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田中秀密着取材(2)
独自のこだわりを持つ「個性派DL」
現段階での今季のベストゲームについて聞くと、田中は迷うことなく「専大戦ですね」と答えてくれた。近年、早大は専大と相性が悪く3戦3敗を喫していたが、今季は雨の中の試合を制し、見事9−0の完封でひさしぶりの専大戦勝利をつかんだ。「専大戦はしっかりとランプレーを止めることができて、ディフェンスで試合をコントロールすることができました」と田中は語り、さらに「集中力を最後まで切らさなかったのも良かったです」とその試合を振り返った。
そんな田中がアメフトを始めたのは高校に入学してから。入部当初からポジションはDLだった。今年で6年目。まさにDL一筋といったところだろう。DLというポジションの面白さについて聞いてみると田中は「自由度が高いところです」と笑みをこぼしながら即答してくれた。「同じラインでもOLとかは戦略がたくさんあって動きも戦術どおりに動かなくてはいけないのですが、DLにはその決まり事が少ないんです。だから1対1に対してもとことんこだわれる。だからDLは面白いですね」と話してくれた。田中の目標とする選手は日大三高の先輩であり、今年7月に行われたW杯の韓国代表にも選出された李宣炯選手(現富士通)。田中は「いつか必ず李さんを超えたい」と日々努力をしている。
また、田中はアメフトに関するあるモノへのこだわりがある。それは「プレースタイル」と「背番号」だ。一般的にDLの選手はQBサック(パスを投げようとしているQBにタックルを浴びせること)を取ることが1つのステイタスであり、選手にとって気持ちの良いプレーと言われている。しかし田中はそれ以上に強くこだわりを持つプレーがあるという。それは「ロスタックル」。ロスタックルとは、ボールの持ち主を攻撃開始地点よりも後方で止めるタックルするプレーのことで、田中はロスタックルで相手のランプレーを止められた瞬間がとても気持ちが良いという。さらには高校時代から監督に口酸っぱく言われ続けてきた「パシュート」(守備選手がボールの持ち主を追いかけること)もしっかりできると気分が良いと語る。そして「背番号」へのこだわりも田中は強い。高校時代から慣れ親しんできた背番号「74」。しかし大学入学当初は最もサイズの大きいユニフォームが77番であったため、田中は77番を着用せざるを得なかった。77番を付けることになったとき、田中は「僕の前に付けていた人があまりにも偉大すぎたので、そのプレッシャーに押しつぶされるんじゃないかと思っていた」とW杯日本代表であるOL村井雄太(平17人卒=現鹿島)と自分とを比較していた時期もあったそうだ。それから2年の月日が経ち、今季、チームが新しくユニフォームを作ったことで、念願の74番を背負うことになったのである。
「74」という数字には田中なりのかなり強いこだわりがあるらしい。その理由を聞いてみると、田中曰く「7番というのはラッキーな数字ですよね?それで4番というのはどちらかというと悪いイメージの数字ですよね?なんか2つ良い数字が並ぶよりも、良い数字と悪い数字が並んだほうが良いかな、って自分の中で思うんです」とどこか照れくさそうに答えてくれた。
QBサックよりもロスタックルやパシュートにDLの喜びを見出し、良い数字を並べるよりも、あえて良い数字と悪い数字を並べた番号を背負う。この個性派DLからは、まだまだ目が離せない。
(濱中征司)
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