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 第30回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント 7月2日 大阪・鶴見緑地競技場



 兵藤が魅せた!殊勲のFK2発で接戦制す

兵藤  国立のスタンドを魅了してからわずか3日、ワセダは戦いの場を関西に移した。ついに総理大臣杯本選が始まった。決勝で涙を飲んだ昨シーズンの悔しさを払拭するために必要なのは優勝の2文字のみ。負けたら終わりのトーナメント戦、ワセダは3−2の接戦を制して初戦を突破した。

 大勝した早慶戦と同じ布陣で臨んだ1回戦。開始後1分に松本怜がセカンドボールを胸でトラップして早くもファーストシュートを打つと、ループ気味のボールは惜しくもゴールネットの上。その後も中盤のパス回しから抜け出した山本がシュートを放つなど、先制点が入るのも時間の問題かと思われた。しかしここでワセダに落とし穴。相手にゴール前に詰め寄られると、一旦は時久がはじくも、いい位置で待っていた相手選手に決められまさかの失点。1点を追う展開になったワセダだが制空権を奪われるなか、パスミスも重なり攻めあぐねる時間帯が続いた。37分、やっとチャンスをものにする。ゴール前中央での山本のシュートがクロスバーを直撃したところを渡邉がヘッドで押し込み、前半を1−1で折り返した。


渡邉  後半になるとワセダは主将の金田に代え、鈴木をピッチに送り出し戦況の打開を図るが、なかなか前線でボールが収まらない。せっかく迎えた決定的なシュートシーンも上手くミートせず無駄にしてしまう。68分には渡邉をベンチに下げて島村を投入し、前線に奮起を促す。その1分後、ワセダはゴールほぼ正面、絶好の位置でのFKを奪取。キッカーは兵藤。気持ちのこもったボールは相手の壁に当たるも、力強さを失わずゴールネットに突き刺さった。拳を振り上げベンチに駆け寄る兵藤の周りに歓喜の輪が広がった。だがその喜びも長くは続かなかった。81分、最初の失点のリプレイを見るかのような失点。この時間帯で試合は振り出しに戻ってしまう。

 延長戦の存在がちらつき、ピッチに緊張感が漂った。全く同じ形での失点――過ちは繰り返されるのか。2分後、相手陣内で笛が鳴った。ピッチには再びボールを丁寧にセットする兵藤の姿があった。こちらもまるで数分前にまき戻したようだった。今回はややゴールから離れ、壁も少し遠くなった。この張り詰めた空気をもう一度歓喜の渦へ。ワセダの10番なら、それができる。「自分の得意な位置だったんで」(兵藤)。足を振りぬいたその先に勝利が見えた。速く正確なボールはしっかりとゴールネットを捕らえた。「得意なニアに蹴ったら入りました」と兵藤が言うように、その一挙一動は自信に満ちていた。残り7分を守り抜き、早稲田は3−2の接戦の末、2回戦に駒を進めた。

 昨季総理大臣杯準優勝という肩書きを引っさげて1年ぶりに関西のピッチに立ったワセダイレブン。ダークホース的存在だった昨季とは違って、かかるプレッシャーも相当だ。前回大会優勝の関西大が1回戦で姿を消したように、トーナメントは何が起こるか分からない。しかし、「そろそろミドル決めたいです」という兵藤の言葉には、決勝までの一戦一戦を、その重圧も含めて楽しんでいこうという気持ちが表れている。そう、やるべきことはただ一つ。「自分たちのスタイルを貫くだけ」(大榎監督)だ。

(大倉麻美) 


1回戦
早大 1−1
2−1
桃山学院大
【得点者】(早)37渡邉、71兵藤、83兵藤(桃)15池田、81姜


早大メンバー
位置 背番 名前 出身校 学部学年
GK 時久省吾 大津 スポ4
DF 12 横山知伸 帝京 スポ3
金守貴紀 四日市中央工 社3
塗師亮 湘南台 スポ2
MF ◎金田隼輔 星稜 スポ4
→45分 鈴木修人 市立船橋 スポ3
10 兵藤慎剛 国見 スポ3
15 中島健太 国学院久我山 社3
→89分 松本征也 浜名 スポ2
17 松本怜 青森山田 スポ1
山本脩斗 盛岡商 スポ3
FW 渡邉千真 国見 スポ2
→68分 島村毅 早稲田実業 スポ3
11 松橋優 国見 スポ4
※◎は主将、監督は大榎克己監督(昭63教卒)


◆コメント
大榎監督
(初戦の入り方としては今日の試合はどうでしたか)先に点をとられたのはちょっとよくなかった。先制されること自体が久しぶりだったので。でもまだ時間も早かったし、うちも点をとれるだろうと信じて戦っていました。先制されたことはもちろんよくないけれど、二度追いつけたという点は非常によかったです。前半のうちに1点返すことができたのも大きかったです。だけど後半になって向こうも前に前に出てきたんで、思ったように攻められない部分もありました。(今日は兵藤選手がずっとボランチでしたが)山本をトップ下で使いたかったから。別に相手のタイプを見てそうしたとかではないです。相手によって自分たちのサッカーを変えたりすることはないので。ただ早慶戦のスタメンのままやっただけです。(ゴールキックから攻撃に繋がらなかったり、セカンドボールをとれない場面もありましたが)中2日で選手たちに疲れもありましたね。でも全部のパスがつながるわけじゃないんで。ただセットアウトだとかルーズボールはもっと意識していかなきゃいけないですね。あとはドリブルで切れ込んでくる選手への対応も課題です。(選手交代の面で延長戦は意識しましたか)2−1の時点で代えようとは思っていて。でも3枚目はきるのをやめましたね。2−2まで待って、それで3−2になってから3枚目をきりました。(次の東学大戦に向けて)東学大は守備が安定していて失点が少ないチーム。リーグ戦でも厳しい戦いだったし、今回もそうなるだろうけど、自分たちのスタイルを貫くだけです。

兵藤
(試合全体を振り返ってみて)早い時間に点を取られてワセダのリズムが作れなかった。後半も相手が前からきて、耐えながらの試合でした。後手後手になっちゃったし、パスをつなげるとこでミスが多かった。FWで起点を作れんかったのも痛かったですね。(その流れのなかでのFK2発でしたね)1点目はミスったんですけど、壁にあたってあぁ〜って感じで入っちゃって。2点目は自分の得意な位置だったんで得意なニアに蹴ったら入りました。(初戦の入り方としては何点ですか)内容は50点、勝ったから60点ですね。トーナメントは守備が大事なんで次は0点で終わりたいです。東学大は引いてくると思うんで、そろそろミドル決めたいです。

時久
(初戦、入り方としては?)落ち着いて入ることはできたと思います。でもディフェンスが悪かったし、点の取られ方も悪かったです。明後日にむけて改善していかなくちゃいけないところですね。(1点目の失点シーンはこぼれ球が入ってしまったものでした)切り替えがうまくいってなかったです。早い切り替えに気をつけたいと思います。(ゴールキックからなかなか攻撃に繋がりませんでしたが)(桃山学院大の)高さもあったし、うまく繋がらなかったとこがあったので、そういった細かい点も改善したいです。(早慶戦から日がたっていませんが体調は?)それは全然問題ないです。動けてます。(昨年の決勝で負けた関西大が初戦敗退となってしまいましたが)(リベンジという意味では)残念です。でもまずはそのことより次の試合に集中したいです。(次戦は学芸大とですが)前期リーグでも戦って、守備が固い相手とわかっているのでそこをどうくずしていくかですね。失点ゼロで勝ちたいです。







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