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 陸上競技特集



 【特集】新春ヲ追憶ス〜箱根路の想い〜 5区 八木勇樹

 今回登場するのは山上りの5区を任された八木勇樹(スポ2)のインタビューをお送りする。東洋大・柏原についていったあの時何を思っていたのか。箱根の惨敗の原因はなんだったのか。箱根を期に「強くなりたい」と今後への思いなどについてもじっくり語っていただいた。
※この取材は1月16日に行ったものです


取材に応える八木
――5区はいつから決まっていた
 山登りを予定していた2人の選手がインフルエンザにかかってしまって。11月下旬から12月上旬にかけて競走部の中で蔓延していました。その中で十分集中練習をこなせていた自分が5区を走ることになりました。

――対策は
 ないですね。上りの練習をするわけでもなく、平地の練習をしていて、地力をつければ走れるという思いで渡辺(康幸=平8人卒)監督と相楽(豊=平15人卒)コーチと意見が一致していたのでみんなと同じ練習をしていました。

――5区の心構えはできていた
 そうですね。3週間前から決まっていて、上りの練習はしていないんですけど走る距離を増やしていったりして準備はしていました。

――もし5区じゃなかったらどこを走っていた
 何も言われてなかったのでそれはわからないですね。

――チーム状況はよくなかった
 最後までいい感じにはなってなかった。体力も落ちているので合流したらすぐ走れるってわけではないのでチームでみんなで練習できたっていうのは最後の集中練習だけでしたね。

――八木選手はことしの体調はよかった
 そうですね。調子はよかったです。

――当日の調子は
 練習自体は今までで1番できていて、チームでも1番出来てたんですけど、試合では見ての通り動いてなかったですね。

――原因は
 原因がわかれば走れているので…。わからないですね。

――柏原選手(東洋大)についていったことに後悔はない
 そうですね。つかれてからが勝負と監督さんからも言われていました。僕たちは往路に重点を置いてオーダーを組んでいたので、5区にタスキが渡った時は東洋大より前いると思ったので、上りで追いつかれるとかわからないんですけど、追いつかれてからが勝負だと思っていました。追いつくために柏原は力を使っているのでそこから僕も粘らなきゃいけない。勝負の世界なので2位3位を狙っているチームだったら自分のペースを守って走ってもよかったんですけど、優勝を狙っていたので、優勝するにはあそこでついていかなきゃいけないと思いました。東洋さんは復路にも強い選手がいますし、早大も復路に強い選手がいたんですけど差があって復路をスタートしてしまうと流れが良くないので、総合優勝するためには勝負できないとダメだったのかなと思うので、そういう意味でもついていったということ自体に後悔はないですけど、力がなかった、出し切れなかったってことについては後悔というか、もっとやれたんじゃないかなとか、試合への持っていき方で別の方法があったのではないかなとかは思いますね。

――平地でトレーニングしていたとおっしゃっていましたが実際走ってみて山上りは感覚が違いましたか
 もっと対策を練らないといけなかったなと思います。僕自身大丈夫という油断というか、甘えがあって、なんとかなるだろうといった考えがありました。実際はそんなに甘くなくて、上りもそうですし、最後の下りとか事前からじっくりじっくり準備をしていって対策を練らなければあの区間で勝負できないなと思いました。

――タスキが渡るまでの流れはよくなかった
 去年がよかっただけで、いい流れだったと思います。みんな言うんですけど、全員が全員120パーセント力を出せるとは限らないので、本当はこういうところでもって来てくれるだろうって想定してはいけないと思うんです。どこで来ても走れるようにしなければいけないと思います。なので往路に重点を置いている中で、矢澤(曜=教2)が作ってくれたいい流れでみんなで繋いで上位で来てくれたことはありがたかったです。

――どのようなことを考えて走っていた
 今回に限っては前に走っている選手をペースメーカーに使っていてはうまいこと休みながら走っていても勝負はできなかったので、初めの5キロの設定からしても柏原に追いつかれるタイムだったので、早いうちに追いつかれるより逃げようと思っていました。結果的に自分の設定したペースで走っていたら平地で2人抜いて、あの差だと攻めないといけなかったのであの走りになりました。まぁ攻めきれなかったので、攻めたとは言えないんですけど…。チームがこういう結果になったのは僕が原因だったのでこれからこう変えていかなきゃとかは思いますね。

八木 ――見つかった課題は
 いろいろありますね。毎回毎回見つかっていて、その課題がそのまま結果につながるかっていったら試行錯誤していかなければいけないんですけど、課題は見つかりました。

