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 ラグビー蹴球部主将・佐々木隆道(人4)インタビュー



 『荒ぶる』への序章

 大方の予想を裏切る勝利だった。今季大学選手権連覇を狙う早大は先月25日、4年連続大学王者を争っている宿敵・関東学院大と対戦。ピッチ上に主将・佐々木隆道(人4)の姿はなかった。先の慶大戦で負傷し、早大は大一番にして初めて主将を欠いて臨んでいた。だがノーサイドの瞬間、歓喜の声を上げたのはアカクロジャージーだった。19−7。4年間不動のNO・8としてチームの中核を担ってきた男は、ベンチで観戦し何を思ったのか。そして大学最後の春を終えた今、その双肩に連覇がかかる主将の胸中とは――。

 ―関東学院大戦の勝利を、今改めて振り返ってみていかがですか?
 あの勝ちはみんなの自信になったけど、これといって余韻があるわけではないですね。終わってみたら、普通の練習試合と同じで1個の通過点。夏はまた大変なゲームになるな、と。

 ―ケガ人の多さが懸念された中での勝利でもありましたが?
 4年生がすごくがんばってくれたので、影響はなかったです。逆にケガ人にプレッシャーを与えるいいゲームになりました。カントー戦前、4年生に話をしてこの試合だけは負けられないという意識づけをしたんですが、みんなその通りにしてくれました。

 ―過去4年間、春・夏を共に制した方が大学選手権でも優勝しています。ジンクスは意識しますか?
 全く意識してないです。春を見てもわかるように、実力は差がない。まだミスも多かったし、あれは僕らが理想とするラグビーではない。1トライに抑えられたのは大きいし意識も高く、収穫はあったので春を振り返った中でのベストゲームではありますが。ただ、次の全体練習でそのレベルからスタートできるか、と言ったらわからないです。

 ―その前の慶大戦で痛恨の負傷を負ったわけですが、あのときはどう感じましたか?
 俺はもう終わったな、春は終わりだなと。完璧に出られないのは大学に入ってからは初めてですね。最初はそう思ったけど、キャプテンとしてチームにどういう仕事が出来るのか、リハビリ以外にも出来ることをしようと思いました。僕自身カントー戦は一番デカかった試合なので残念というか焦りはあるけど、夏に復帰できる見通しは立っているし復帰したらみんなを驚かせるパフォーマンスをしたい、とケガした2日後には考えていました。

 ―佐々木選手不在では厳しいのでは、というのが下馬評でした。
 僕も最初は厳しいと思いました。でも練習を見ていくうち、みんないいプレーにつながるプレーをするんです。今まで点と点だけだったのが、1個のアタックとして成立していって。試合では青木がプレッシャーをいい方向に向けてくれて、東条にしても意識高くやってくれて、僕に代わった林(徹=スポ3)もいい動きをしてくれました。

 ―反省する試合が続きつつも、結局今春も全勝で終えましたが?
 ああいう試合を重ねると、普通負けるんですけどね。ただ若いチームなので、爆発力があって集中したときの力はすごい。経験を積めば毎試合スタンダードが出来ていって、4年生が引っ張ればどこにも負けないチームが作れるはずです。優勝できるな、というイメージは完全にあります。まだそのレベルにはなってないけど、いいチームになるんじゃないでしょうか。

 ―昨季の日本選手権準々決勝でトヨタに敗戦したことから、今春は社会人との試合を組んだと思います。2試合とも勝利しましたが、得たものはありますか?
 セコムなんて本気を出してきたときはやっぱり強かったです。ただこっちもゲームプランが固まってなくて、固まったのはカントー戦くらいからなのでその辺の差はありますが、パーツで見れば昨季よりいいプレーがあります。モールはよかった、使いすぎてFWがバテましたけど…(三菱重工相模原戦で課題と感じた)フィットネスは、7・8月でいい状態にします。下のチームの連中なんて相当走ってますよ。

 ―昨季よりレベルを上げたいと話していた基本スキルやフィジカルについてはどうですか?
 基本スキルは全くですが、フィジカルは強くなりました。Aチームに限らず、今までやっていなかった奴もウェイトをがんがんやっています。今まで青木がずっと1番をキープしていたけど、ここに来て前田(航平=人4)がぐっと上がってきた。元々身体作りに高い意識があった選手だけど、青木に負けたくないというライバル心がそうさせたんじゃないですか。フィジカルでもフィットネスでも、それぞれのレベルで「ライバルには負けない」というチーム内の競争がある。

 ―その点では、「今季は本当の意味での競争を煽りたい」という主将就任時の思いは果たされていますね。
 はい、僕が何もしなくても自然に競争が起きています。青木(HO)でも種本(直人=スポ3)が伸びたし、後藤彰友(理工3、LO)にしても豊田(将万=スポ1)、権丈(太郎=スポ2)がいい動きをしているし、僕(NO・8)にしても林がいい。それぞれのポジションで2枚くらいいい選手がいます。みんな一緒なんで、どこかでコツを掴んで伸びた奴が勝ち残ると思います。誰が出てもおかしくない。

 ―今季清宮克幸監督(平2教卒)が掲げる『Target2004』に向けて、どのくらい距離が縮まったと思いますか?春先は「この時点で追いつけてない」とおっしゃっていましたが。
 一人一人の仕事の質の高さは、昨季には到底及ばないレベルです。モールは強いので、後は精度ですけど。昨季にない点としては、矢富(勇毅=スポ3)が強み。それからCTBが菊池和気(平17人卒)という選手から池上(真介=人4)、谷口(拓郎=人3)という新しいプレーヤーに代わると、違うラグビーを見せられると思います。谷口と池上のプレーも全然違うし、CTBだけでも強みです。

 ―菊池さんのお名前が挙がりましたが、昨季の強さの要因の一つにディフェンスが挙げられます。ご自身も強いこだわりを持つ点ですが、今季はどうやって鍛えていきますか?
 ディフェンスは個人の責任感の上に成り立っている分、責任追及しやすいもの。その点にこだわって、完璧なディフェンスを見せたい。0点で抑えるとか漠然とした目標にすると取られたときに崩されるので、具体的に一対一で負けないとか、FWが下がらないとか、ブレイクダウンで相手より低く入ろうとか、明確なターゲットを作ってやっていくのがいいと思います。取られる原因を作るプレーが必ずあるので。例えばスクラムが崩れるとトライが増えるし。その中で僕は(0点に抑えることを)狙っていますけど。







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