で下級生が感じたものもたくさんあるだろうからね。間があまりないのでまた練習して詰めていきます

武末主将
(きょうの試合は拮抗した展開でしたがプレーしていていかがでしたか)集中してプレーできたし、なおかつ楽しめたんで。去年も準決勝の日体戦で出て何にもできずに終わって残念だったんですけど、きょうは交代で入るときに監督が「変なことやろうとしなくていいから」って言ってくれたんで自分のプレーを発揮できたと思いますし、最後に使ってくれて嬉しかったです。(4年間を振り返って)こんなに真剣に取り組んだからこそ、負けてもすがすがしいし、4年間打ちこむことができて良かったです。本当にこのワセダの、ア女の環境、監督、スタッフ、OB、OGの方々が準備してくれた素晴らしい環境でやれて、幸せ者だと思います。(辛いこととかもあったかと思いますが)最初は子供だったんで、試合に出れないだけでふてくされてたこともあったけど、このチームにはいろんな道を通ってきた人がいて、そういう仲間と話したり、意見を言ったりして。入部当初よりもサッカー選手として大きくなれたんじゃないかなと思います。(下級生へメッセージ)監督がよく言ってたんですけど、一人一人が個性を持ってるからチームのためにできることは必ず一つはあるし、それがチームに尽くすって事だと思います。色んな立場の後輩たちがいますけど、自分のできることをやりきれるチームになってほしいなと思います。そして、来年はぜひ優勝してもらいたいです。(応援の方々へお願いします)来年はきっと後輩たちが優勝を飾ってくれると思うんで、また温かい応援をよろしくお願いします。

佐藤
(昨年と同様、日体大の前に涙をのみました)試合としては良く頑張ったと思います。DFが粘って持ちこたえてくれたんで、追いついて、また持ちこたえて、という展開で。決められなくて申し訳なかったです。(前半は攻撃もいい形がありました)そうですね。何だかんだ言って、うちのサッカーってカウンターサッカーなのかなってやってて思いました。







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