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史上初の4連覇へ 諸岡

第86代主将・諸岡省吾(法4)。自分ですら驚いた抜てきだった。だが、諸岡のチームづくりに間違いはなかった。一人ひとりの意識が高く、全員で話し合ってラグビーができるようになった早大は、春からここまで無敗。『史上最強』FWに、ついに『復活』した伝統のBK。日本一へ向け、役者がそろった。まずは対抗戦4年連続全勝優勝。ワセダとして、一人の選手として、早明戦での勝利を誓う。
まさに大抜てきであった。新主将は諸岡。公式戦全試合を終えた今年2月末、清宮克幸監督(平2教卒)から電話を受けた。「次の主将は、普段から黙々と練習をこなし、努力でレギュラーを勝ち取ったお前のようなタイプがいい」。
驚いた。まさか自分が主将になるとは思っていなかった。左プロップというポジション柄、試合中も全体を見渡すことが困難。だが、FWに桑江崇行(人4)、BKに後藤翔太(教4)の二人の副将がついた。昨季のメンバーも多く残り、頼れる仲間がいる。試合中も指示をするのは、何も主将だけではない。誰かが引っ張るのではなく、全員で話し合い、ラグビーができるチームにしよう。新しいワセダが歩み始めた。
諸岡 春に関東学院大に勝って、迷いがなくなった。ここまでのチーム作りに間違いはなかったと思えたここからどう肉付けをしていくかだった。
普段の練習中から気を配った。練習メニューをただ消化させず、意図を理解させる。レギュラーへの『競争心』を求める。一人ひとりの意識を高め、チーム全体の底上げにつなげた。「ラグビーだけじゃなく、私生活もみんなのお手本になっている」(佐々木隆道=人3)。練習以外でも、主将として仲間から信頼を得た。
夏にも関東学院大を、秋にはオックスフォード大を倒し、順風満帆の道を行く。それまでの主な勝因は『史上最強』FW。だが、どんなに強力でも、諸岡はFW一辺倒の攻め方を好まない。FW敵の守備網を崩す選択肢のひとつ。トライを決めるのはBKだ。だが、諸岡の思惑とは反対にBKの出来は悪く、FWが押し込む試合が続いた。
諸岡 ワセダはグラウンドを大きく使って楽しめるラグビー。清宮監督も「見ている人の人生観を変えるラグビーをしろ」と言う。自分も幼いころから早明戦を見てきた。そういう伝統は失いたくない。
そして対抗戦終盤、ついにBKが『復活』。早慶戦は、FWでもBKでも慶大を圧倒。『ULTIMATE CLUSH』体現へ、まさに「どこからでも点を取れるチーム」になった。
万全の状態で迎える早明戦。その舞台へのスタメンを、昨季は力ずくで奪った。今季は主将として臨む。ただ、その前に諸岡は、ある決意をした。ラグビーは大学卒業を期に、第一線から退くことにしたのだ。
諸岡 今年が本当に最後。何としても優勝したい。ワセダほど観客を集めるチームはほかにはない。ワセダでラグビーを終えるのは、幸せですね。
早明戦は日本一への通過点。だが、多くの人があこがれ、この舞台を目指す。諸岡もその一人だった。まずは対抗戦4年連続全勝優勝へ、勝利をささげる。ワセダのために、皆のために、自分自身のために。
(風間俊樹)

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