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 日本選手権1回戦 対九州電力 2月3日 東京・秩父宮ラグビー場



 あと一歩力及ばず…東条組終焉

 昨季、「史上最強」とうたわれたチームでトヨタ自動車を倒し、伝説を作った大舞台・日本選手権。1月に大学選手権決勝で関東学院大に敗れた東条組は、今チーム最後となるこの大会にすべてを懸けて臨んだ。だが、結果はトップリーグ(TL)昇格を決めた九州電力にあと一歩力及ばず、33−36で惜敗。TL上位チーム挑戦への道は断たれた。

 試合開始早々、まだ完全に試合に入れてない時間帯にゴールライン手前のラインアウトから先制トライを献上してしまう。さらに、怪我で調子が万全でないフランカー東条雄介(教4)に代えて笠原歩(スポ4)を投入。支柱を欠いた早大であったが、これで目が覚めたかのように、次第に試合のペースを握る。その流れから、前半22分にラインアウトからのこぼれ球をNO・8林徹(スポ4)がトライ。5分後には再びトライを許すが、直後にCTB今村雄太(スポ4)が巧みなステップで相手をかわしてトライを決め、集中を切らさず必死に喰らいつく。しかし前半終了間際にトライとペナルティーゴールを許し、10点差の12−22で折り返した。

 後半序盤、主導権をつかんだのは早大だった。3分、ラインアウトモールからトライを決め、難しい角度からのゴールキックをFB五郎丸歩(スポ3)が見事に決める。さらに続く同15分にもトライを奪い、26−22と逆転に成功。だが、ここからたて続けに2トライを許し、これで早大は力尽きたかと思われたが、それでも諦めない。ロスタイムにWTB菅野朋幸(人4)が意地のトライ。あと3点で追いつく――。プレーを切らさずゴールラインを目指したが、最後はSH矢富勇毅(スポ4)が伸ばした手も届かずボールがタッチを割ったところでノーサイドの笛が響いた。最後の最後まで諦めず戦い抜いた東条組の挑戦は、ここで幕を閉じた。

 「グラウンドで結果が出せなかったということは、ワセダの力がなかったということ」と言い放った主将の最後の表情は、だが、関東学院大戦後とは異なるすがすがしいものだった。確かに、今季は昨季のように華々しい結果は残せなかった。しかし、この1年で選手は自主的に考えるようになり、チーム全体にチームを引っ張る意識が浸透した。これが中竹ワセダのスタイルであり、ワセダラグビーの新たな一歩である。この1年が大きな糧となり、来季さらに成長した早大がきっと見られることだろう。

(本濱遥) 


★アカクロに立ちふさがった先輩のカベ

 2回戦進出を果たした九州電力のスターティングメンバーには、松本允(平18人卒)が名を連ねた。早大では、史上最強メンバーの中核をなした松本は、活躍の場を社会人の舞台に移しても、レギュラーとして九州電力のTL昇格に貢献。この日も、持ち前の激しいプレーで何度も早大のチャンスの芽を摘み、豊富な運動量でアカクロを圧倒した。後半15分には、首藤にステップでかわされる場面もあったが、「ブレイクダウンのところで何本か取れたので、先輩の威厳は保てたと思います」と社会人の意地、そして先輩としての意地を見せた。

        
早大  九州電力
前半 後半 前半 後半
12 21 得点 22 14
33 総得点 36


早大メンバー
背番号
名前
ポジション
学部・学年
瀧澤  直
プロップ
理工2
種本 直人
フッカー
スポ4
16
臼井 陽亮
→後半41分入替
スポ3
畠山 健介
プロップ
スポ3
権丈 太郎
ロック
スポ3
関  卓真
ロック
教4
東条 雄介
フランカー
教4
19
笠原  歩
→前半12分入替
スポ4
小峰 徹也
フランカー
スポ2
林   徹
NO・8
スポ4
矢富 勇毅
SH
スポ4
10
曽我部佳憲
SO
教4
11
首藤甲子郎
WTB
スポ4
12
長尾 岳人
CTB
教2
13
今村 雄太
CTB
スポ4
14
菅野 朋幸
WTB
人4
15
五郎丸 歩
FB
スポ3


◆コメント

中竹監督
前半から九州電力さんのブレイクダウンが思った以上に激しかった。後半は、ブレイクダウンの部分で修正して、ある程度は球を動かせたが、特に矢富のところにディフェンスが2、3人来ていて、そこからチャンスを作れなかった。このチームで勝てなかったことは、我々に力がなかったということです。(来季のことは)来季については、今はまったく考えていない。ただ、今季のチームが残してくれたいい部分、イーブンボールへの反応だとか大きな相手に前へ出てターンオーバーする、そういった部分は残していきたい。

