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unbeaten Ace
私が彼を初めて見たのは高校生のとき。魔法のカーブを武器に夏の選手権ベスト8まで勝ち進んだ、笑ったときの八重歯が印象的な小さな投
手。清水大輔(人)。六大学野球史上2位の15連勝の記録を残し、この春、社会人野球という新しい世界へ飛び立って行く。
甲子園ではヒーローだった清水も、神宮のマウンドは思いのほか遠かった。3年時にリリーフとして活躍し、先発を任されたのは4年になっ
てからだ。大エース・和田毅(平13人卒=現プロ野球ダイエー)から背番号18を受け継いだ昨春。チームは史上最強とうたわれた打線を擁
し、3連覇への穴は投手と言われていた。「悔しさはある。でも自分は和田さんにはなれない。与えられた役割を果たすだけです」。その言葉
どおり、清水は先発として6勝した。味方の援護をうけながらではあったが、1シーズン通して投げきったことは自信となった。そして秋季。
春季と比べて湿りがちな打線のために我慢の試合となることが多かったなか、夏場の過酷な練習を経て、安定感ある投球をする清水がそこには
いた。「春は助けられたし。打ってくれると信じて投げています」。11月1日、早大野球部は4連覇を成し遂げ、清水の連勝記録は15にの
びた。通算成績15勝0敗。無敗のエースとして、人々の記憶に刻まれることとなった。
1年間清水に取材をしてきて受けた印象。それは、ひとなつっこい笑顔とは対照的に淡々と、飄々(ひょうひょう)とした面があるというこ
とだ。どんなことを聞いても、たいていは笑いながらさらっと答えてしまう。天王山の明治戦で完封しても早慶戦で完投しても、普通に「うれ
しいです」とだけ返ってきて拍子抜けしてしまった。そんな清水に進路について質問をした。「どこでってわけではなく、野球をやる限りは上
に行きたい。プロでも社会人でも」。淡々とした語り口だったが、私は静かなる決意を感じとっていた。同期の4人に遅れはとったが、2年後
には自分もプロの世界へ――。いつかプロの選手としてマウンドに立つその日まで、清水には上昇し、常勝し、常笑していてほしい。
(白沢かおり)
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