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箱根駅伝号
ワセダの絶対的エース 竹澤
竹澤健介(スポ3)にとって2007年(平19)は激動の一年となった。箱根で2区区間賞を獲得すると、8月には世界選手権(世界陸上)で12位と奮戦した。さらには、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)で、早大5年ぶりのシード権奪還に大きく貢献。国際千葉駅伝においても日本代表の逆転優勝の立役者となった。次なる照準は、3度目となる華の2区。世界のTAKEZAWAが、ワセダの竹澤として箱根路に挑む。
日本代表としてもワセダのエーとしても活躍を続ける竹澤は名実ともに学生最強ランナーといっても間違いない。前回の箱根後から地元・大阪で行われる世界陸上を見据え、海外遠征を行い、日本記録を意識した走りを展開。一万メートルで世界陸上参加標準記録Aを突破し、日本選手権も2位という文句なしの成績で、念願だった世界陸上の切符を手にする。だが、世界トップレベルの走りは想像を絶していた。
「なんじゃこりゃ。歯が立たない」。初めて世界の超一流ランナーと肩を並べた世界陸上一万メートルを走っているときに思った。今まで経験したことのない緊張感と熱気で苦悶(くもん)の表情を浮かべる竹澤。国内でもトップレベルのタイムを持つ若き日本の星が先頭のアフリカ勢にみるみる離されていく。持ち味のラストスパートで12位と健闘するも、首位とはトラック1周半差をつけられてしまう「すごく情けなさを感じるレース」であった。しかし、身をもって世界との差を体感することができた。そして「世界とはまだまだ戦えない。やるべきことをやろう」と気持ちを新たにする。
好きな言葉は「一生懸命」。「一つのことを懸命にするということはすごく大切。こまごましたことの積み上げたものがそこにあると思う」からだ。その言葉通り、すべてのレースに全力で取り組むという姿勢は変わることはない。駅伝シーズンに入っても、日の丸とワセダの2つの顔を持つ竹澤には気の抜けない戦いが続いた。それでも、「僕にとって捨て試合はない。常にどの試合にも負けたくないと思っている」と、一つの試合にすべてを懸けて取り組んだ。10月の出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)は流れに乗り切れないまま終わったが、11月に行われた全日本では2区区間新記録を樹立。5年ぶりのシード権獲得の原動力となった。国際千葉駅伝でも区間賞を獲得し、日本代表の逆転優勝に大きく貢献するなど全力で取り組んだ結果が形として表れている。
「約束できないことは約束しない」という信条から、いつも控えめのコメントを残す竹澤。だが、チームの15年ぶりの総合優勝への意気込みを問うと、「使命であり、責任であると思う」と力強く答えた。子どものころからWに憧れ、「夢に向かってなら(努力が)出来る」とワセダで厳しい練習を積み重ねた竹澤にとって、エンジと日の丸の重さは同じもの。華の2区も「みんなの一年間を背負って」全力で駆け抜けるつもりだ。「一生懸命」という言葉の意味のままに、箱根路にそのもてるものすべてを懸けて。
(山田 豊)
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