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レースの終わり
この選手、外見のみで判断すれば「安全運転でスピードは出しません」といった感じだ。しかし、ひとたびハンドルを握ると、誰よりも速く、誰よりも巧みに車を走らせる。今季、早大のエースドライバーを務めた西野洋平(理工)のことである。
個人の成績が団体の成績を左右する自動車競技において、エースドライバーの存在はチームにとって非常に心強いものだ。昨季の早大は、主
将・土森一了(平15理工卒)を中心に強さ、と言うよりは速さを見せつけた。その中で西野も個人では常に10位前後をキープし、強豪ワセ
ダの一翼を担っていた。そして、土森がチームを去ったあと、エースの役目を任されたのが西野だった。
今季の早大の目標は全日本総合杯1位。つまりは学生日本一を目指すということだった。昨季は全日本学生選手権でジムカーナ準優勝、ダー
トトライアル優勝という好成績ながらフィギアの不出場が響き無念の2位。その悔しさを晴らすために始まった最後の1年。プレッシャーも
あっただろうが、西野は期待に応える活躍を見せた。全関東学生選手権においてジムカーナ、ダートトライアルともに個人優勝。特にジムカー
ナでは、最終走行で逆転首位という勝負強さを発揮した。これによって早大も優勝、準優勝という好成績を上げた。このまま全国でも…と簡単
にいかないのが勝負事の常である。全日本学生選手権ではダートトライアル個人4位の結果を残すものの、ジムカーナ、フィギアでは上位にく
い込めなかった。その結果、早大は再び学生2位に終わる。
目標の達成はならなかった。あと一歩のところで逃した栄冠。しかし、西野の走りがなければ2位という成績もなかっただろう。エースとし
ての責任は十二分に果たした。前を走る一台を追い抜く仕事は後輩へ託す。そして3月25日、西野は4年間に渡るレースのゴールを迎え
る。
(伊佐慶吾)
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