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 箱根駅伝直前展望 1月2・3日 東京・大手町〜神奈川・箱根町



 篠浦2区!空山1区、杉山は6区!!再起目指す

区間名前学部・学年出身校
1区空山隆児人4世羅
2区篠浦辰徳人4松山北
3区石橋洋三スポ1福岡大大濠
4区八木大三理工院2一宮
5区駒野亮太教1早実
6区杉山一介人4藤枝明誠
7区原 英嗣人3加古川東
8区小島将平スポ1清教学園
9区河野隼人スポ2中京大中京
10区高岡 弘人3川越
補欠岡部祐介人4日立一
 〃坂口 享政経3早大本庄
 〃宇佐美淳 人3早実
 〃藤森憲秀 スポ2佐久長聖
※各区間にエントリーされた選手は大会当日に補欠選手との入れ替えが可能


 1月2・3日に行われる箱根駅伝の区間エントリーが発表され、エース区間、華の2区には篠浦辰徳(人4)が指名された。空山隆児(人4)が1区、杉山一介(人4)が6区と、三羽ガラスの揃い踏みが実現する。前回の16位、前々回の15位と苦渋を舐め続けている早大。一気の巻き返しを図る。

 前回の往路重視の区間配置から一転、今回は往路・復路ともに実力者を並べた渾身のオーダーとなった。

 1区を任されたのは1年時の箱根で7区区間賞を獲得し、一万メートルのチームトップ、28分42秒81の記録を持つ空山。これは今回の箱根駅伝出場全選手の中でも7位にあたるタイムで、大学屈指のスピードランナーが1区を駆ける。前回の2区区間19位を象徴として、1年時の箱根駅伝以降駅伝では主だった結果を残していないだけに、今回は真価を発揮する大学競技生活最終最大の大舞台となる。安定した成績こそ出せていないが、爆発力こそがこの男の持ち味。乗ったときの走りには定評がある。今までの苦しみを吹き飛ばす、汚名返上の走りができるか。1区での走りは3年時の全日本大学駅伝以来で、その際は11位に沈んでいるが、上野(中大)、鷲見(日体大)、土橋(日大)らに刺激を受け、その潜在能力を爆発させてほしいところだ。

 2区には満を持して篠浦が登場。一年を通じてチームを引っ張ってきた努力の男が、ついに各校のエースが集う「華の2区」に挑む。今季は箱根駅伝予選会の日本人3位を中心に春先から孤軍奮闘。12月の記録会では待望の一万メートル28分台ランナーの仲間入りを果たした。非常に安定感があり、大崩れしないのが強みで、スピード、スタミナともにチームトップに成長した。3年時の箱根予選会での88位という惨敗からアップダウンに弱いという印象を持たれがちだが、一年半の時を経てしっかりと対策は練ってきた。三千メートル障害の昨季インカレチャンピオンということもあり、脚は強い。今季もパワーアップに成功し、見違えるように脚が太くなったのが何よりの成長の証しだ。前回は3区を走り、息を枯れがれにしながら中継所に入ってくる走者を目の当たりにしているだけに2区への意識も高い。伊達(東海大)、松岡(順大)、岩井(日大)、モカンバ(山梨学院大)など強力なライバルを前にどんな走りを見せるか。空山からタスキを受け、チームの流れをつくる働きが求められる。

 3区には1年の石橋洋三(スポ1)が抜擢された。1年生ながらロードの強さには定評があり、箱根予選会ではチーム内4位、総合でも24位に入る健闘を見せた。入学当初は練習環境に戸惑い結果も残せなかったが、夏を越えて急成長し、スポーツ推薦組としての意地を見せている。早大が125周年を迎える2007年の箱根優勝に向けて、1年をリードしているのがこの石橋。初の箱根路でどんなデビューを飾るか。2区の篠浦が安定しているだけに上位でタスキをもらうことはほぼ確実。3年前に森村哲(平15人卒)が見せたような、チームをさらに押し上げる走りを狙う。

 4区は八木大三(理工院2)がエントリーされたが、藤森憲秀(スポ2)の当日変更が濃厚だ。箱根予選会こそオーバーワークから205位とまさかの惨敗に終わった藤森だが、11月21日の上尾ハーフではチーム内2位に入る好走。12月4日の学連記録会でも一万メートルの自己ベストを更新し、不安を一掃した。昨年の箱根では一人旅を強いられ4区区間18位と悪夢の結果に終わったが、今回は違う。昨季の全日本駅伝で3区区間4位に入るなどロードを得意とするだけに、今回がリベンジの箱根となる。また、この区間では2年続けて箱根路を走っている岡部祐介(人4)の起用も考えられる。岡部は前々回は8区、前回は10区を走りそれぞれ区間19位、15位と結果は残せていないが、12月の学連記録会では29分50秒30と一万メートルの自己ベストを更新。2月の青梅マラソンでも30キロで空山に近いタイムを出すなど長距離を苦にしない選手だ。今季は故障もなく練習を積んできており、確実な走りが期待できる。