東条主将
ブレイクダウンで劣勢になってしまった。そこで自分たちにいいボールが出せなかった。ただ、決勝(大学選手権決勝)からラインアウトは修正できていたし、後半は回すラグビーができたと思います。きょうは相手との力の差で負けてしまいました。(自身もけがで調整は大変だった)自分も後藤(彰友=理工4)もけがで練習に出れず、テスト期間も重なって、全員が練習に揃わなかったというのはありますが、それを言うと言い訳になってしまう。グラウンドで結果が出せなかったということは、ワセダの力がなかったということだと思います。

首藤副将
(九州電力の印象は)思っていたより全然コンタクトが良くなかった。強くて差がでると思ったが負けていなかった。(きょうの試合)気持ちの面が、決勝で負けて練習はしたんですけどモチベーションが難しかった。3点の差は詰めができなかったことですね。悔しさはあったが1年いろいろあって自分達で考えながらやってきて。充実していて楽しい4年間でした。(前半終わってどんなことを話し合った)ボールキャリアで倒れない。ひとりひとり強く立って行くことと、速いテンポでいけばいいと。(東条主将が抜けたあと副将としてまとめていました)僕がどうというより、ひとりひとり声だしてリーダーシップできてた。4年生がよくやってくれました。(逆転トライは)誰でもとれるトライですね(苦笑)まわりがひきつけてくれてノーマークにしてくれたおかげです。(東条組としてきょうが公式戦最後ですね)あっけなくおわった感がありますね。あいつ(東条主将)のもとで、中竹監督のもとでやれて楽しかったですね。グラウンド出たくなかったです。すごい苦しい時期が続いたけど最後まで出られてよかったです。

瀧澤
外国人がすごかったです。接点が強いんで。スピードで勝とう、ということは話していました。(ブレイクダウンの攻防は)上手く球が出なかった。相手がどんどん前に出てきていたし。ハーフタイムではブレイクダウンをしっかりということを話して、気持ちを入れ直した。(モールに関して)作戦間違いって感じですかね。ボールを取りに行ってからモールになる時とか、相手のディフェンスもよかったですし。一人ひとりの強さが出たんだと思います。あそこまで下がっているとスピードもでないし。(今季最後の公式戦でしたが)きつかったですね。長いようで短かったです。荒ぶるをとれなかったのは痛かったです。

種本
(試合を振り返って)4年生が最後になるか、ならないかという大事な試合だったので、4年生はもちろんみんな気合いが入っていました。(ラインアウトは)安定していてよかったです。九電はセットがしっかりしていました。うちも高さはありますけれど、きょうはスピードで勝負しようと思っていました。(九州電力の印象は)FWが強かったです。やはり社会人は強いなという感じです。(この試合をもって4年生は最後となりますが、改めて東条組はどんなチーム?)ひたむきなやつが多い。うちはスター選手がいて、特にBKに多いけれど、そんなスター選手を支えるのがひたむきなやつらで…調和がとれたいいチームでした。

畠山
(九州電力の印象は)強かったです。大事なところで自分たちのミスが出てしまい、精度の大切さを再確認しました。(4年生から学んだことで一番大きかったこと)存在そのものです。曽我部さんや矢富さん、今村さんたちがBKを中心になってひっぱってってくれました。流れを変えてくれて、頼ってたし、頼りすぎてた部分もあったと思います。来季は自分たちが最上級生という意識を持ってやりたいです(東条組の1年を振り返って)とにかく感謝ですね。4年生とは自分が1年の時からずっと一緒で佐々木組・諸岡組とかと比べても一番長い時間一緒にやっていました。怒られたりしたこともあったけど、今は感謝でいっぱいです。

権丈
(試合を終えて)4年生に申し訳ない気持ちと感謝の気持ちでいっぱいです。もう一緒にやれないと思うと寂しい気持ちですね。でも下向いている余裕なんてないので、来季へ向けて強いチームをつくっていきたいです。きょうは1対1の場面で負けてしまった。それが分かった時点で、こちらが2人、3人で相手にいけばよかったんですが、そこがうまくいかなかった、それが敗因だと思います。

