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2007年度卒業記念特集
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卒業記念特集(15) 北沢浩
「つながり」
まさかの幕切れだった。格下と見られていた龍谷大に足元をすくわれ、全日本大学選手権(インカレ)決勝トーナメント2回戦敗退。大学日本一を目指してきたバレーボール部の挑戦は、早すぎる終わりを迎えた。
1年間チームを率いてきたのが、セッターの北沢浩主将(スポ)だ。名門・岡谷工でキャプテンとして春高バレー(選抜優勝大会)優勝を経験、大学入学後も3年次の春季リーグでベストセッター賞を受賞するなどその経歴は輝かしい。ワセダはチーム作りを学生が主体となって行う、強豪と呼ばれる大学のなかでは極めてめずらしいスタイルをとっている。北沢はこの自主性を重んじる伝統にひかれて、入学を決意した。
主将になって心がけたのは、「強制はしない」ということ。選手たち一人一人に自主性を持って行動することを求めた。「バレーにはそれぞれが意思疎通することが重要であり、心と心のつながりがあってこそプレー面でもつながりが出てくる」という想いをこめ、スローガンとして「つながり」という言葉を選んだ。
インカレ3位となった昨季の主力メンバーが多く残り、好結果が期待された春季リーグ。3連勝でスタートという上々の出だしだったが、黒鷲旗での敗戦を機に、歯車は徐々に乱れ始めて行く。一番の原因は、「4年生の思いが一つにならなかった」こと。スタメン7人中5人を占めている4年生の間で意見の食い違いが生じ、それがチーム全体の雰囲気の悪化につながってしまった。北沢はゲーム中、苦悩の表情を浮かべることが多くなった。試合に勝ってもなくならない「もやもや」感。この「もやもや」をどうすればいいのか、答えは出ぬまま春季リーグは終わった。
ケガ人が出てベストメンバーが組めないなか序盤の3連敗が響き、秋季リーグは6位という結果に。4位だった春リーグからは順位を落としたが、メンバーが落ちてプレッシャーが無くなり、「春よりも楽しんでできた」と北沢は振り返る。吹っ切れたのか、チームの状態も徐々に上がっていき、それまで全勝中だった東海大をフルセットの末破るまでになった。
「インカレさえ良ければ」。秋季リーグ閉幕から1ヶ月半、「4年生がまとまらないと雰囲気がよくならない」とミーティングを頻繁に行い、お互いの考えを納得するまで全員で話し合うことにした。チームにはまとまりが生まれ、直前に行われた天皇杯予選では、インカレに向け十分な手ごたえをつかんだはずだ。しかし待っていたのは、2戦目で敗退というまさかの結末。チーム状態が悪いわけではなかった。ただ、周囲からのプレッシャーと、「相手を甘く見ていた」という自分たちの慢心とで、常々口にしてきた「インカレ優勝」という夢は叶うことはなかった。
もちろん悔しい、満足できないという気持ちはあったがそれと同時に、北沢はこんなことも思った。「最後、チームがバラバラにならず、まとまって終われて本当によかった」。春季リーグでチームが分裂してしまったという苦い思い出があるだけに、その思いはひとしおだったに違いない。
主将として駆け抜けてきた1年間。「キャプテンをやってたからどうこうというのはない。ワセダというチームでみんなとバレーができたことの方が僕の財産。いい仲間に恵まれていい環境でバレーができて、超楽しかったです」。きっと春季リーグの頃は、こんなコメントを残せるようになるとは夢にも思っていなかっただろう。つらい、思うような結果の出せない戦いを続けていくなかで、深まった仲間との絆。取材に答えるすがすがしい表情からは、北沢が最高の「つながり」を手に入れたことが感じられた。
(加藤咲耶)
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