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2005年度卒業記念特集
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卒業記念特集(21) 矢島卓郎
4年間の「ハンディキャップ」
強くて速い。どんな相手もなぎ倒す圧巻のドリブル。高くて迫力のある豪快なヘディング。安定したポストプレー、強烈なシュート。早大屈指のストライカー・矢島卓郎(人)はエースナンバー・背番号9をそのままに、ユニフォームの色をエンジからオレンジへと移した。
「僕自身は推薦の選手を意識したことはなかったです」。そう語るが、毎年名実共に兼ね備えた有名選手が入部してくるワセダで、一般入試の矢島が試合に出るためには越えなければならないハードルがいくつもあった。入学当初はグラウンド整備に追われ、サッカーに集中できない時期もあった。しかし、そんな中でも着実に結果を残し、出場機会を増やしていった。
3年時に大榎克己監督(昭63教卒)が就任すると、「推薦組に刺激を与えるため」という監督の考えもあり、積極的に起用され、関東大学リーグ2部復帰の立役者となった。ワセダに欠かせない存在になるとともに都リーグ所属ながらJFA・Jリーグ特別指定選手としてJ2の練習や試合にも出場した。この頃からプロを意識するようになったという。
最高学年となった4年時、更なる飛躍を誓う矢島に試練が待ち受けていた。―――ケガ。良くなったと思ってもまた痛めてしまう。悪循環に陥っていた。準優勝した総理大臣杯、決勝トーナメントのピッチに矢島の姿はなかった。3連覇を達成したユニバーシアード、登録メンバーに矢島の名前はなかった。「やはり焦って、それで結構(ケガが)長くなった」。焦燥感ばかりが募ったが、待つしかなかった。公式戦のピッチを離れて3ヶ月以上が経った。2位専大との首位決戦、エースは帰ってきた。ブランクを取り戻すかのようにコンディションを上げていき、照準は運命の一戦にぴったりと合っていた。因縁の慶大戦で1ゴール1アシスト。この勝利で早大は悲願の1部復帰と同時に2部優勝を成し遂げた。
今季、晴れて清水エスパルスに加入。ルーキーながらもかかる期待は大きい。「本当に光栄なこと。その期待に応えたい」。その意気込みと同時に「自分より若い選手で去年から試合に出ている選手が何人もいるから凹みやすかったところもある」とも口にした。高卒で入団した選手と経験の差があるのは事実だが、そんな問題は杞憂に終わるだろう。矢島にはワセダでの4年間があった。それは選手生活を送る上で、決してハンディキャップにはならないはずだ。勉強では興味のあるスポーツマネジメントに意欲的に取り組み、部活では東京都リーグというどん底も経験した。4年間の出来事全てに意味があった。
いつも口癖のように言う。「試合に出たら、FWなので得点を狙っていきたい」。オレンジの背番号9がベンチコートを脱ぐ時、観衆は最高の“ヤジゴール”に狂喜することになる。
(大倉麻美)
【“W”発“J”行きの選手・第3弾 矢島卓郎へ】
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