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2005年度卒業記念特集
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卒業記念特集(25) 佐々木隆道
日本一の夢を後輩に託して、自身は世界へ続く道へ
「もうキャプテンじゃないんだ、と寂しい気持ちです」。佐々木組の挑戦が終わりを告げた3日後の追い出し試合で、佐々木隆道(人)は率直な胸の内をこう表現した。常に勝つことを求められるワセダで主将を務める重圧やプレッシャーは、常人には想像のつかないほど大きかったはずだ。それでも、重責を終えて先に心を支配した感情は、安堵感ではなく寂しさだった。1年時から不動のNO・8として黄金時代を支え、4年時には自らの色で『史上最強』のチームを築き上げた佐々木は、ワセダのラグビー史にその名を確かに刻み込んだ。
プレーヤーとしての非凡な才能は、入学当初から際立っていた。当たりの強さから生まれる豪快なアタックに、相手を確実に仕留める激しいタックルと攻守に渡り存在感を見せ付けていた。年々磨かれていくスキルに加えて、学年が上がるにつれて発揮されたのは天性のキャプテンシー。いつしか佐々木は、プレー・精神面両方でチームに欠かせない存在となっていた。
最終学年を迎えた今季は、前年のシーズン終了を待たずに異例の早期発表で主将就任が決定。そのことからも、佐々木へ寄せられる絶大な信頼がうかがえた。満を持して動き出した佐々木組は、春先から連勝街道をひた走る。しかし、宿敵・関東学院大に春・夏と連勝しても、伝統の一戦で大差をつけて勝とうとも、手放しで喜ぶことはない。「常にひたむきでないと、いざと言うときに勝てない」。自らの哲学を貫くように、常に強さを追求し続け、貪欲な姿勢を崩さなかった。試合ごとに浮き彫りになった課題を克服し、さらに強くなる――。その積み重ねの結果、31年ぶりとなる大学選手権連覇、そして日本選手権ではトップリーグ4位のトヨタ自動車を破り、18年ぶりに社会人上位チームに勝利する快挙を達成。それぞれの個性が強烈なワセダが、佐々木という揺るがない軸の存在で同じベクトルを向き、強固な結束力で数々の金字塔を打ち立てた。歴代主将のなかでもずば抜けていると評されたそのリーダーシップで、『史上最強』の領域へとチームを導いた。
日本選手権準決勝・東芝府中戦で敗れて佐々木組の伝説は終幕を迎えた。しかし、実際にトップリーグ王者と肌を合わせて得たものは、やれるという十分な手ごたえと「もっとカラダを大きくして、走れるようになって、日本で一番のプレイヤーになる」という新たな目標だ。無論、その先には世界の舞台を見据えている。叶わなかった日本一の夢を後輩たちに託して、これからは世界へ続く道を突き進んでいく。ワセダでの佐々木が常にそうあり続けたように、妥協を知ることなく、そして常にひたむきに――。
(和泉恵太)
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