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 ラグビー蹴球部主将・山下昂大春季総括インタビュー



 【特集】苦しみの先に/山下主将春季総括インタビュー

 40点差での敗戦を筆頭に3連敗を喫し、辛酸をなめた春シーズン。しかし最終戦では歯車がかみ合い快勝を収め、良いかたちで締めくくった。「すごく厳しいシーズンの中でも最後の試合で良い試合ができて、その苦しい時間というのはすごく大事だったんじゃないかなと思います」チームを支え続けた主将が苦しかったシーズンを語る。

 
苦しい戦いの中で


対明大戦にてドライブを見せる山下主将
――春シーズンが終わってのオフは何をしていましたか
とにかくリフレッシュしたかったので、あまりラグビーのことは考えず、楽しく過ごしていました。

――どこか遊びに行きましたか
同期4人と三年生1人と千葉にレンタカーで旅行に行きました。

――リフレッシュできましたか
そうですね。体も動かしていましたけど、リフレッシュできました。

――オフが終わって、現在はどのような練習をしていますか
ウエイトトレーニングを中心に基礎の基礎をやっている段階です。あとはスキル練習が多いです。

――では少し時間が経ち、春シーズンを振り返っていかがですか
まだこういうことを言っていい段階ではないんですけど、すごく厳しいシーズンの中でも最後の試合で良い試合ができて、その苦しい時間というのはすごく大事だったんじゃないかなと思います。負けは込んでいましたけど、悪いところは明確でそこを最後に修正して良い試合ができたので、この時間は必要だったと思います。

――シーズンが始まる前はチームでどのようなところを強化しようと思っていましたか
まずは強さの部分で、身体作りを意識しました。帝京大や明大のような相手に対して、一対一で負けないようにしようということです。それに加えて走れるワセダらしい部分も強化しました。

――今春は「FWで勝つ」という言葉をよく口にしていますが
そうですね。今年はFWと特にディフェンスというチームなので。

――春シーズンではその手応えはつかめましたか
最終戦の東海大戦に限っては、セットプレーがすごく良かったですね。でももう少しモールで得点がとれるといいですね。

――山下選手自身は身体が大きくなった印象がありますが
そうですね。ウエイトはかなり追い込んでいます。体重は変わっていないんですけど、ウエイトの数字が前より20〜30キロ上がりました。

――この苦しいシーズンの最中は主将としてどのような気持ちでしたか
自分的にもすごく考えて悩んで、今までのやりかたを変えた方が良いんじゃないかとも思いました。それでも自分にできることっていうのはそんなになくて、やっぱり自分が先頭に立って声を出して、プレーでも自分ができる限りのことをやって、そういうことを徹底しようと思いました。

――特にどの時期が一番辛かったですか
筑波大戦のあとが一番ショックでしたね。あれは完敗だったので。

――試合後は絞りも行われていました。チームはどんな雰囲気でしたか
ああいう場面でも頑張れているやつや、気持ちをむき出しにしてやっているやつがいないように自分は感じたので、それが自分的にはすごく残念でした。

――それはメンバーには話しましたか
練習が終わった後に言いました。

――その後チームに変化はありましたか
そうですね。あれはしっかり受け止めてくれたと思います。Aチームがああいう負け方をしてしまったので、そこの責任とプライドを持てるようになったと思います。

――その筑波大戦の敗因はどのようなところだと思いますか
まずタックルができていなかったところと、アタックの継続率が低すぎて、全部ターンオーバーされてしまったので、そのアタックブレイクダウンの部分ですね。

――続く慶大戦のノーサイドの直後には茫然としていました
慶大戦はやっていて負けているって感じはしなかったです。それでも2本差で負けていて、最後1本ターンオーバーして絶対に取りきろうと言っていたんですけど、タックル受けてトライを取られてしまって、そこにプライドを感じませんでした。

――試合後にはチームの雰囲気が良くないと言っていましたが、それはどこに感じましたか
やっぱり誰かの発言に対して響かないというか、頑張ろうという声に乗っかり切れていなくて、盛り上げようとする人に対してどこか他人事のような雰囲気がありました。

 
快勝の最終戦


東海大戦終了後、観客へ挨拶をする山下主将
――そこから一週間空いて、迎えた最終戦の東海大戦ではどのような言葉をチームにかけましたか
その時には練習から良い雰囲気でできるようになっていたので、楽しもうということを言いました。最後だしやるしかなかったので。

――チームの雰囲気が良くなった要因はどこだと思いますか
やっぱりケガ人とU−20代表組が戻ってきたのが単純に大きかったですね。プレーだけじゃなくてコミュニケーション能力も高いので、自分がしゃべる回数が減りました。それまで自分が勝手にしゃべって空回りしている状態だったんですけど、彼らが帰ってきてからはそういうのもなくなりました。

