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【特集】奪還へ/山下新主将インタビュー(1)

今季、ラグビー蹴球部の主将には山下昂大(スポ4=東福岡)が就任した。昨季より多くの選手が抜けた逆境の中、高校時代、またU20日本代表で主将を務めたこの男はいかにしてチームを最大の目標である『荒ぶる』へと導くのだろうか。主将就任に対する思い、そして今季の意気込みについて語っていただいた。
主将の重さ
真剣な表情で取材を受ける山下主将 |
――主将就任の率直な気持ち
まずはチームの先頭に立つということです。また学生の中で重要な役割にあるポジションに就いたという重みをすごく感じています。
――いつごろ、言われましたか
予餞会の前の日に辻高志監督(平12人卒=茨城・茗渓学園)から言われました。
――その時、辻監督からはどのような言葉をかけられましたか
新キャプテンよろしくって言われました。任命します、とかそういう感じではなかったです(笑)。
――ご自身では主将になるという予感はありましたか
そうですね。覚悟というかそういう心の準備はしていました。
――なるべくしてなったという思いですか
どうなんですかね。どこにいても自分という存在がいるだけで、それに加えて主将という肩書きがついただけなので、とくにそういう考えは持っていないですね。
――有田隆平前主将(平23スポ卒=現コカコーラウエスト)からは何か言われましたか
隆平さんとはまだゆっくり話していないんですけど、前の一年間であの人から伝えられたというか、言葉ではなくて背中を見て学んだことはとても多いです。
――日本選手権後、有田前主将が円陣でチームに声をかけたそうですね。どのようなことでしたか
やっぱりワセダは負けてはいけないということと、上井草にすべてがあるということです。
――それを聞いてどう思いましたか
言葉で細かくどうこう言う人ではないので、この一年間本当に覚悟してやってきたんだなという印象を受けました。
――東福岡高やU20日本代表でも主将を務めてきましたが、これまでとは何か違いがありますか
とても歴史のある部ということもそうですし、自分の名前がチームの名称にもなるということで、自分自身がどうこうということはないですけど、周りの環境が大きく変わったりすることが今までとは違うかなと感じます。そういう部分で重さを感じますね。
――山下選手が考えるワセダの主将とは
自分自身が何を変えるとか、今までキャプテンとして経験してきたものを変えることは考えていませんし、変える必要もないと思います。しかしやはりワセダは普通じゃないというか、負けてはいけないチームなので、最後に日本一を取るためにこの一年間どう過ごしていくのかを常に考えなければならない、そういう存在です。
――理想の主将像について
うーん…難しいですね。リーダーってなろうとしてなるものではないと思います。例えばつらいときにつらい顔をしないとか、そういうことが出来る人間がリーダーになれると自分は思うので、とくに理想とかはないです。
――主将になり、周囲からのプレッシャーなどは感じますか
あんまりプレッシャーは感じないですね。変わらずに、という感じです。取材とかはたくさんの人に自分のことを知ってもらえるいい機会だと思います。
――副将には井口剛志(スポ4=京都・伏見工)が就任しました。これは山下選手の意向もあったのですか
そうですね。
――どのような理由で
あいつしかいないという感じですね。とてもクレバーな選手なので、いろいろと細かいところに気を使ったりしてくれると思います。もちろん選手としても超一流なので。
――井口選手とはプライベートで遊んだりもするんですか
プライベートでは遊ばないですね(笑)。でも一緒にテレビ見たり、ゲームしたりはしますよ。だからいい距離感ですね。
――昨季、帝京大に敗れた瞬間はどのような思いでしたか
思ったより取り乱すことはなかったです。一番最初に浮かんだのはこれが自分たちの代だったらこんなもんじゃないだろうなと思いました。だから自分たちの代では絶対日本一になりたいと思いました。すごく失礼かもしれないのですが、負けた瞬間は先を見てしまいました。
――4年生になると『荒ぶる』の価値が大きく変わると言われますが
そうですね。春のオフも長かったんですけど、その過ごし方も今までで一番充実していましたし、本当に後がないなという感じがします。
――オフはどこで過ごされていたのですか
最初は福岡に帰っていました。オフが明ける一週間くらい前にこっちに戻ってきました。
――自主トレの意識もかなり変わりましたか
そうですね。とくに主将になって周りは信頼してくれていると思うので、それにしっかり応えられるだけの行動とパフォーマンスをしなければならないと思います。
――ではこの一年間の目標についてお聞かせ下さい
