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 大学選手権決勝 対関東学院大 1月13日 国立競技場



 中竹元年、歌えなかった『荒ぶる』

 悪い夢なら早くさめて欲しかった。ノーサイドの笛が鳴り響いた瞬間、両校の明暗がくっきり分かれる。3年ぶりの優勝に歓喜が渦巻く関東学院大。この現実を受け止められないかのように呆然と立ち尽くす早大。国立のピッチの上には、26−33というスコア以上の大きな差があった。

 前半、明らかに早大は浮き足だっていた。「はめられっぱなしだった」(プロップ畠山健介=スポ3)というほど、今季確実に決めてきたラインアウトでことごとくボールを奪われ、制空権は完全に関東学院大のものとなる。また、スクラムでも相手の強力FWのプレッシャーに押され、自慢のBK陣にいいボールを供給することができず、「全てが悪循環していった」(SO曽我部佳憲=教4)。前半30分までに3トライを決められ、苦しい展開に。しかし関東学院大の接点の強さにも慣れてきた同35分、WTB首藤甲子郎(スポ4)が相手を引きずりながらゴール左隅にこの日初トライ。直後にはWTB菅野朋幸(スポ4)が続いてトライを決め、12−21で前半を折り返した。

 風上に立ち、巻き返しを図りたい早大だったが、現実は残酷だった。後半始まって間もなく、主将のフランカー東条雄介(教4)、副将のロック後藤影友(スポ4)が負傷交代。さらに東条に交替して入った松田純平(政経3)も負傷し、苦しい選手起用を余儀なくされた。後半24分には菅野がこの日2トライ目を挙げて、なんとか逆転への望みを繋いだが、関東学院大の集中力は素晴らしかった。応援席から鳴り響くワセダコールも虚しく、同40分にはとどめのトライを叩き込まれ、ここで勝負が決まる。5分間のロスタイム終了間際、CTB今村雄太(スポ4)が中央を突破して独走トライを挙げるも、時すでに遅く、直後には無情なノーサイドの笛――。

 大学選手権3連覇の夢を粉々に打ち砕かれるほどの完敗。「こんなに悔しい思いをするのは自分たちの代で最後にしてくれ」(SH矢富勇毅=スポ4)。想いは後輩たちに託された。『史上最強』と称された昨季のチームと常に比較されながら、自分たちの信じる道を走り続けたこの1年間。中竹元年はこのままでは終われない。今まで進んできた道が間違いでないことを証明するためにも、『荒ぶる』を歌えないこの悔しさを無駄にしないためにも、2月の日本選手権にすべてをぶつけてほしい。

(長田洋平) 


        
早大  関東学院大
前半 後半 前半 後半
12 14 得点 21 12
26 総得点 33


早大メンバー
背番号
名前
ポジション
学部・学年
瀧澤  直
プロップ
理工2
種本 直人
フッカー
スポ4
畠山 健介
プロップ
スポ3
権丈 太郎
ロック
スポ3
後藤 彰友
ロック
理工4
18
寺廻 健太
→後半9分入替
教3
東条 雄介
フランカー
教4
19
松田 純平
→後半1分交替
政経3
16
臼井 陽亮
→後半12分入替
スポ3
豊田 将万
フランカー
スポ2
林   徹
NO・8
スポ4
矢富 勇毅
SH
スポ4
10
曽我部佳憲
SO
教4
11
首藤甲子郎
WTB
スポ4
21
早田 健二
→後半34分入替
スポ1
12
谷口 拓郎
CTB
人4
22
長尾 岳人
→後半32分入替
教2
13
今村 雄太
CTB
スポ4
14
菅野 朋幸
WTB
人4
15
五郎丸 歩
FB
スポ3


◆コメント

中竹監督
前半ラインアウトでプレッシャーを受けて、思うように出来なかったのが敗因。後半はラインアウトを避けて、もっとボールを大きく動かそうとしたが、相手のプレッシャーで継続できなかった。自分達のスタイルで出来るかどうかという点で、カントーの方が上手だった。(ラインアウトが安定しなかった要因は?)まず風があったこと。そして、前の方でプレッシャーをかけられて、連続してミスしてしまい劣勢になった。マークを外して、今回新しいサインを用意していたが、プレッシャーの中で使いきれなかった。(開始前のコイントスについて)向こうがキックオフを選んで、後半風上ということと、太陽が眩しかったので、相手が眩しい方で陣地を選んだ。(ハーフタイムの指示は)ペナルティを受けたら速攻をして、タッチに蹴らずに大きくキックすること。その点はその通りにやってくれた。(今季言い続けていたコミュニケーション、修正力という点は)コミュニケーションを取ったが、必ずしもうまくいくわけではない。カントーの方が上手で、思う通りに出来なかった。

