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7月号
【陸上競技】第76回日本学生対校選手権(6月8〜10日、国立競技場)
世界へ駆け抜けろ 江里口
短距離、長距離、双方のスターがそろって快挙だ。ルーキー江里口匡史(スポ1)が早大史上初となる1年生での百メートル優勝を果たすと、長距離部門のエース・竹澤健介(スポ3)もライバルたちが出そろう五千メートルで驚異のラストスパートを見せ優勝。また、江里口の同級生である栗崎康介(スポ1)も二百メートルで3位に入るなど、表彰台者を多数輩出し国立がエンジにわく3日間となった。
さっそうとトップの座をさらっていった。学生日本一を決める日本学生対校選手権(全カレ)。誰よりも早くそして誰よりも強いことを人々の印象に焼き付けたのはわずか2カ月前に入学したばかりの江里口だった。
華々しい経歴をまとったルーキーだ。高3の総体、優勝の期待がかかるも、ケガの影響でまさかの準決勝敗退。その後の国体で自己新記録の10秒37を出し、百メートル少年Aの部で優勝する見事な復活劇を遂げた。その江里口に大学進学後、大きな期待がかかるのも当然のことだ。それでも、重圧に押しつぶされることなく、5月の関東学生対校選手権(関カレ)では2位に入り、その実力を遺憾なく発揮している。
「夢は日本代表。近い目標はユニバーシアード(ユニバ)」。今回の全カレはユニバの最終選考会を兼ねており、好成績を残せば早速夢をかなえるチャンスだ。向かい風が吹きやすくタイムが出にくい国立競技場の特性から、記録より「勝負に重点を置く」ことに初めから決めていた。
江里口が夢への一歩となる予選を1位通過した直後、優勝候補の塚原(東海大)が失格した。「優勝を狙えるぞ」との声が周囲から出始めるも、地に足をつけた走りで、準決勝も1位通過、決勝進出を危なげなく決めた。
しかし決勝を控えた江里口をいつにない「緊張とプレッシャー」が取り巻いていた。「自分でも優勝できる」と手応えを感じていたからだと言う。関カレから日も浅く疲れもあった。それでも「全国の速い人たちに勝ってユニバの代表に入りたい」。気持ちで負けることはなかった。
決勝は1度のフライングを挟んだスタートとなり、塚原のフライング失格が頭をよぎった。同じ過ちをすれば、ユニバへの道は閉ざされる。勝ちへの気持ちは強い。だが、頭は冷静だった。合図とともに、「しっかり落ち着いて」飛び出し、中盤の加速で一気に敵を置き去る。勢いそのままにゴールテープを切り、指を天高く突き上げる全カレ覇者・江里口の姿があった。
1年生での全カレ百メートル優勝は早大史上初の快挙。そしてこだわってきたユニバ代表もつかみ取った。「ユニバの先に世界選手権やオリンピックがある」。世界への一歩を今踏み出した。
(藤田絢子)
◆江里口匡史(えりぐち・まさし)
1988年(昭63年)12月17日生まれのB型。170センチ58キロ。熊本・鹿本高出身。スポーツ科学部スポーツ文化学科1年。イントネーションがおかしいと仲間から言われるが「田舎者なので方言は気にしないでいきます」
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