大学日本一を目指します。
チームとしての一体感
山下主将 |
――地震の影響で日程が遅れているそうですね。その中でチームの雰囲気は
実家に帰っている選手もいます。でもこっちに残っている選手はスイッチを切り替えてプレーしているので、とてもいい雰囲気の中でやれています。
――地震の時、ご自身はどこにいましたか
電車に乗っていました。ちょうど駅に着く瞬間だったんですけど電車もすごく揺れて、電車が壊れたと思いました。本当にびっくりしました。
――部員は無事だったんですか
大丈夫でしたけど、寮の部屋の物が落ちて大変なことになってました。
――現在チームではどのような練習をしていますか
今はウエイトトレーニングと基礎の落とし込みをしている最中です。
――昨季の主力選手が多く卒業してしまいました。その現状に対してはどうお考えですか
FWは前一列や自分を含めて試合経験の多い選手が残っています。まずはFWで圧倒できるチームを作れれば、そんなに崩れる試合はないと思います。BKについてもバックスリーがとても良くて、SHも西橋勇人(スポ3=神奈川・桐蔭学園)ががんばってくれているので、とても面白いチームになると思います。
――チームの雰囲気も変わりましたか
変わりましたね。寮の雰囲気もがらっと変わって静かになりました。
――現在、大学日本一という目標に対して何が必要ですか
辻監督とも話したんですけど、いつも決勝戦前の練習のような雰囲気で毎回出来ていたかというとそうではなかったので、そういう緊張感が必要だと思います。
――辻監督とはどのような話をしているんですか
自分たちが考えるラグビーを辻監督とすりあわせたり、地震が起きた時とかも話しましたし、今はすごくコミュニケーションがとれています。
――今年のチームの強みは
ディフェンスだと思います。ワセダではディフェンスできる選手から試合に出られるので、確実にそのレベルは高いと思います。
――春シーズンはどのようなところを重点的に取り組みたいですか
練習内容自体は辻監督が考えてくれるので、自分はチームの雰囲気とかを考えたいです。昨季は個性が強い分、もっとまとまれるところがあったと思うので、今季はチームとしての一体感を大事にしていきたいと思います。
――その一体感のためにご自身でどのようなことをしていきたいですか
なるべく色々な人としゃべったり、声をかけるようにしています。あとは選手だけでなくケガ人、マネジャー、トレーナーなどが全員で集まることがなかったので、練習が始まる時には全員で一回集まるということを考えています。そうすることでそれぞれ個人がこの部にいるんだということが認識できるんじゃないかなと思います。
――同期の人たちとはどのような話をしていますか
やっぱり変わらなきゃいけないということを話しています。一年生の時から最弱と言われ続けてきて、何回かミーティングもしてきました。それでもあんまり変わっていなかったので、4年生になってもう言葉じゃなくて本当に変わらなきゃということをみんなで認識しています。昨季から大きく成長している選手もいました。でもそれで限界かっていうと全然そうではないと思うので、また4年生になって改めて思ってくれることがあればいいと思います。とにかくこのシーズンに懸けてほしいです。
――過去の主将からは「4年生の力」という言葉をよく耳にしますが
昨季もチームにいる4年生がそれまでとは明らかに変わって、それがチームに貢献していることが目に見えてわかったので、自分もその言葉の重要さを感じます。
――チームの一人一人にはどのようなことを求めたいですか
何をやるにしても自分が選ぶことなので、そこに何となくというのではなく、意志を持ってやってほしいです。例えばラグビーの一つのプレーに対しても、こういう状況だったからこのプレーを選択したというふうに考えた行動をしてほしいです。それはまた私生活でも同じだと思います。
――山下組をどのような集団に導いていきたいですか
ワセダである以上、勝つ集団にしたいです。またやるときは本気でやって、グラウンドを離れたらリラックスできるようなメリハリのある集団にしたいです。
――『勝つ集団』のためにご自身ではどんなことが必要だと思いますか
今のチームのFWは強いと思いますし、BKもスピードがある選手も多いです。それでもいろいろなところでハプニングが発生すると思うので、その度チームが混乱しないようにするのが自分の仕事だと思います。
――今季のワセダはここで勝つ、という部分はどこですか
昨季とベースは変わらないんですが、しっかりしたディフェンスを軸にアタックでは昨季以上のスピードある速いテンポのラグビーをしたいです。結局ワセダが勝つにはそこしかないので。

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