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2004年度卒業記念特集
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卒業記念特集(2) 安藤栄次
大学日本一の称号胸に、新たな戦いの舞台へ
一瞬生まれたギャップに、安藤栄次(人)は迷わず飛び込んでいった。今季の大学選手権決勝、対関東学院大戦でのワンシーンだ。逆転を許した直後という逆境の中で奪った、再びチームに流れを呼び込む値千金のトライ。それは、「諸岡組」の1年間、ひいては安藤自身の4年間の集大成が見られた瞬間だった。
振り返れば、決して順風満帆な4年間ではなかった。2年時にCTBとして公式戦出場を重ね、3年時に更なる飛躍を期待されていた。しかし、ケガの影響もあり調子を上げられず、「ラグビーをやめたいと思ったこともあった」と語るほど苦しい時期を過ごした。しかしこの時に苦難を味わったことで、最後のシーズンに懸ける強い思いが芽生えた。その気持ちを胸に、安藤のラストイヤーの戦いは始まった。
最終学年として迎えた今季の前半は、前年度のメンバーが多く残ったFWに比べて、BKはメンバーが流動的だった。それはSOも例外ではなく、不動の司令塔だった大田尾竜彦(現ヤマハ発動機)の穴を誰が埋めるのかに注目が集まった。また、BK全体の仕上がりは、「練習でやってきた形にならないと仕留められなかった」と話すように、まだまだ発展途上であった。ゲーム中も、圧倒的な強さを誇るFW陣が全面的に押し出され、BKは影を潜める場面が多かった。そのなかで安藤は、あくまでも本職SOでのスタメンにこだわり、菊池和気(人)、久木元孝成(教3)らとレギュラーの座を争った。
対抗戦も後半に差し掛かると、SO安藤、CTB菊池という布陣が固まり、その後は安藤がアカクロの10番を背負い続けた。他のBKのメンバーもほぼ固定化され、「ミーティングなどを重ね、1人1人が考えてプレーするようになった」ことで、完成度も高まった。それを証明するかのように、大学選手権の準決勝ではBKが爆発し同大を圧倒。決勝の対関東学院大戦でも、内藤慎平(人)、五郎丸歩(スポ1)、そして自身のトライと、大舞台でBK陣の力が如何なく発揮された。その中心には、常に精度の高いキックで何度も局面を打開し、正確かつ多彩なパスでチャンスを演出し続けた安藤の姿があり、『荒ぶる』への大きな原動力となった。前年度の苦境を、見事に王座奪還に繋げて結実させた。
卒業後は、今年の日本選手権を制したことが記憶に新しい強豪NECへの入団が決まっている。「世界レベルの選手と一緒にプレーするのは楽しみ」と話す大学日本一のSOは、正確無比なパスやキックなど、ワセダで培ったもの全てを武器にしてトップリーグに挑む。そして、いずれは安藤自身がワールドクラスの選手となって、再び秩父宮を沸かせる時を今から楽しみにしたいと思う。
(和泉恵太)
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