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wasedasports.com >  陸上競技 >  譲れぬ想い〜ALL FOR HAKONE〜


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 陸上競技特集 第4回 大迫傑



 【特集】譲れぬ想い〜ALL FOR HAKONE〜 第4回 大迫傑

 今季、夏季ユニバーシアードの1万メートルで優勝するなど、着実な成長が感じられる大迫傑(スポ2=長野・佐久長聖)。ここまでワセダは出雲、全日本で3位に沈んでいるだけに、箱根では大迫の『エース』としての活躍に期待が寄せられている。そんな大迫に、昨年からの変化と『エース』の自覚について伺った。  

※この取材は11月30日に行ったものです

トラックシーズンで得た「自信」


トラックシーズンで得た「自信」
――現在の調子はいかがですか
 いまは練習を積む時期なので、順調にやってこられていると思います。

――集中練習に入りましたが、2年目の集中練習の印象はいかがですか
 まだ始まったばかりなので何とも言えないんですけど、ことしは故障することなくやっていければいいなと思います。

――きょうはどのような練習を
 きょうは集団走で20キロ走りました。

――チームの雰囲気はいかがでしょうか
 故障者も少なくて徐々にまとまりつつある状態だと思います。

――今シーズンは1500、5000メートルで自己記録を更新し、夏季ユニバーシアードで金メダルを獲得されました。2011年のトラックシーズンを振り返っていかがですか
 昨年に比べると1500メートルとか自分のやりたい1500メートルなどスピード系の種目もしっかりできて、なおかつ最低限の結果というのをそれぞれの大会で残すことができたので、比較的良いシーズンだったんじゃないかと思います。

――ユニバーシアードの当日の調子はいかがでしたか
 そうですね。向こうに行ってからずっと調子が良くて、非常に良い状態で最後まで走ることができました。

――1番上の表彰台に上った時の思いは
 渡辺監督(康幸、平8人卒=千葉・市船橋)以来16年ぶりの優勝ということで、渡辺監督の次に獲れたというのが非常にうれしかったです。

――渡辺監督以来ということは意識していたのでしょうか
 特に意識はしていなかったんですけど、結果としてそういうかたちで優勝できたのはうれしかったですね。

――ユニバーシアードで優勝して、世界舞台への意識は変わりましたか
 僕が出たのは大学生の大会でそこまでレベルの高い大会ではなかったので、これからしっかりまた練習していきたいです。同じ時期に世界選手権が行われていて、そのレベルで戦わなければなと思いました。

――世界大会とはいえ、あくまでも世界最高峰の舞台で戦う前段階のレベルでの優勝という位置づけだったと
 そうですね。

――大学よりさらに高い、世界での自分の位置は見えましたか
 全くレベルの違う大会ですのでそういった部分はあまり具体的には見えなかったんですけど、これを機にまたレベルアップしてもっともっと上のレベルで戦っていきたいなと思えるようになりました。特に来年はロンドン五輪があって、日本人選手も力が拮抗(きっこう)していて非常に難しいとは思うんですけど自分にもチャンスはあると思うので、ますはその代表枠に入ることを目標にやっていこうと思います。

――昨年は世界ジュニア選手権の1万メートルで8位。トラックシーズンに悔いを残すかたちで駅伝シーズンに入りましたが、ことしはいかがでしょうか
 自信が昨年よりはあると思いますし、継続して練習ができているので無理して1回の練習でできなくても補っていくことができています。もちろん緊張感はありますけど、その中でこれだけの練習をすればきっちり走れるという自分としてのラインがあるので、それさえ守れば走れるかなと思っています。

――「自信」という言葉が出ましたが精神面での変化も大きいですか
 そうですね。嫌な焦りがないと思うので、あとはしっかり緊張感をキープして傲りのないようにやっていきたいなと思います。


箱根につながる出雲、全日本


――出雲は1区で日本人トップの3位でした。振り返っていかがですか
 直前に合宿があったりして疲労のある中での走りだったんですけど、そのわりには積極的に行けて、それなりの走りができたんじゃないかと思います。

――チームとしては関東学生対校選手権、日本学生対校選手権を制し『五冠』を狙っていた中で、両大会共に痛い3位となりましたが
 『五冠』できなかったという点に関しては非常に悔しい結果になりました。でも負けてしまったことは事実なんですけど、その時のチーム状況としては最低限のラインというか、その現状からのチームの力を出しきったということを考えると次につながる結果だったんじゃないかなと思います。