 山登りの5区を走るのは駒野亮太(スポ1)。早稲田実業高時代から渡辺康幸監督(平8人卒)の指導を受けてきた秘蔵っ子で、高校時代から山登りを走るランナーとして期待を受けてきた。大学入学後は思うように長い距離に適応できていないが、篠浦が「走りが別人になる」と話すなど、山登りの適正は絶大なものがある。駒野自身も「山しか頭にありません」と自信を抱いており、五十嵐毅(平16人卒)の持つ早大記録更新をも視野に入れる。越川(東海大)、北村(日体大)、村上(駒大)、森本(山梨学院大)など各校がエース級の選手を据えてくるが、それに引けをとらない走りで往路の締めを飾る。

 6区は主将・杉山。前回の箱根直前から襲った原因不明の脚の脱力感から今季はそのほとんどを棒に降り、出場レースも夏まではわずか1試合、夏以降も箱根予選会でメンバー落ちするなど箱根本番の欠場も懸念された。だが、レースには出られなかった期間も距離は走っており、スタミナ面での不安はない。今回エントリーされた山下り・6区は渡辺監督の発案から生まれたもので、11月の試走では前回区間8位に入った高岡弘(人3)の1時間55秒(=早大記録)に迫るタイムを出し、ラストの箱根に間に合わせてきた。3年時に箱根で行われた箱根予選会で日本人2位、総合3位に入るなどアップダウンに強く6区はまさにうってつけの区間。復路での早大の走りを勢いづけるためにも頼もしい主将の復帰となる。過去3回の箱根では苦い思い出だけを味わってきているだけに執念の走りが見られるか。山下りの控えとしては坂口享(政経3)がエントリーされた。期待された本多浩隆(スポ1)、昨年エントリーされた宮城普邦(一文2)を押しのけてのメンバー入りとあって、万全のサポート体勢だ。

 7区にエントリーされたのは前回も7区を走った原英嗣(人3)。今季は出だしこそ故障でつまずいたものの、夏場を超えて安定感が出てきた。箱根予選会でチーム内2位、総合でも17位に入る好走を見せると上尾ハーフでもチーム内3位と得意のロードで本領を発揮している。自分の長所を「一人でも走れる」と分析するなど冷静に前を追えるランナーだ。昨年の区間11位から一躍上位に食い込めるか。大学入学後駅伝ではいい結果を残せていないだけに、今回の箱根で最終学年となる来季への足がかりをつくっていきたいところだ。

 8区にエントリーされたのは小島将平(スポ1)。石橋、駒野とともに1年にしてメンバー入りを果たした。三千メートル障害を専門としておりスタミナ不足が懸念されたが、夏合宿をしっかりとこなし、箱根予選会ではチーム内8位。長い距離への適応もできてきていることを証明した。センター試験を受けて早大に入学した苦労人。憧れのエンジのユニフォームに輝きを与えられるか。この区間では当日変更で前述の岡部とともに宇佐美淳(人3)の起用も考えられる。シーズン序盤から秋口にかけて調子が上がらず苦しんだ宇佐美も11月に入り調子をぐんぐんと上げ、監督の評価も大きく上がってきた。上尾ハーフ、学連記録会ともに自己ベストを更新しており、面白い存在だ。独特のピッチ走法で箱根路に殴りこみをかける。

 9区に指名されたのは河野隼人(スポ2)。入学直後から渡辺監督をして「ロードに強い」と言わしめた才能溢れる2年生が、復路のエース区間とも言われる9区に挑む。前回の箱根では期待されながら直前になって調子を落とし、メンバー落ちを味わっただけに今回は雪辱を期する箱根となる。箱根予選会前までは故障からメンバー落ちも考えられたがチーム内5位にった。その後も調子を上げており、一躍その名を全国に知らしめるチャンスだ。

 10区に入ったのは高岡。往路のメンバー入りが予想されたがチームトップクラスの安定感を買われ、全区間中3番目に長い最終区に起用された。今季は故障もなく順調に練習を重ね、全日本予選会では1組目組内7位、箱根予選会ではチーム内3位、学連記録会でもチーム内2位となる一万メートル29分35秒01の自己ベストをたたき出した。箱根への意識も高く、粘り強さでチームを引っ張る。来季は主将に就任することが決まっており、まさに来季へつながる走りをアンカーとして務めることとなった。

 渡辺監督就任後初となる箱根駅伝はどんな展開になるか。台風の目になると言われながらも往路15位、総合でもチームワーストタイの16位に沈んだ悪夢の舞台から一年が経った。予選会のトップ通過で周囲の期待は高まるばかりだが、箱根は217.9キロにも及ぶ長丁場、何が起こるか分からない。そんな箱根路を引っ張るのはやはり4年だ。悪夢を見続けた過去2回の箱根。1、2区で空山篠浦が往路のスタートダッシュを成功させ、6区で杉山が復路にも勢いをつなげられるか。シード権争いを超えた復活は、苦しみを知りぬいたこの三人にかかっている。

 苦しみから栄光へ――。エンジの輝きを取り戻す。

(佐藤峻一) 

※詳しくはスタート・ゴール、各中継所で1月2日に配布致します、『早稲田スポーツ 箱根駅伝号』をご覧下さい。





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