|
|



卒業記念号 アウトライン

人波がうねりを上げるスタンドで叫ばれる『紺碧の空』と『若き血』。その夜、あの歓声が頭から離れず、眠ることが出来なかった。それは受験勉強の励みにでもなればと早慶戦を見に行った高3の春のこと。「早慶戦ってすげえ!」と思い、そのときからすっかり虜となったわたし。早スポの存在を初めて知ったのもちょうどこのときだった。
早慶戦との初めての出会いは、私が小学生のときにもさかのぼる。以前から「野球を見てみたい」といって言っていたわたしを父は早慶戦に連れて行った。本当は、プロ野球の試合を見たかったのだが。
秋も、いてもたってもいられず、予備校をサボって足は自然とあの一戦のために神宮球場に向かっていた。普通2回目は、最初のときよりも感動は薄れる。だが、ワセダが4連覇を全勝優勝で飾った瞬間を目の当たりにし、「絶対に学生としてこの試合に参加したい!」と思ったものだ。その試合でマウンドに立っていたのが当時一年の宮本投手だった。
現役では思いはかなわなかったが諦める気持ちは毛頭なかった。一浪の末、運良く辿りついたワセダ。もし、あのときの感激がなければ、今は違う道を歩んでいたかもしれない。
見慣れたはずの一戦。だが、ふとした瞬間にあのときの興奮がよみがえる。そうやってこれからもあの独特な雰囲気は多くの人を魅了し続ける。今年、早スポの記者として迎える最後の1年。すべてが終わったあと、宮本投手の言葉のように「本当に良かった」と思えればいいなと思う。
(山田 豊)

|

| 
|