――全日本は2区で区間2位。いま振り返っていかがですか
 積極的に行けたのは良かったんですけど、後半にちょっと失速してしまったので、そのあたりは体調管理を含めまだまだ力不足だったかなと思います。

――1区の山本修平(スポ1=愛知・時習館)選手が遅れて12位で受けたタスキでした。序盤にあれだけ突っ込んだのは「自分が絶対に取り返さなくては」という思いだったのでしょうか
 まずトップに立てなくても良い位置で渡したいというのと、自分が前を追ってどこまでいけるかという楽しみの両方がありました。特に時計は着けていなかったのでタイムは気にしないで走っていたので、自分の感覚で走っていたら結果としてああいうタイムで入ったっていうことなので、タイム自体は特に速いとは感じていなかったです。でも終盤の失速がなければなとは思います。

――時計をされていない話が出ましたが、ことしは出雲、全日本ともに時計をされていないというのは何か意図があるのでしょうか
 出雲に関しては1区で特にタイムを気にする必要がないというのと、2区であってもある程度タイムにこだわらずに自分の殻を破ってやっていこうという気持ちがあるので、いらないかなと思います。

――では具体的に何キロを何分ペースでというプランを持って走っているわけではなく、その時々で走りを変えていっている
 そうですね。流れとか展開があるので。

――先日(11月23日)、国際千葉駅伝にも学生選抜で出場されましたが、どんな大会でしたか
 イベントのような感じで僕自身も楽しもうと思って走った大会だったので、前半から積極的にいっていけるところまでいったというのが良い経験になりましたし、大会自体を楽しむことができたので間に挟む大会としては良いリフレッシュというか新鮮な気持ちで走れたと思います。

――ワセダのチームを離れてのレースになりましたがいかがでしたか
 やはり新鮮な気持ちで走れましたし、そういった面での楽しさがありました。

――一緒にチームを学生代表で出場した駒大の窪田選手と仲が良さそうでしたが
 高校時代から仲が良くて、久しぶりに会って同じチームで走れるということで非常に楽しめました。

――ことしは下級生が入ってきましたが、アドバイスをするようなことはあるのでしょうか
 改まってそういうのはないんですけど、ジョグとかに一緒に行く機会があれば「最近調子はどうなの?」とか聞いたりするくらいで。僕から教えてあげるというのはないですね。

――アドバイスを求められることはないんですか
 ジョグに一緒に行くと結構聞かれること多いですけど、普段あまり競技の話はしないですね。

――ジョグは一人でされるタイプですか、それとも複数で行きますか
 僕は誰かと行くことが多いですね。だいたい朝は八木さん(勇樹、スポ4=兵庫・西脇工)と一緒に走ってます。午後は授業の関係でみんな終わるのがバラバラなので同じ時間に終わった人と行くことが多いですね。

――八木選手と一緒に行くのは、普段から特に仲が良いからですか、それとも競技面で一緒に走りやすいからですか
 特に意味はないんですけど、何故か朝は自然と二人でジョグすることが多いですね。

――同じ高校の先輩の佐々木寛文(スポ3=長野・佐久長聖)選手とも仲が良いと伺いました
 そうですね。佐々木先輩とも一緒にジョグしたりします。休みの日には食事に連れて行っていただいたりもしているので、良くしてもらってます。

――同期とも仲は良いですか
 志方(文典、スポ2=兵庫・西脇工)もそうですけど、主力的なメンバー以外でも結構仲良くしています。

――志方選手の名前が出ましたが、志方選手の存在はやはり特別ですか
 志方とは授業も一緒に取っていたりして、ジョグはあんまり一緒にしないですけど、一緒にいることは多いです。

――昨年はお互いのことを意識し刺激し合っている関係という印象でしたが、いまでもそれは変わりませんか
 そうですね。志方はいまちょっと調子が良くないんですけど、そういうときは僕の方から何かできることがあればしようと思っています。志方が上がってこないと、ここから先練習パートナーとか一緒に引っ張っていくという意味でも寂しいですし、志方がいてくれた方が僕としてはありがたいですね。


「気持ちのこもった走りを見てほしい」


前を追う大迫
――1年生の頃の自分と、2年目のいまの自分を比べた時に変わったなと感じる部分はありますか
 体的な部分では体ができてきたなというのはありますけど、あとは良い意味でも悪い意味でも去年に比べて自分の意見を出せるようになって、自分主体でいろいろなことを考えられるようになりました。自分の練習に関しても自分主体で考えられるようになったかなと思います。

