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俊足・巧打、そしてその先へ…
「2番・センター青木宣親」この名前が神宮球場の電光掲示板に登場してから、早大の東京六大学リーグ4連覇は始まった。俊足とシュアな
打撃。青木選手を形容するのによくこんな表現を見かける。その通り、大学時代はベース上を縦横無尽に駆け回った。3年の春にレギュラーに
定着してからの盗塁数は22個。およそ2試合に1つのペースだ。そして大学通算.332の打撃。その快足を生かした内野安打あり、そうか
と思うと反対方向へも力強い打球を放つ。さらに、意表を突くセーフティーバントを試みるなど、相手を翻弄した。
しかし、これらに加えてもう一つ注目すべき点がある。それは積極性だ。2番打者には、犠打、進塁打などのチームバッティングが求められ
る。そのような慎重さ、正確さを要する仕事を課せられながら、青木選手は初球からどんどん打ちにいった。4年時のみの数字だが、ファース
トストライクを打ちにいった打率は.380。私が試合を見ていて、楽しみな青木選手の打席がようやく回ってきた、と思ったらあっという間
に安打にしてしまうのをよく覚えている。
そんな青木選手だが、大学通算本塁打は0本。「狙える状況なら打ってみたい」、と4年の終盤に語ってくれていた。そのためか、リーグ戦
最後の試合となる03年秋の慶大2回戦では普段では考えられないくらい大振りが目立った。狙っている。遠目にもそれがよく分かった。しか
し、その試合は青木選手には珍しく2三振。結局、本塁打を打つこともできなかった。それでもしっかりと犠打を決め、内野安打を放つなど青
木選手らしさも見ることができた。
昨年のドラフトでヤクルトスワローズに指名された青木選手。また神宮球場であのプレーが見られると思うと非常に楽しみだ。野球の華であ
る本塁打への憧れ。大学で放つことができなかった心残りを胸に、プロでは俊足・巧打に加えて、是非大きな放物線を描く本塁打も放ってほし
い。
(滑川善隆)
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