――その課題は技術的な部分
 すべてですね。精神的な部分も含めて。箱根駅伝という大きな大会を終えて、ここから春シーズンに向けて時間があるのでじっくり作っていきたいですね。

――次の試合は
 千葉クロカンです。

――以前の取材で辞めたいと思った時期があったとおっしゃっていましたがいまもそう思いますか
 辞めたいというか辞めれないですね。このままでは。前の取材の時は上尾ハーフマラソンで失敗して、走りたくないなとかなんで走っているのかなとか思っていました。そこから監督を信じてやっていくうちにすごく楽しくなって自分のためにというか周りに動機づけ走るのではなくて自分から走りたいなと思うようになって走れるようになったので、いまは強くなりたいと思いました。以前に比べて根本的に気持ちは変わりましたね。

――それは上尾から監督を信じていこうと思ったことがきっかけ
 去年は自分の考えと監督さんが言うことをやっていて自分で考えたやり方で強くなれると思っていたんですけど、この1カ月渡辺さんの言うことを信じてやってきて、監督のことを信じるということは当たり前のことなんですけど、大切なことだなと思いました。信じてやってみてからちゃんと走れるようになった、気づく部分も多かったですし、自分の甘いところもわかりました。監督が「おれを信じろ。おれがお前を信じるからお前がおれを信じればスーパースターにしてやる」と言ってくれて、それを聞いてそれに乗って箱根を走って失敗したんですけど、それによって渡辺さんのやり方が間違って思われるのがすごくいやです。渡辺さんのやり方は正しいと思いますし、世界に通用するやり方だと思います。これからも信じてやっていきたいと思いますし、早大でやっていく以上、渡辺さんを信じてやっていきたいと思います。起用してくれた監督の期待にこたえられなかった自分のせいであって、監督の采配ミスって思われることがすごく辛いです。この悔しさを力にして来年は渡辺さんを胴上げしたいですし、渡辺さんのやり方が正しいということを証明したいです。

――ここからプライベートの質問をさせていただきます。成人式には参加されましたか
 行きました。中学校の友だちとかにも会って、陸上のことがあんまり知らない友だちにも調子悪そうだったなとか言われて(笑)。でもみんな期待して見てくれているんだなと感じて、やっぱ友だちは大切だなと思いました。こういう応援してくれる友だちに強い姿を見せたいと思いました。

――両親からのねぎらいの言葉は
 家族全員応援に来てくれていて、山の途中にいてくれて、いろいろ言ってくれましたね(笑)。帰省はリフレッシュでした。終わってから体の調子が悪くて、終わってから2日間くらい呼吸ができなくて。5キロ地点くらいから呼吸できなくて、多分力みすぎて背中が張ってしまったのが原因かなと思うんですけど。呼吸できないまま最後まで行ってしまいました。なので、上りでペース上げようと思っても息ができなくて…。結局上りでダメだったんではなくて、最初からダメだったんですね。

――対策不足がたたった
 対策以前の問題で、試合で失敗する原因はここにあると思います。

――精神面から来るもの
 精神面ではないと思います。アップの段階からあれって動きが普段とほんとに違いました。スタートして1キロ地点くらいでやっぱりいつもと体の動きが違うってすぐわかりました。動かないのに無理やり動かしていましたね。張るところも試合じゃないと張らないところもあって…。で、その張りが残って、解散中はジョグをしたんですけど走れなくて、疲れが残っていたみたいで練習はあまりしないでリフレッシュしていました。高校の後輩とか友だちとかと会ってこっちに帰ってきました。

――高校訪問は刺激になった
 刺激になりましたね。高校駅伝で2位だったんですけど、強かったですね。監督が代わって、訪ねたときに昼食を一緒にとったんですけど、いまの考えが甘いなと思いましたし、あのときの気持ちを思い出すきっかけになりました。いまは心を入れ替えて、今回が本当に悔しかったので純粋に強くなりたいなと思っています。いま練習やりすぎて疲労がはんぱないんですけどね(笑)。

――最後に今後の意気込みをお願いします
 ただ強くなりたいです。まわりからみてどういうランナーになりたいのではなくて、自分自身強くなりたい。今はそれしか考えてないですね。そうなっていく中で信頼されるとかエースとかついてくるのだと思います。
(取材・編集 岡野宏美) 


◆八木勇樹(やぎ・ゆうき)
 1989年(平元)10月17日生まれのB型。177センチ、59キロ。徳島・西脇工出身。スポーツ科学部スポーツ医科学科2年。自己記録:五千メートル13分43秒49。一万メートル28分55秒24。







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