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早慶野球(秋)号 アウトライン

幼かったころ。身長が低いくらいしか特徴のない地味な子だったわたしは、九人が平等に打席に立てる野球に心底あこがれていた。地味な伏兵にも派手な主砲にも九分の一のチャンスは同様に巡ってくるこのスポーツに、将来必ず携わってやる。そうすれば素晴らしい未来が待っていると、本気で信じていたわたしは今思えば本当にちっぽけだった。
成長するにつれ野球の厳しい面も目の当たりにした。九分の一は平等などではない。評価されるべき成績でもトップ記事にならない打者。エースが完封した試合で剛速球を受け続けた捕手。猛練習を積んでも『九』に入れない者すらいる。努力した者が皆、同様に注目され輝けるとは限らない。
また逆に、脚光を浴びる者には相応の理由があることも痛感した。記録更新、一つ先の塁、タイトルと、一流選手は自らを高め続ける。かつてわたしがうらやましそうに眺めていた派手なヒーローも、九分の一になるまでには大変な思いをたくさんしたはずだ。努力すれば成功するとは言い切れないが、成功する者は必ず努力している。
愛する野球を都合よくとらえていたわたし。理想とは違う面を受け入れ少し大人になった。これからもどんどん大人になる。それでもわたしは、潔く澄むこの秋の日がくると思うだろう。そうかきょうは早慶戦か、と。だからこんなに胸が躍るのかと。何年先の未来でも、これだけは絶対に変わらない。
(渡邉りさ)

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