――見た目も昨年に比べてりりしくなった印象ですが
 ちょっと痩せたかもしれないですね。体重はそこまで大きな変動はないんですけど、少し減ったかもしれないです。

――ご自身で意識的に変わっていこうと思ったのか、それとも2年目に入り必然的に変わってきたのかというとどちらでしょうか
 この時期は一年間で大きく体が変わる時期だと思うので、特に何かをするわけではなくて、体が変わるのに合わせて動いていって大会シーズンを経る中で絞れていった感じです。

――ユニバーシアード直前の取材で「去年の反省を生かして」という話もありました
 ことしはレースが多くて、間で抜くと本当に練習する期間がないので、間でもそんなに落とさずにやっていこうと思ってやっていました。それが一ついい流れで来ている要因じゃないかと思います。

――ことしは『エース』と言われることがあると思いますが、ご自身で意識はしていますか
 特にそういうのはあまり考えていないんですけど、本当のエースにはまだまだ力が足りないでしょうし、もっと頑張らなきゃいけないと思います。ただ、自分はチームの中では結果でチームを引っ張っていかないといけない役割だと思うので、エースではないんですけどそれに近い役割は今回の箱根で果たしていきたいと思います。

――客観的に見て『エース』と言われる人間のあるべき姿とは
 力の部分で周りから信頼されるというのはもちろんなんですけど、普段からいるだけで周りを締められるというか、存在自体で周りを引っ張っていけるような人が、エースとしてふさわしいんじゃないかと思います。

――今後、そういった姿を確立していきたいという思いはありますか
 そうですね。やはりここワセダにいる以上は、どの大学よりもこのワセダのエースというのは求められるものが一番レベルが高いものだと思うので、それを目指して残りの2年間はやっていきたいなと思います。

――以前、竹澤健介(平21スポ卒=現エスビー食品)選手という絶対的エースがいる中でも総合優勝を果たせない年があり、逆に前回はエース不在という中で総合力で総合優勝をつかみ取りました。ご自身がエースとして注目されている中で、この過去2大会の結果をどのように捉えますか
 まず僕は自分の走りをしてチームの力になりたいです。その自分の走りと、全員の総合力が合わさることが理想なので、そうなれるように頑張りたいです。

――箱根で走りたい区間はありますか
 特にないので、渡辺監督に任せられた区間を一生懸命走るだけかなと思います。

――前回1区でスターターを務めて、逆に「あとから追う位置にも興味がある」とおっしゃっている中で、ことしの全日本は実際に追うという位置で走りました。両方の位置を経験されて、自分はどちらが向いていると感じましたか
 そうですね…。どっちでもいけるなとは感じました。特にどちらかに苦手意識があるとかはないです。どの区間でも自分の走りをするだけだと思うので。

――ことしワセダは東洋大と駒大と並んで『三強』と評されて注目を集めていますが、東洋大と駒大の存在は気になりますか
 その二校は僕らよりもちょっと力が抜け出ているので、意識するというよりは目標にしなきゃいけない存在ですね。

――東洋大と駒大の二校に勝つには、いまのワセダには何が必要でしょうか
 難しいことだとは思うんですけど、全員がしっかりタスキに携われることが一番の勝つための条件かなと思います。

――駅伝のレースの中にはさまざまな要素があると思いますが、タイム、順位、駅伝の流れのどれを最重視しますか
 順位が良ければ流れもよくなると思うので、どの順位で持って来るかが大事じゃないかなと思います。

――初めて箱根を経験されてから1年が経ち、箱根の捉え方は変わりましたか
 特に僕の中での位置づけとしては変わらないんですけど、チームとしては最大の目標なのでそれに対して僕ができる限り一丸となって協力していくことを意識してやっていきたいなと思います。

――最後に、箱根で「大迫傑のここを見てほしい」というポイントを教えてください
 何区を走るかは分からないんですけど、積極的な走り、気持ちのこもった走りというのをやっていこうと思っているので、その点を見ていただければいいかなと思います。

――ありがとうございました!



(取材・編集 片貝早輝子) 


エースの走りに期待です
◆大迫傑(おおさこ・すぐる)
 1991年(平3)5月23日生まれのA型。170センチ、53キロ。長野・佐久長聖高出身。スポーツ科学部2年。自己記録:5000メートル13分31秒17、1万メートル28分35秒75、ハーフマラソン1時間1分47秒。2011年箱根駅伝1区1時間02分22秒(区間賞)









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