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 新入生歓迎号 



 快進撃が止まらない 友加里

中野  強く、美しく、しなやかに。今季、大躍進を遂げた中野友加里(人2)は、五輪と並ぶ最高峰の大舞台・世界選手権に初出場で5位に入る好成績でシーズンを締めくくった。不安定だったトリプルアクセルには挑まなかったが、今季5度目となるパーソナルベストを更新。出場がかなわなかったトリノ五輪の熱戦に刺激を受け、要素のレベルアップにも成功した。中野が世界のトップスケーターと呼ばれる日も、遠くない。

 昨年5月の初披露から10ヶ月。今季をともに戦ってきたフリープログラム『ドン・キホーテ』での最後の演技を終え、初出場で5位入賞の快挙。中野の勲章が、また一つ増えた。

 トリプルアクセルは封印した。直前まで迷ったが、「確実性を狙っていこうということで佐藤コーチ夫妻と話し合って跳ばないことに決めました」。今季は自身の感触に反して回転不足の判定を受けることが多かった。四大陸選手権でも果敢に挑戦したが2回転判定。わずかな差で優勝を逃した。「以前、跳ぶのをやめた試合は、後から後悔したんです」。だが、今大会は調子がいいとは言えなかった状態での挑戦を回避。演技全体の完成度を求めた。「緊張もあって、逃げ腰になっていました。まだまだやれる部分があった」と、いくつかミスも出た。それでも、またもパーソナルベストを更新する高得点を獲得。演技構成点でも念願だった7点台に初めて乗せた。ジャンプだけではない。スピン、スパイラル、そして表現する力。すべての要素で高いレベルに達したことの証明だった。

 現実のものになりかけていたトリノ五輪代表に落選。「ここまで来られたのも、自分にとってはすごいこと」と語りながらも、失意は大きかった。夢だった世界選手権の切符はつかんだ。しかし2月、周りの選手たちがシーズンを終え、コーチたちは五輪に同行。閑散としたリンクで、一人練習するのはつらかった。そんな状況でのトリノ五輪は早朝から生中継を観戦した。「わたしも頑張らなきゃ、と思いました。練習する気も出てきたし、出ている人に負けたくないとも思いました」。さらに、新たな課題も見つかった。トリノから帰ってきたコーチには、五輪を戦った選手たちに比べて中野のスピンの回転速度の物足りなさ、全体の動きの小ささが目についた。妥協をしない持ち前の意志の強さに加え、はっきりとした意識を持って集中的に練習をこなせたことも、中野にとって好材料だった。

 「今までスケートをやってきた中で一番充実したシーズンでした」。昨季は結果が出ず、スケートをやめたいとさえ思った。「去年のようにはならないように」。もう、あの悔しさは味わいたくない――今季はそんな思いで臨んだに過ぎなかった。それがグランプリ(GP)シリーズ1戦目で初メダル、2戦目では初優勝。そしてGPファイナルと世界選手権に初出場。何もかもが初めての、快進撃だった。

 スケートカナダでの表彰台でついた自信が、大舞台に踏み出す中野を常に後押しした。来季も「平常心を心がけて試合に臨めたらいい」。そう言って決意を新たにし、激動のシーズンは幕を閉じた。これから先も、中野は世界中の観客たちに多くの驚きと感動を与え続けるだろう。中野には、それができるはずだ。

(七田惇) 






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