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 春季招待試合 対明大 6月3日 福岡・博多の森球技場



 あわや逆転…明大に冷や冷やの勝利

この日2トライの田中も後半終盤、インゴール手前でノックオン  福岡のラグビーファン8500人が集まった春の早明戦。伝統の一戦春の陣は21―17で早大が制した。しかし、「いいところは一つもなかった。勝てたことだけ」(ロック権丈太郎主将=スポ4)と、内容は満足とはほど遠く、多くの課題が残る試合となった。

 5月20日の慶大とのオープン戦を充実の内容で圧勝した早大。対する明大も昨季の大学日本一・関東学院大を破り勢いに乗っている。明大にとってはもちろん、対抗戦王者・早大にとっても試金石となる一戦だ。

 立ち上がりは両校集中したプレーを見せ、均衡状態が続く。試合が動いたのは前半17分、CTB長尾岳人(教3)からWTB田中渉太(スポ3)へと繋いで先制トライを奪うと、同19分にも今度はハーフライン付近で田中がインターセプトから連続トライ。同22分にも明大FBのバウンドの処理ミスからフランカー覺來弦(スポ4)がトライを決め、わずか5分間で21―0と大量リードを奪う。

五郎丸は明大FWも引きずる突破を見せた  楽勝ムードかとも思われたが、ここからがピリッとしない。明大の“重戦車”相手にFWは互角以上に渡り合ったが、BKが精彩を欠き、肝心な場面でノックオンを連発。Aチーム初スタメンのSO宮澤正利(スポ1)ら若い選手たちの経験不足が響き、思うように試合を進められない。同36分には明大BKのワイドアタックから右隅にトライを許し、前半を21―5で折り返す。

 後半も前半途中からの流れを引きずったまま、明大ペースで試合は進む。16分、26分と明大BKの素早い展開からサイドで数的不利の形を作られ、失点。21―17と1トライ差に追い上げられる。「メイジらしいかと言われれば、メイジらしくなかった」(プロップ瀧澤直=理工3)という明大の豊富な運動量に苦しみ、その後も度々ピンチを迎える。しかし、何とか逆転は許さずノーサイド。薄氷を踏む思いで、勝ち星を拾った。

 「ワセダがやってはいけない試合をしてしまった。甘さが色々なところで見える」とFB五郎丸歩(スポ4)。チームリーダーは反省とともに、警鐘を鳴らした。春のオープン戦も半ばを迎えた。浮き彫りになった課題を真摯(しんし)に受け止め、今後の戦いに向け、チームを見つめ直す良い契機としたい。

(富永俊矢)


宮澤 ★宮澤が公式戦“デビュー”

 ルーキー宮澤が公式戦“デビュー”を果たした。5月20日の慶大戦でも79分から出場したが、この日は先発フル出場。「実力もまだまだAのレベルじゃない」と言いながらも、精力的なプレーを見せた。この遠征には宮澤とともに中村拓樹、中濱寛造(ともに教1)、山中亮平(スポ1)と4人の1年生が帯同。才能あふれる新星が権丈組を活性化させている。

早大出場メンバー
背番号名前ポジション学部・学年
瀧澤  直プロップ理工3
臼井 陽亮フッカースポ4
畠山 健介プロップスポ4
権丈 太郎ロックスポ4
橋本  樹ロックスポ3
有田 幸平フランカースポ3
覺來  弦フランカースポ4
豊田 将万NO・8スポ3
三井 大祐SH教4
10宮澤 正利SOスポ1
11田中 渉太WTBスポ3
12長尾 岳人CTB教3
13大島 佐利CTBスポ2
21佐藤 晴紀→後18分入替スポ3
14早田 健二WTBスポ2
15五郎丸 歩FBスポ4
早 大   明 大
前半 後半 得点 前半 後半
21 12
21 合計 17
【得点】▽トライ 田中2、覺來▽ゴール 五郎丸3
※得点は早大のみ


◆コメント
中竹監督

(福岡は)地元の選手が多く、もっといい試合を見せたかった。きょうの内容が今年やりたいラグビーではないです。あれだけミスをしてしまうと、ラグビーになりません。点差で勝った事だけが、唯一の収穫、それ以外は何もありません。(具体的にはどのようなミス)ノックオンなどの単純なミス。自滅した感じ。FWの近場のディフェンスは良かったが、BKが簡単に抜かれてしまった。ノミネートも不十分だった。(その中でも田中が2トライ)前半のプレーは良かった。ディフェンスで前へ出ることがインターセプトからのトライにつながったと思う。(明大の印象は)メイジももっと強くなるはず。きょうもベストメンバーじゃない。その相手にこの試合をしてしまったということは、ほとんど力の差がないということ。これから一切油断せず、もう一度チャレンジャーとしてやっていく。

