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 日本選手権準決勝 対東芝府中 2月19日 東京・秩父宮ラグビー場



 「史上最強」佐々木組の挑戦、ついに終わる

 「打倒トップリーグ」の目標を果たし、歴史的勝利を挙げたトヨタ自動車戦から一週間。その熱が未だ冷めやらぬ秩父宮ラグビー場で行なわれた日本選手権準決勝の相手は、トップリーグとマイクロソフト杯を制し、今大会で3冠を目指す東芝府中。「国内最強」のチームに挑むも、カベは厚く、0−43で敗れた。妥協せずに強さを求め、自分たちの力を信じて快挙を成し遂げてきた佐々木組の挑戦が、そして清宮克幸監督(平2教卒)が率いたワセダの5年間の戦いが終わりを告げた。

 「強かった」――。試合後に誰もが口にしたように、東芝府中は最初から社会人のプライドを圧倒的に見せつけた。東芝府中の個の強さに対し、ワセダは運動量とまとまりで対抗しようとする。しかし、ワセダが激しいディフェンスで攻撃を崩しかけても、すぐに立て直して前に出てくる東芝府中。トヨタ自動車戦で圧倒したラインアウトもこの日は安定せず、接点の攻防でも苦戦。前半は自陣での長い戦いを強いられる。そんな展開のなか、猛攻を何度も気迫で凌ぎきり、0−12で前半を終える。

 先に点を取りたい後半だったが、逆に5分、9分と続けてトライを奪われてしまう。0−24。流れは完全に東芝に傾くと思われた。だが、体力の消耗が激しくても、佐々木組の心は折れない。ゴール前に攻め込まれた攻撃も跳ね返し、相手陣でのプレーも増える。「東芝のペナルティがなかったら取れていた」(青木佑輔=教4)というスクラムトライを狙うなど、今季のこだわりも見せた。「佐々木組の最後にふさわしい試合」(清宮監督)。トライこそ取れなかったものの、最後まで戦う姿勢は貫いた。

 「史上最強」の呼び声に甘んじることなくひたむきに、そして「打倒トップリーグ」の目標を達成してもなお最後まで上を目指し続けた一年間。佐々木主将(人4)は、来季は「芯を外さなければ、間違いなく今年を越えるチームになる」と言葉を残した。かけがえのない経験と、佐々木組が残した「ワセダラグビーの魂そのもの」(谷口拓郎=人3)という財産を受け継ぎ、新チームは次なる伝説に向けて新たにスタートを切る。

(細野恭代) 


早大   東芝府中
前半 後半 前半 後半
得点 12 31
総得点 43

早大出場メンバー
1前田航平(人4)→17瀧澤直(理工1)、2青木佑輔(教4)→種本直人(スポ3)、3畠山健介(スポ2)、4内橋徹(政経4)、5後藤彰友(理工3)、6豊田将万(スポ1)→18権丈太郎(スポ2)、7松本允(人4)→19東条雄介(教3)、8佐々木隆道(人4)、9矢富勇毅(スポ3)、10曽我部佳憲(教3)、11首藤甲子郎(スポ3)→21高橋銀太郎(人4)、12谷口拓郎(人3)→22池上真介(人4)、13今村雄太(スポ3)、14菅野朋幸(スポ3)、15五郎丸歩(スポ2)


◆コメント
清宮監督
トップリーグ王者であり、一番強い東芝に学生最強のワセダが挑んだ試合だった。我慢できたところ、出来なかったところは見ての通り。東芝の強さを称えたい。佐々木組の最後にふさわしい試合だった。5年間、負けからいろんなことを学んでいるのがワセダの歴史。今日の負けを新チームへの糧にしてほしい。(秋の練習試合では東芝は)ワセダに必要な負けを授けてくれた。それから4ヶ月がたち、ワセダもまったく違うチームになった。今日もスコアで競っていれば、後半にも前半のような頑張りが見れたとは思いますが。毎年、毎年昨年度のチームを乗り越えてきている。素晴らしい学生たちで、毎年与えられてきたものに対して答えを出してきた。今年で言えば東芝府中との敗戦であり、常にそういうものを。最後はいくつかのミスがあった。最後のスクラムに関しては精度が悪かった。今日のゲームで悔やまれるところですね。たとえば、スクラムは計算の範囲内で組んでいた。そのときそのときの判断です。それにしても相手が素晴らしかったということだと思います。学生も素晴らしい仲間に出会えただろうし、僕も楽しめた。そういう歴史がある。一人でも多くの人に、僕らのやっていること、ラグビーの素晴らしさを伝えたい。

