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早大エイト 一致団結

これまで数々の名勝負が繰り広げられてきた早慶レガッタもついに100周年を迎えた。早大は昨年のインカレ(全日本大学選手権)で慶大を上回る3位という成績を残したものの、同年の早慶レガッタでは終始リードを許しての完敗を喫している。大学日本一を見据えながらも、絶対に負けられないこの一戦。新緑の空気が漂い始めた隅田川で、節目の年に早大エイトがリベンジに燃える。
昨年4月、最強メンバーをそろえて臨んだ早大は、絶対的有利の前評判を覆されて慶大に完敗した。早大を襲ったまさかの悪夢。「自分たちの弱いところやできないことに気付いてなかった」(山口祐輔=人4)。ゴール地点、桜橋の下で勝者と敗者のコントラストは鮮明に描き出された。
今年のメンバーは昨年の早慶レガッタの対抗エイト、第二エイトでともに慶大に苦汁をなめさせられた選手たちで構成されている。ぬぐい去ることのできない敗北の記憶。「早慶戦に対する見方が変わった。インカレ、全日本選手権と同じつもりで漕ぐ」と森将史(人4)が語るように全体の意識は確実に変化した。
早大は今季から熊田時久新監督(昭48政経卒)を迎え、コーチ陣も一新。部の雰囲気も変わり、選手の自主性が求められるようになった。冬の練習では昨年のようなシングルスカル中心の個人トレーニングではなく、実戦を想定したスイープ中心のトレーニングを行い、練習量も倍増。「統一性を意識した」と熊田監督も言うように、クルーとしても例年よりおよそ5週間早くから徹底的に漕ぎこんだ。さらに早大代表としての自覚はまだない理由で1年生からはクルーに選出されていない。その照準は確実にこの伝統の一戦に絞られている。
だが、これまでの道のりは決して順風満帆なものではなかった。相次ぐ故障者、なかなか調子の上がらないクルー。限界のカベを超えることができず、自分たちの姿を模索する日々が続いた。それでも、主将・布施太一(教4)が「ワセダ魂、ボート部に流れる熱き思い」でここまでクルーを引っ張ってきた。「自分にはカリスマ性や特別な能力はない。部員みんなのパイプ役になれればいい」。そう語る布施の極端なまでに自らを追い込む姿にメンバーたちは鼓舞され、結束した。そして、「ようやく8人で漕いでいる感覚をつかんだ」(布施)。早大クルーは今まさにその殻を破ろうとしている。
確かに日本代表を擁する慶大は容易な相手ではない。だが、負けられない理由がある。3年生になって艇を降り、部に尽力する主務・吉澤耕太郎(人4)という存在だ。選手たちは口をそろえて「吉澤は10人目のクルー。あいつのためにも負けられない」と語った。
100周年という節目の年、選手、監督、コーチ、マネジャー、OBと、部はまさに一丸となっている。昨年の悪夢をいざ忘却のかなたへ。桜橋の下で、早大クルーがその拳を天高く突き上げる瞬間を見逃してはならない。
(小原秀樹)

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