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  卒業記念特集? 神川紀信 

 勝利の鍵は、「己を知る」

  「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」という言葉がある。いくら敵の事をわかっていても「己を知る」という事はそう簡単にいかないものではないだろうか。日本拳法で国際選抜個人選手権二連覇や東日本学生個人選手権優勝など数々の輝かしい成績を収めた神川紀信(商)は、己をよく理解している男だ。

 神川が日本拳法を始めたのは、意外にも大学入学後からだ。それまでやっていたバスケットボールをやめ、日本拳法部に入部した。理由はいたって簡単。「昔から格闘技が好きだし、やってみたら面白かったから」。夢中になれそうなものならなんでもよかったというのが本音だ。そんな神川は1年時に昇級審査に落ち、団体戦でも他大学にボロ負けを喫すという最初の挫折を味わう。所詮この程度の選手で終わるのかとうなだれる神川にあるOBが声をかけた。「思っているほど他の人との差はないから、頑張れ」。この言葉で神川は再び立ち上がり、拾ってくれる人がいる自分は恵まれているという思いで練習に励んだ。そして、その後どんなに酷く辛い挫折を経験しても「どこからでもやり直せる、立ち上がれる」という信念を持って、決して日本拳法をあきらめなかったのだ。

 いくつもの挫折から立ち直り数々の輝かしい成績を残した神川だが、自分が強いという実感や自信はいまだに生まれない。試合の前には弱気になり、プレッシャーに押しつぶされそうになる。それでも勝ちを掴めるのは、「自分の事をよくわかっている」からだ。強い部分・弱い部分両方を含めた自分が、そして自分の拳法がどのようなものかをよく知っている。神川は日本拳法を「勝ち方への間口が広く奥が深いものであり、自分の自由にできる競技」だと言う。だからこそ自分の拳法がどのようなものかを理解している事が勝利につながる。それが神川の強みなのだ。神川は一種の哲学とも言えるようなしっかりした考え方を持った男だと私は思う。己を知っているという事は、日本拳法だけでなく今後の人生にも必ず役に立つはずだ。大学四年間に日本拳法で培ったあきらめない心と己を知るという事を忘れずにこれからの人生を歩んでいって欲しい。
(内田陽子) 
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