佐々木主将
今日で佐々木組は残念ながら終わりますが、ここがスタート。後輩たちはこのくやしさをバネに絶対に強くなるし、4年生もこの負けをスタートラインにして強くなる。こんなとこで終わる人間の集まりではない。悔しさをバネに絶対に上に上がる。(東芝は)一人ひとりのコンタクトが強かった。(やりたいことができたのは)半分くらい。相手が強かった。表しようのない悔しさ。(下級生には)自分たちが持っているものをすべて伝えた。何が伝わったかは来年のチームを見れば分かることで、今はまだ分からない。軸がぶれない、心の強いチームになってほしい。芯を外さなければ、間違いなく今年を越えるチームになる。監督が変わるとかは関係なく、あいつらがどんな過ごし方をしていくかが重要。

青木副将
(試合を振り返って)完敗です。ラインアウトは、やってきたことすべてがうまくいかなかった。もうちょっとやれたのかなという気持ちもあるが、東芝が強かった。(秋のB戦と比べて東芝の当たりは?)それ以上強かった。(後半序盤に離されてしまいました)前半にくらいついていって、離されたらまずいという流れだったが、体が動かなかった。(その体力的にきついなか、その後続けて攻撃しました)でも、取りきれなかったし押さえ切れなかった。やってきたことが通用しなかった。(攻撃できたのは)ワセダらしさ。4年間の意地が出せた。(スクラムは?)けっこういけると思った。東芝のペナルティがなかったらスクラムトライも取れていたと思う。(4年間を振り返って)最高の4年間でした。トップリーグ上位を倒す目標も先週達成したし。でも、それでも最後負けたのは悔しさが残る。(後輩に残せたものは?)スクラムトライが取れずに、あと何センチか残したので、来年取って下さい。

後藤
(東芝は)コンタクトが強かった。(ラインアウトで苦戦)仕方がなかった。フランカーの豊田中心に練習していたので、豊田が抜けてしまったのは予想外だった。東芝に対するラインアウトの対策はトヨタ戦終わってからだったので、完璧にはできなかった。スクラムはやられた感じはしない。グランドが荒れていて、ポイントがひっかからなくてやりづらかった。ラインアウトの安定が仕事だけど対応できなかったので悔いが残っている。今年はディフェンスが熱いチーム。来年はFWが今年以上に強いチームにしたい。

矢富
自分たちに足りないところが分かった。取れるところでミスが出たり、五郎丸のPGが外れたり、東芝のプレッシャーが強かった。そこが力の差で、東芝との差。そこでトライを取れるようにするのがこれからの課題。スクラムは負けていなかったので、そこは自信にしていきたい。悔しさを強みにしてやっていきたい。

曽我部
東芝のプレッシャーにやられた。予想以上にFWが強く、自分たちがやりたいことをやられてしまったという感じです。悔しいというか、(佐々木組が終わってしまい)寂しいです。(清宮監督も最後になります)清宮さんがいなかったら、この場所に立ててもいない。一言でいうと感謝です。(来季は監督も替わります)不安に思ってもしょうがないので、考えていることについていきたいと思っています。

池上
(終わったときどんな気持ちでした?)最後終わったときにグラウンドに立てていたことはうれしかった。幸せなことだと思いました。本来なら出れなくて悔しいところだけど、谷口とか今村とか出ていたメンバーが本当に頑張ってくれたので、すっきりしています。東芝府中も強かった。悔いはないです。(内容を振り返ると?)最後は崩れたけど、接点でこっちも前に出て、東芝府中に好きにやらせないで、モールを止められるようになってきた。BKもどこを攻めればいいのかをわかってきて、良いアタックがあった。(今後どんなプレイヤーに成長したいか)社会人とやったことを通じて、スキルだったり、プレーの安定性、ゲーム理解といったすべての要素を自分のものにしたい。人への強さ、倒れないプレーやタテへの突破や後はタックル、こういうものにこだわっていって、さらなるスキルを身に付けていきたいと思います。

谷口
(今日は先発でしたが自分のゲームプランは?)スピードで勝って相手の外にボールを出して、数的有利に立とうと思いました。早いパスでディフェンスをきろうと。今日はディフェンスのシステムを少し変えて、自分が外人を止めにいきました。(接点が厳しくてFWが有利になれなかったり、ラインアウトが難しかったですが、BKとしての戦い方は)BK対BKになるとは思ってました。オフロードパスとかされて、モールとかも強かったです。(外国人選手も多い中でのディフェンスはいかがでしたか)外にもっていかせて、その後フェイズとかを重ねて外に走らせました。必ず2枚、3枚ってついて、突破させないように気を付けました。(佐々木組が引退ですが残してくれたものは?)魂ですね。ワセダラグビーの魂そのものです。(来季は自分の代になりますが)4年生がいなくなるっていう実感がまだわかないんですが,センターも激戦なのでポジションを勝ち取れるように頑張ります(3年生BKが多いですが、自分達が引っ張るという意識は?)来年はBKの時代にします。今年は史上最強のFWと言われてたので、来年は史上最強のBKにします!

