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2005年度卒業記念特集
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卒業記念特集(20) 松本允
芽生えた自覚、その先に見えたもの
ワセダのフランカー。それはラグビー界のおいて特別な意味を持っている。激しいタックルと豊富な仕事量、そして絶え間なく次のポイントへと走り続ける精神力が武器であり、一般入試で入学し、血のにじむような努力を続けてきた選手たち。これがこれまでのワセダのフランカー像であり、ファンにもそう認識されてきた。ワセダが高みへと向かう時、常にこのようなフランカーが存在し、そのプレーで人々を惹きつける。現に12年ぶりの大学日本一に輝いた2002年には羽生憲久(平15理工卒)が、一昨季では古島直(平17政経卒)がその役割を担った。同じく一般入試で入学した松本允(人)は彼らの姿を見て育ってきたのだ。
しかし松本はワセダにおいて異色の存在であった。持ち味はアタッキング能力。素早いフォローと高いランニングスキルを活かし、2年時、3年時と2年連続でチームのトライ王に輝いた。「フランカー陣はレベルが高いし、それぞれの長所を持っている。その中で自分はアタックで魅せたい」。当時、激しいポジション争いの渦中にいた松本は自らをこう分析していた。
だが今季、不動のスタメンとしてFW陣を引っ張る立場となった松本にある苦悩が訪れる。それは自らと周囲が抱くワセダのフランカー像とのギャップ。自分を活かしてくれた古島が抜け、さらに同じく高いアタッキング能力を武器とし、随所で溢れる才能を見せるルーキー豊田将万(スポ1)の登場により、自らの役割を見つめなおす日々が続いた。
そしてたどりついた答えは豊田を活かすべく、自身が仕事をこなすことであった。フィールド上では誰よりも激しく、そして狂おしく。接点で暴れまわる姿はまさにワセダのフランカーそのものであった。数こそ減ったが、大学選手権決勝、関東学院戦でのトライなど勝負どころでトライを奪うらしさも健在。さらに上のレベルへと自らを押し上げた。
卒業後は地元へと戻り、早大OBを数多く擁す九州電力へと進む。「かけがえのない4年間」を過ごし、成長を遂げた松本。これからはトップリーグ入りをかけた戦いとなる。秩父宮とはしばしのお別れだが、その姿はそう遠くない先に再び見れるだろう。そして接点で懸命に働く背番号7の姿は再びラグビーファンの心をとらえるに違いない。
(大迫拓郎)
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