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  卒業記念特集? 小原大輔 

 NHLへ続く道

  「僕がNHLでプレーできる可能性は限りなく少ないですね」。昨秋、北米に発った小原大輔(社)からの答えは意外なものだった。現実の厳しさを味わった小原。だが、ここまでのホッケー人生を一言で表すならば、堅実そして挑戦。小原が視線の先に、NHLを捕らえる日は来る気がしてならない。

 早大スケート部ホッケー部門主将の小原。だが、今季7年ぶりに関東王者となったチームの中心にはいなかった。ベンチから「19」のユニフォームだけがチームを見守る。現在小原が所属するのは、北米マイナーリーグ・ECHL、オーガスタ・リンクス。昨秋のトライアウト合格後、2回の解雇を乗り越えて今に至っている。ここにくるまで、長い道のりと、多くの選択肢、葛藤があった。

 北海道・駒大苫小牧高時代は3年間無敗。総体4連覇のチームを7連覇に伸ばす原動力となり、U18・20日本代表にも選ばれた。この頃から「海外でプレーしたいという気持ちがあった」という。卒業後はカナダに1年間留学するという条件付きで、コクドに入社することが決まっていて、早くも海外に挑戦する予定だった。しかし、カナダリーグが外国人選手締め出し方針を固めたため、その話は流れる。

 早大時代はタイトルなし。想像していたよりも、大学ホッケーのレベルは低かった。「大学を辞めて実業団にいこうか迷った――」。そして、チームはなかなか勝てず、タイトルに後一歩届かない。高校時代は当たり前だったことが、遠い。そんな苦悩の日々が続いた。それでも捨てきれない海外への熱い想いを抱えた小原に、転機が訪れる。

 03年冬季アジア大会、金メダル獲得。大学生として唯一の選出でありながら、5ゴール5アシストと活躍した。「(代表に選ばれたことによって)自分のプレーも通用するんだと自信がついた」という小原。「もっと上でやりたい」という想いは募るばかりだった。

 03年世界選手権、最下位。「世界との差を実感し、大学のホッケーでは物足りないと思った」。この敗北が、トライアウトに挑戦する一番のきっかけとなった。小原は、トライアウト挑戦を決めた。

 当然、「大学最後の年、皆で戦いたい」という思いと、「将来のために海外に行くか」という葛藤があった。そんな悩みを決心へ揺り動かしたのはやはり、ずっと抱いてきた海外への熱い想いだった。しかし、思いだけで海外に挑戦できるわけではない。今回の挑戦が現実化の方向に向かうことができたのは、大学入学時から、堅実に未来を見据えてきた小原がいたからだ。海外挑戦を視野に入れ、JOCから給付された強化費を積み立てきた。そのお金を自分に投資したのだ。また、3年時までに単位も大部分を取得。舞台は自分で調えた。

 03年10月1日渡米、トライアウト合格。しかし、2週間で契約の更新されるという厳しいリーグ。「1週間でも2週間でも」という思いで挑んだ小原も、2ヵ月後に解雇されるという厳しい現実に直面した。それでも何とか移籍先が見つかり、まだ帰国に迫られたことはない。ボディチェックの厳しい北米。選手のサイズも大きく、「日本のように余裕を持ってプレーできない」と言うが、「テクニックやスピードでは十分通用している」と、自信をつけつつも挑戦の毎日だ。

 アイスホッケーの最高峰・NHLで「プレーできる可能性は限りなく少ない」かもしれない。だが、小原はきっと堅実に挑戦の舞台をどこかで調えているのだろう。ワセダの小原がそうであったように。
(鈴木昌恵) 
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