――結果的に48−19で大勝でした。チームとしては納得の出来でしたか
そうですね。トライ取られた部分はどうにかできたところもありましたけど、アタックとそれ以外の部分に関しては良かったです。

――それまでと最終戦の違いはどこですか
個人がシンプルに前に出て、強いプレーで継続できたところですね。藤近(紘二郎=政経2、神奈川・桐蔭学園)の縦も効いていましたし。あとはやっぱりスクラムですね。全部マイボールにしてくれたので楽でした。

――ラインアウトでは自身でスローもしていましたね
そうですね。まあ真っ直ぐ投げるだけなので(笑)。

――ノーサイドの瞬間は感極まっているようにも見えました。どのような気持ちでしたか
内容のある勝ちだったので、それがすごくうれしかったですね。あんなに連続で負けたのも記憶にないくらいなので、正直、試合に対して恐怖心も少しありました。それでもやっぱりラグビーは楽しいなと感じました。

――春シーズンは良いかたちで締めくくれましたね
そうですね。なのでこの夏とかはすごく楽しみですね。

――山下選手自身としてはこの春はボールを持つ機会が多くなったように思えますが
そうですかね。ボール持ってますかね。まあでもプレーは良い意味で自由にやっています。FWは順目に走ってSHからボールをもらうことを意識しているんですけど、自分はたまにBKラインに入ったりもしています。

――個人としてこの春に取り組もうとしたことはありますか
ボールを持っていない時にフランカーの動きができるようにしようと思っていました。なるべく一人で走ってなるべく一人で仕事してということを意識していました。

――春を通して手応えはいかがでしたか
自分的には全然まだまだなんですけど、試合のスタッツの中でタックルの回数がチームで一番多かったので、まあまあできているのかなとも思います。

――タックルへの意識はかなり強いですね
そうですね。ワセダだけじゃなくラグビーする上でタックルできないプレーヤーは信頼されないと思います。この三年間で上田一貫さん(平21教卒)であったり中村拓樹さん(教4=大阪・啓光学園)であったり、すごいタックルをする選手をたくさん見ているので、そういう選手たちと比べるとまだまだですね。

――東海大戦では良いタックルからターンオーバーという場面もありました
まあたまたまという感じで、相手が入ってきていくれたから良かったという状態ですね。まだまだ勉強中です。

――主将として過ごした春シーズンはいかがでしたか
自分は下の学年の時も関係なく言ってはいたんですけど、やっぱり上級生に気を使っていて。でもそれがなくなったので、チームのことを考える大変さはありますけど、気にせずにチームに対して言えるのでそういう面では楽になりました。

――では主将として大変だったと思うことはどこですか
今春は特に勝てなかったので、監督やコーチは春の負けなんか気にしなくていいと言ってくれてはいたのですけど、勝てないのは自分の責任が絶対あると思うので、そういう点ではすごく迷いはありました。

――ではこれらの話をふまえて、この春チーム全体としての課題はどこだと思いますか
やっぱりタックルの成功率が低いということですね。体を当てても裏に出られたりして倒しきれないので、そこはこれから修正していかないとシーズンに響くと思います。

――では収穫はどこですか
今は無駄に外に運ばないようなラグビーをしているんですけど、今季やりたいシンプルに縦にいって、FWが前にいってというラグビーが少しずつできてきたと思います。

――ではこれから始まる夏合宿ではどんな一カ月にしたいですか
やっぱりチームを作る一番の時間だと思うので、それに向けてまだまだ小さくならずに自分ができることをしっかりやっていきたいです。そういう意味で個人は大きくプレーして芯のぶれないチームにしたいですね。

――夏に重点的に取り組みたいことはありますか
アタックを継続できないとか、ミスが多いとかは春を通して出た課題なのでそこは精度を上げていきたいです。でもその前にディフェンスがそれ以上に問題なので、まずディフェンスを取り組みたいです。

――では最後に夏へ向けて一言お願いします
春は応援して下さっている方々に不安な試合ばかりしてしまったんですけど、自分たちにとっては必要な時間だったと思います。こんなこと言っていいのかわからないですけど、一つ一つの負けにとらわれず、自分たちが成長する糧だと思って頑張っていきたいと思います。

――ありがとうございました!!

(取材・編集 真下信幸、尾崎睦)


取材に応じる山下主将
◆山下昂大(やました・こうた)
 180センチ、95キロ。東福岡高出身。スポーツ科学部4年。ポジションはフランカー。千葉への旅行の際、レンタカーで行きは齋藤健(スポ4=神奈川・横須賀)が運転し、帰りは自ら運転したそう。














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