小峰
(きょうの試合を振り返って)ミスが多くて4年生の最後の試合になってしまったのが情けないという気持ちです。相手が社会人ということでブレイクダウンは強かったですが、いけないということもなかった。もっと低く強くできるようにしたいです。ラインアウトは豊田がいなかったので、きょうは自分と権丈さんで組み立てました。まあまあだったと思います。(東条組の1年間を振り返って)本当に4年生にはお世話になりました。いいチームでした。自分はケガをしていたのに、きょう使ってもらえたのでなんとか貢献したかったです。来年はけがをせず、Aチームでできるように頑張ります。


(対策は)練習から外国人選手のこととかは意識してやっていました。実際やってみて、15番に2人つけたりしていたんですけど、やっぱり上手かった。外国人だけじゃなくて、15人一人ひとりが上手かった。松本(允=平18人卒)さんにもやられてしまいました。本当に、松本さんには彼がワセダにいた時からやられっぱなしですよ。(ブレイクダウンでの劣勢は)カントー戦からの課題だったんですけど、その時よりはよくなっていた。きょうもハーフタイムで、落ち着こうってことを話してからは改善された。(モールで押されていましたが)ラインアウトからモールの流れが上手くいかないところがあって、そこは自分がサイン出してたんで、自分の判断ミスです。それでモールが思うようにいかない部分もありました。(久しぶりのトライは)自分で行けるかなぁと少し迷ったんですけど…行って正解でした。(最後の公式戦でしたが)思い残すことは多々ありますけど、来年は後輩たちが奮起してくれると思うんで、それに期待しています。

矢富
(試合を振り返って)最後のトライが痛かったです。(ミラー1人にやられたという感じですか)あそこに対してもっと厚いディフェンスするべきでした。あそこまで行かれるとは思ってなかったです。(試合中の修正に関して)コミュニケーションをとってもっと話し合えたらよかったですね。(勝負の分け目となったポイントは)取るべきところで取るってことだと思います。九電さんにしても、一発、ワセダもとれるところはあったので。(中竹監督1年目のもとでの今シーズンは)はじめは清宮監督とのタイプの違いに戸惑ったし、不安もありました。でも、終わってみて、成長できたんじゃないかなと思います。ラグビーについてもっと考えるようになったし、清宮監督はもっていないものを中竹監督はもっていると思います。だから中竹監督だから成長できた部分はあると思います。

曽我部
(ミーティングではどのような話し合いをしましたか)ワセダらしさを残すことです。(試合展開は)ギリギリの気持ちでやっていたわりには、まあまあだったと思います。(東条組として、この1年を振り返ると)初めに監督が代わっていろいろありましたが、乗り越えてやってきた感じです。

今村
(九州電力の印象は)TLに上がったチームということで、ブレイクダウンや接点が強いなって感じました。(試合を振り返って)勝てる相手だったと思うんですけど、ちょっとしたスキをつかれたなと。ボールを回すのが苦しい展開でした。そのへんを狙われたな、と思います。(きょうをもって東条組は公式戦引退となりますが)一緒にやってきた仲間には本当に感謝しているし…この1年だけでなく、4年間支えてくれた皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

菅野
(試合の感想)点差が開いてしまったのが痛かったです。あと一歩って感じでした。(全体的にキックで攻めていましたね)そういう試合展開で攻めようというのもあったので。(後半15分の首藤選手の逆転トライは菅野選手のスーパーキャッチが起点)相手のキッカーを見て(ボールがくる方向を)読んでいました。(最後の最後にトライ)そのトライを勝ちに繋げられなかったのが…。(きょうで公式戦最後です)まだ全く実感がないです。(『東条組』は)個性派ぞろいでしたね。(追い出し試合が残っています)4年間の全てを出して、後輩に少しでも伝えていけたらなと思います。

五郎丸
(試合内容は)取るところで取れなかった。ワセダがやろうとしたことは出来ました。(TL昇格を決めている相手の印象は)思ったより…。勝てた試合だったと思います。(同じFBのミラー選手は)取るべきところで取れる、いいFBだと思います。(ノーマークだったのも敗因だと監督が言っていたが)そうですね、それもあるかもしれません。(4年生へ)ほんとに色々学ばせてもらいました。感謝しています。(来季はどういうチームに)激しいチームにしたいです。

笠原
10日間AもBもいい練習はできました。(大学選手権で)優勝できなかった分、きょう勝つことで4年間の証明だと思って臨んだんですけど、このような結果になってしまって残念です。監督には東条がいつケガで試合から出るか分からないから、いつでも出れる準備はしとけって言われました。プレーに関してはちょっと分からないですけど、がむしゃらにやりました。試合に出れない仲間もいるなかで自分が出て、このような結果になってしまいました。やはり結果がすべてなんで。みんなで勝とうって言っていた試合です。





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