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 10月号 【卓球】第77回全日本大学対抗選手権(8月2〜5日、兵庫・尼崎市記念公園総合体育館)



 宿敵青森大倒し 日本一

一面  下山隆敬主将(社4)、時吉佑一(スポ4)、久保田隆三(社4)の4年生トリオが、ラストイヤーに大仕事をやってのけた。早大は、過去2年連続で敗れている青森大との早青決戦に3−1で勝利し、男子部積年の宿願であった『打倒・青森大』を達成。3年ぶり14度目となる日本一の座についた。4年間、チームの中心を担い続けてきた三人の4年生。その最終章が、今ここに完結した。

 4年生トリオ、最後の挑戦だった。「最後の年だし、ずっと優勝を考えながら練習をしてきた。青森大を倒して優勝したい」(久保田)。一昨年、昨年と挑んでは、はね返された大きなカベ、青森大。3年連続の頂上決戦となった今年、勝負を分けたのは「4年生の勢い、意地」(下山)。そして、ほんの少しの『運』だった。

 決勝戦、トップで登場した時吉は準決勝で明大のエース・水野を破るなど「調子は絶好調」。自ら監督へ志願してのトップ出場は自信の表れだった。だが、対する青森大のトップは、大学入学後の公式大会では2戦2敗と時吉が「苦手」とする坪口。「対戦すると分かったときは嫌だった」と、志願のオーダーは裏目に出たかに思われた。

 しかし、「最後のチャンス。悔いの残らない思い切ったプレーをしよう」と心がけた時吉は、序盤からエンジン全開。鋭いドライブを次々と相手コートに突き刺し、2ゲームをあっという間に連取する。

 流れは完全に時吉へ傾いていた。だが、やはり相性の悪さは覆せないのか、ここから逆襲にあってしまう。第3ゲームに入り、まともな打ち合いを避け、粘り強いプレーで揺さぶりにかかる坪口。これでリズムが狂った時吉は、ここまでほとんど出なかったミスを連発し、2ゲームを奪い返されてしまう。勝負は最終ゲームへと持ち越された。

 手に汗握る熱戦。しかし、幕切れはあっけないものだった。坪口の追い上げにあいながら迎えた10−9のマッチポイント。時吉の放った打球が、予期せぬ方向に跳ねた。エッジ(台の角)ボール。坪口は、見送ることしかできなかった。

 「勝てたのは運」と時吉は振り返った。しかし、「ムードメーカー」(久保田)である時吉が苦手を克服して挙げたこの1勝は、チームに勢いを与えた。そして2、3番で互いに1つずつ星を取り合った後の4番主将・下山が勝負を決める。前日は重圧から、精神面の揺らぎがプレーに出てしまった。だが、この日は重圧を『4年生の力』へと転化。持ち味の強打がよみがえり、相手を圧倒した。

 優勝を決めた主将の最後の一打は、4年間の想いを込めて放った、こん身のスマッシュ。挑み続けた青のカベを、初めてエンジが乗り越えた瞬間だった。

(富永俊矢) 








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