権丈
春に今までやってきた、セットプレーやブレイクダウンなどを試すにはメイジは一番の相手だった。きょう、このような点数になってしまったのはよく分からない。ゲーム展開がうまくいかずに、連続トライを取られてしまった。これが、今のチームの状態だと思う。(明大は)重さを感じました。今までのメイジと違って、運動量もあって、逆にワセダはそれを受けてしまった。スクラムの組み直しだとかでプレーが切れて相手のペースになって後手後手に回った。FWでも食い込まれるところがあった。いいところは一つもなかった。勝てたことだけ。この展開は予想できなかった。取り切るところでこちらがミス。簡単にトライを許してしまってスキができてしまった。反則もさせないぐらいの力を付けたい。この経験はプラスになるだろう。若いチームなので、こういったのを教訓としたい。

畠山
きょうはFWとしては、悪くなかった。ディフェンスもスクラムもラインアウトも拘れました。ラインアウトに関しては、後半相手ボールをターンオーバーもできた。(後半、悪かった要因は)ファーストプレー。その後トライを取られてしまって、受けてしまった。そこからワセダの流れにできないのが、今のチームの課題。(明大のFWは)去年以上に走ろうとする意識が高くて、スクラム、モールも拘ってきていた。これからまた、負けないように練習しなくてはいけない。

五郎丸
きょうはラグビーした気がしない。前半途中まではよかったが、自陣でのミスから流れが変わった。若さが出てしまい、50:50のプレーを自陣でしてしまっていた。前半の1トライを許したのが余計。バックスでキャッチミスをした場面がこの試合を通して致命的なミス。流れが変わったところで修正できなかった。これまでの試合ではSOが安定してたが今日は1年で周りがカバーできなかった。セットが安定しなかった。バックスがコミュニケーション不足。ワセダがやってはいけない試合をしてしまった。今年の明大は毎年と変わんないがウチが付き合った。本当はもっと突き放さないといけないチーム。明大と接戦した事が屈辱。

瀧澤
きょうのモールはチームとしても出来は良かったが、スクラムが良くなかった。BKも良くなかったですが、もとを糺せばFWがいい球を供給できなかったことが原因。練習でやっていることを確実に出せないと、こういう展開になってしまう。リズムが悪くなって、チームとして慌しくなってしまった。メイジは個よりもチームとしての意識として、走ろうとしていた。メイジらしいかと言われれば、メイジらしくなかったです。(次週はヤマハ戦)1週間スクラムを鍛える。

臼井
前半は引き締まったゲームが出来たが、後半は、こぼれたボールへの反応でメイジに負けてしまった。後半最初のプレーで、流れに乗れなかったし、そこでメイジに隙を与えてしまったと思います。スクラムについては、相手ボールスクラムでは、いいプレッシャーをかけることが出来たが、逆にマイボールでは油断してしまって、プレッシャーを受けた。いいスクラムは組めなかった。(ラインアウトは)自分のスローイングミスがいくつかあったが、全体的には良かった。8割は取れていたと思いますが、それ以上を目指していきたい。課題としては、モールを組むときのラインアウトに拘れなかったこと。(来週はヤマハ戦)FWは真っ向勝負。FWで圧倒できるように、あわよくば、FWで飲み込みたい。

覺來
自分たちのミスで難しい試合になってしまった。この前の課題の反則も、繰り返してしまったし、モールでのペナルティも痛かった。(ご自身の出来は)まだまだ。自分がやらなくてはいけない仕事をもっとしなくてはいけない。接点もですし、たくさん走らなくてはダメ。それと、フランカーとして、ボールを持って前へ出れるようにしなきゃいけません。(ラインアウトの精度は)去年よりはあがっていると思います。今年新しくやろうとしていることが、形になってきている。(次への課題は)FWに関しては、BKがしんどい時に、助けられるようにしっかりと勝負すること。

宮澤
(スタメンでフル出場ですが)何もできませんでした。実力もまだまだAのレベルじゃない。(コミュニケーションの面で)多少遠慮してしまいました。もっと指示を出さなければいけないですね。(これからアピールしていきたいことは)スキルを磨くことが大事だと思います。パスにしてもキックにしてもまだまだです。

田中
1本目のトライは練習してきた形で、取れた。2本目、3本目はラッキートライ。後半は相手のリズムになってしまい、個人としては、内容負けしてしまった感じ。後半は外までボールが回ってこなかったので、ディフェンスとしてはFWを下げないようにキック処理を意識した。今年のBKは若いので、こういう試合をしないと、来年以降もやばいと思うので、こういう経験が今のチームには必要だった。その点では、きょうのゲームには意味があると思う。



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