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wasedasports.com >  2007年度卒業記念特集 >  中野友加里


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 卒業記念特集(25) 中野友加里 



 心に残る演技を

中野  大学生活最後の試合となった、世界選手権。中野友加里(人)は今まで自分がしてきた練習を信じ、フリーの演技に入った。

 初めて世界選手権に出たときと同じ最終滑走。今季は成功率を格段に上げているトリプルアクセル(3A)、年々安定感を増すスパイラルシークエンス、決して現状に満足せず改良を加え続けたステップ。そして、今や中野の代名詞ともなったドーナツスピン。すべてをミスなくこなし、滑り終えた中野の表情は達成感であふれていた。
 
 早大に入学した当初、スランプに陥っていたと振り返る。入学を期に新横浜へとホームリンクを移し、新しいコーチのもとでの競技生活をスタートした。環境が変わり、転機が訪れたのは2年目のシーズン。スケートカナダで3位に入り、NHK杯では優勝と好成績を残した。目標としていたトリノオリンピック出場は逃したものの、全日本選手権5位で自身初の世界選手権への切符を掴み取った。結果は5位。世界の舞台で戦っていける選手として、多くの人の注目を集めるようになった。以来、中野は日本のトップスケーターの一人としてひた走ってきた。氷上でシンデレラを、ゲイシャを、様々な物語を演じた。中野が目標としていたのは「何年か前にあんなスケーターいたね」といわれるようなスケーター。その言葉通りに中野の演技はたくさんのスケートファンを魅了した。

 「努力は裏切らない」。中野は今季の3A成功が続く要因をこう表現した。そして、中野が試合に臨む際に心がけているのは、「練習を信じる」こと、「冷静さを失わない」こと。緊張に駆られた大舞台でこれを実践するのは非常に難しいことだ。しかし、中野は今回の世界選手権で、その言葉を自らの演技で証明してくれた。シーズンで最も大きな試合であるこの大会で、ショートプログラム(SP)、フリーどちらもノーミスの演技。今大会においてSP,フリー共にミスが出なかったのは上位選手の中でも中野だけだ。演技を終えた瞬間、会場はスタンディングオベーション。中野の情熱的な「スペイン奇想曲」は、観客の心に残る演技となった。

 この4年間、学業と競技生活を両立しながら世界で戦ってきた。その集大成が、卒業を間近に控えた世界選手権での自己最高となる4位入賞。表彰台に上ることは叶わなかったが、自分の満足のいく演技が出来たという達成感からか、表情は晴れやかだった。ひとまずシーズンを終えたが、今後も中野の挑戦は続く。もっと観ている人の心に届く演技を。その理想に近づくため、これからも中野は滑り続ける。

(高杉沙樹) 








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