首藤副将
すべてにおいて、カントーが1枚も2枚も上手だったということだったと思います。(試合を終えて)負けることを考えていなかったので、明日からどう生活して良いのか、全然想像もつかない。(負けていた点)強さ、勝ちたいという気持ち。ラインアウトと、それと、後は自分のミスです。余計なトライを2本取られてしまった。リズムを作っていくときに良いところでミスが出て、それが連続してしまった。それが敗因。(後輩に)この負けを知っていれば、間違いなく勝つので大丈夫です。

畠山
(ラインアウトについて)新しいサインも用意していて、越えるボールを入れようとしたが、思ったより風があって、(関東学院大ロック)西のプレッシャーもあってうまくいかなかった。連続ミスはしないようにしたが、ラインアウトで競られてミスが続いて、はめられっぱなしだった。タブーとされていたことをFWがしてしまった。(接点の印象)強かった。前にくる力があった。まだ少し受けてしまって、前に出られてBKに良い球を出された。

権丈
(試合を終えて)本当に自分の無力さを痛感した。(やはりラインアウトが原因ですか)FWがラインアウトを始め取れなくて、パニックになってしまったのが問題ですね。取れると思ったサインが取れなかった。ラインアウトが取れなかったので、自陣で継続して攻めていこうとなったが、カントーの素晴らしいプレーにやられてしまった。(来季へ向けて)本当、セットプレーの安定はもちろんのこと、個人が一対一で負けないようにする。今日も食い込まれたのが多かったが、それは一人ひとりの力の差だったと思う。(次は自分たちの代になるが)出られなかった4年生、これで終ってしまう4年生を見て、これ以上ない教訓になったと思う。これで来季勝てなかったら人として駄目だと思う。絶対にやり返します。

豊田
(ラインアウトについて)相手に大きい選手が2枚いて、自分達のテンポを失ってリズムを崩した。(完全に読まれていたというよりは)純粋に高さ。相手には高さがあった。高さはどうしようも出来ないので。(春と夏はラインアウトが明暗を分けていなかったが)春・夏は相手(の長身選手)が1人だったので。(相手FWの印象)当たりのプレッシャーは来るなとは思っていたが、そこでファイトし切れなかった。ブレイクダウンで立っていられるプレイヤーがいなかった。(今後に向けて)次の試合から、悔しさを持ってやっていきます。今までやってきたことを地道にやって負けないようにしたい。

矢富
自分がリズムを作れなかった。風もあったし、見えないところでプレッシャーがあった。チャンスはあったけど、パスミスとかで、逆にカントーは取れるところで取っていた。もうちょっと早めにゲームプランを変えるべきだった。もっと落ち着いて攻めたかった。落ち着いて。継続して取れていたので、集中し直して、方向性を変えるべきだった。ワセダが掲げる「夢と希望を与えるラグビー」というものができるだけ幸せ者だと思う。

曽我部
最後に同期の笑顔が見れなかったのが残念です。仕掛けの部分はできたと思う。(パスが通らなかった印象があるが)いや、そうは思いません。プレー自体について特に思うところはない。ラインブレイクが3回できたけど、それがチームのためにならなかった。前半で取られすぎた。届かなそうな点数と思ってしまうところがあった。ラインアウトに常にプレッシャーがあった。全てが悪循環していった。それより、なにより、最後に同期の笑顔が見れなかったのが残念でならない。

五郎丸
これが悔しさなんだという感じ。矢富さんには「こんなに悔しい思いをするのは自分たちの代で最後にしてくれ」と言われた。(入学から今まで勝ち続け、こんな日がくると想像できたか?)1日も思ったことはなかった。それが、個人的にもチームとしても過信だったのかもしれない。今日は選手個々の長所を出すことが出来なかった。





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