今村
(試合を振り返り)悔しいの一言です。これまで毎日、一生懸命やっきて、別に手を抜いてやってきたわけではないのですが、甘かったなって気にさせられた。のままでは駄目だなと感じました。(プラン)トヨタ戦と同じく、相手の弱いところをついていく。強いところを避けて、自分たちの強いところで勝負するということです。(社会人の強さ)コンタクト、スピード、トヨタよりも上回っていたし、密集でもうまさがあって、強いという印象を受けた。(佐々木組での一年を振り返り)今年のチームが始まって、トップリーグに勝つことを目標にしてきて、去年の悔しさをばねにやってきた。一つクリアできてよかった面もあるけど、それで満足するわけではなく、課題が見えたので、自分たちにプラスになったと思う。4年生にいろいろなことを学ばせてもらって、来年に生かしていきたい。

菅野
(今日の試合を振りかえって)本当にやりたいことができた。(東芝は)強かった(前回の課題だったコミニュケーションはどうでしたか)みんな頑張ってたけど(東芝と)差があった。声は積極的にかけた。(ディフェンスではいいタックルが何本かありましたが)けど抜かれたのがあった。一発で倒せなくてそこからつながってトライをとられた場面があった(体格が)大きい相手に向かっていくのがワセダの醍醐味。(東芝の印象)強かったの一言に尽きる。(東芝対策は)攻める方向やディフェンスの仕方などです(試合には活きていましたか)試合では活きていたけど最後の方にトライをとられてしまったのでほころびが出たというかツメが甘かった。(個人的な問題点は)ディフェンスがまだまだ。もっといける。アタックは全然歯がたたなかった。(今日は特にノックオンが多くて自身も一つありましたがメンタル面でのプレッシャーが原因ですか)そういう(プレッシャーがかかってる)なかでFWが球を出してくれるのでそれを活かさないとFWに申し訳ない。 (来期はご自身も最上級生ですがどんなチームにしたいですか) しっかりチーム全体でまとまって今以上の成績を残したい。日本選手権優勝など。イチからやっていきたい。

五郎丸
先週競った試合で声援がすごかったが、差が付いても(声援を)くれてうれしかった。今年の目標は達成できたけど、4年生も悔しがっていたし、4年生からもらったものは大きい。一つのプレーに対するこだわりです。大学選手権を連覇することと、トップリーグに勝って納得して終われるようなチームにしたい。(4年生には)お疲れ様というのがあるが、感謝の気持ちです。

高橋
(今日の試合は)社会人と学生の違いを見せつけられたな、というのを一番感じました。(やっぱり強かったですか)そうですね。接点の部分で、集中を保つことができなかった。僕らがやれることは全部やった。全力を尽くしました。みんな気持ちも入っていた。今日力の差を感じたことで、来年後輩たちが差を埋めてくれると思う。(首藤さんに替わって途中出場でしたが)ウイングは初めてやったので、満足いくような動きはできなかったですね。でも今年は9番以外全部できたっていうのは面白いです。個人的には、もっと伸びる部分がある。トップリーグに行って成長したいです。(今日、そのトップリーグ王者の東芝府中と真剣勝負をしたという経験は)東芝府中さんに挑戦できたことは一生残ります。これからもワセダは可能性を秘めてる。この経験を受け継いでくれたらうれしい。(佐々木組はこれで終わりとなりますが、今の気持ちは)全力をかけて戦って、負けは悔しいが、悔いの残らない試合でした。佐々木組のラグビーは終わっても、仲間として続いていく。大切にしたいです。(ご自身の役割は果たせましたか)1、2、3年までは赤黒にまったく手が届かなかったのが、4年で下からはい上がれた。これは後輩たちにも励みになるんじゃないかなと思う。選手の可能性を、しっかり体で教えられた。(もう、今後のことに目は向いていますか)トップリーグではもっと伸びる。もっと成長していきたい。名前が広く知れ渡るように、頑張っていきたいです。







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