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 ラグビー大学選手権決勝号外 



 早大王座奪還へ 荒ぶる

 2年ぶりに『荒ぶる』が国立の空にこだまする――。大学選手権決勝は、4年連続同じ組み合わせとなった。昨季準優勝に終わった早大は、王座奪還を果たすべく、一年間、常に関東学院大を、この一戦を見据えてきた。『ULTIMATE CRUSH(究極の破壊)』をテーマに掲げ、春からここまで無傷の21連勝。宿敵・関東学院大を打ち砕き、歴代最多記録に並ぶ12度目の優勝を決める。

 「ようやく舞台は整った」。決勝進出を果たし、清宮克幸監督(平2教卒)は感慨深げに言った。「今年のチームは、去年の決勝からすべてが始まった」。雪と涙で濡れた昨季の決勝戦。「みんなの心にも染み付いている」(諸岡省吾主将=法4)。

 舞い落ちる雪を背に、肩を震わせ、崩れ落ちる早大フィフティーン。「トライを取れる気がしなかった」(後藤翔太=教4)。一昨年13年ぶりに優勝を果たした早大は、関東学院大に7―33と完敗した。奪い取られた王者の称号。残ったのは、決して筆舌することのできない強烈な屈辱感だけだった。

 失ったものは、取り返すほかない。今季、チームが始動するにあたって、誓いは一つだった。

 『打倒関東、王座奪還』。

 春から快進撃は続いた。狂おしいほどの勝利への渇望。プライドをかなぐり捨て、挑戦者として目の前の戦いに集中することに徹した。『ULTIMATE CRUSH』。今季のスローガンのとおり、次々と相手を粉砕。春、夏の関東学院大とのオープン戦は連勝。オックスフォード大戦はノートライに押さえ込む快勝。対抗戦4連覇を決めた早明戦では、重戦車を完膚なきまでにたたいた。大学選手権に入っても勢いは止まらない。準決勝の同大戦まで全試合圧倒的な強さを誇示し、勝ち上がってきた。

 積み上げてきたのは、結果だけではない。

 「15人のゲームの理解度」。監督就任からのこれまでの3年間と違い、今季の強さを清宮監督は、そう強調する。個々の強さに加え、際立つ組織力。一戦ごとに『史上最強』FWの破壊力は増し、BKの展開力は高まった。何よりも成長したのは、試合の局面に応じて、アタックでもディフェンスでも15人が一体となって、最良のプレーをできるようになったことだ。だから、「(自分たちは)どういうスタイルでも前に出られる」。まさに無敵。決勝に向けても指揮官の自信は揺るぎない。「相手よりも勝る部分で攻めて勝つ」。結果でも、内容でも完勝する。部員130人全員の思いだ。

 2005年1月9日、大学選手権決勝、対関東学院大戦。すべてはこの一戦を制するためにあった。「荒ぶる」。決戦への意気込みを清宮監督は一言で表現した。それは日本一を達成したときにだけ歌われる部歌であり、早稲田ラグビーの真髄を指し示す。現状に満足することなく、常に挑み続けるその精神は脈々とアカクロに息づいている。「ひたむきにワセダらしく勝ちたい」(佐々木隆道=人3)。あの敗戦から358日。諸岡ワセダが、再び、王者に返り咲く。

(堤之 剛) 






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