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主役三人そろい踏み 再起

類を見ない失墜とともに、歩んできた。1年時、3位。2年時、15位。これは箱根駅伝80年の歴史上、最大の落ち幅だ。雪辱を誓った翌年、前回の箱根。三度目の挑戦にして初めて杉山、空山、篠浦の三本柱がそろい、それもスタートから連続してタスキをつないだ。だが、突きつけられたのはチーム史上ワーストタイの16位という、思わず目を覆う結果であった。そして迎える最後の箱根――。
今季、チームは出だしからつまずいていた。主役となるべき三人のうち、篠浦だけが走り続けていた。杉山は前回の箱根直前から続く原因不明の脚の脱力感、空山は4月末の疲労骨折が響き、結果を残せないでいた。箱根語、失意に暮れるチームに、あるOBからこんな話があった。「チームを決めるのは4年だ。4年次第でチームが変わる」。しかし、4年が満足に練習すらできない状態が続く。骨折の回復後も調子が上がらず、迷った空山はチームを離れた。ワセダ全体が緊張感を失っていた。
6月の全日本大学駅伝予選会での撃沈の後、渡辺康幸監督(平8人卒)からついに「箱根も落ちるぞ」というゲキが飛んだ。これが、逆襲の契機だった。浅野ペース走は全員が毎日一緒に行うようになった。「できる練習は一緒にやる」。かつては好き勝手に飛ばしていた「乱し屋」篠浦が、遅めのペースを念頭に置き、チームの一体化を図った。杉山はチームの先頭に立って話をし、練習でもくらいついていった。「一緒に練習するのも厳しかったはず。主将だから、走れないというオーラを出したらいけないと隠していた」(篠浦)姿はチームを鼓舞した。「予選会に間に合わせる」。空山も夏を越え、葛藤(かっとう)を越え、戻ってきた。そんな4年の姿がチームに闘志を呼び起こした。10月の箱根駅伝予選会。周囲も驚きのトップ通過を果たした。
今回、三人にはどうしても結果を残さなくてはならない理由がある。自分たちが味わった、早大史上最大級の挫折。悪い流れをチームには残せない。「三人の責任」(杉山)と、しかと自覚していればこその強い思い。最後の箱根を「今後のワセダのために」という思いで一致している。チームを引っ張り続けた篠浦は好調をキープし、悩みぬいた空山も復調。その空山が「奇跡」と語るほどの回復で、杉山も間に合わせてきた。渡辺監督も「ようやく三人そろえられる」とGOサインを出している。屈辱にまみれた前回の箱根からちょうど1年。ただのそろい踏みではない、最高の走りを。自分たちの集大成として、そして未来のワセダのために。「納得できる走りをしたい」(空山)、「後輩にもいい思いをさせたい」(杉山)、「完全燃焼したい」(篠浦)。三人それぞれの熱き思いがこもった、大学競技生活の最終章。名門復活への序章は、この三人が描き出す。
(佐藤峻一)

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