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 箱根駅伝予選会 直前展望  (10月16日 鳥立川市昭和の森記念公園)

 宮城普邦(一文2)は今年の箱根に引き続きエントリー入り。出場はならなかったが、高岡と最後まで6区を争った「ワセダの秘密兵器」だ。トラックシーズンの故障も癒え、夏場の練習で着々と力をつけてきた。今大会は細かいアップダウンのあるコースなだけに、下りの得意な宮城の起用も十分に考えうる。

 新戦力・1年からは3人がエントリー。中でも小島将平(スポ1)は部内随一の伸び頭だ。関東インカレ3000?障害に続き全日本大学駅伝予選会にも出場。春先のスピード中心の練習から一転、夏場はしっかりと距離を踏んだ。そして迎えた9月25日の日体大記録会10000?では中盤以降驚異的な粘りを見せ、30分17秒24の自己新記録で組内9位に入る大健闘。初めての夏合宿を経て疲れの残る中での好レースは、今後に期待を抱かせる大収穫だった。もともと3000?障害で培ったスピードがあるだけに、夏を越えて距離への不安がなくなったのは大きい。予選会ではチームを引っ張る走りも期待される。

 駒野亮太(教1)は早実出身の生え抜きランナー。堅実なレース運びが評価されメンバー入りした。昨年の高校駅伝東京都予選1区区間賞という実力の持ち主で、小島と同じく3000m障害を専門とするだけに足の力も強く、ロード向きと言える。9月25日の日体大記録会では精彩を欠いたレースとなったが、持ち味をしっかりと生かせれば部内でも中軸となれる力は持っている。渡辺監督が高校時代から見ている秘蔵っ子でもあり出場のチャンスは大きい。箱根駅伝本番では5区での起用が予想されるだけに、ラストの登りがある今回のコースは打ってつけ。本領発揮なるか。

 石橋洋三(スポ1)はスカウト入試で入学した期待のランナー。小島・駒野とともに全日本大学駅伝予選会を走るなど経験を積んできた。9月25日の日体大記録会10000?でも後半に粘りを見せ、同組で走った岡部に競り勝つなど順調に成長してきている。夏合宿でしっかり走りこめたことで調子も上向き。春先こそ新しい環境に苦しんだが、好調の小島に刺戟を受けながら成長してきているだけに、早大の起爆剤となる走りが見られるか。

 院生2年目となった八木大三(院2)も昨年に引き続きエントリー。昨年は当日朝に出場が決まり、念願の大舞台挑戦となったものの、無念のチーム内最下位。冬の故障を越えて今夏は距離を踏み、自信を深めてきた。昨年の経験を活かす走りができれば面白い存在になりそうだ。

 今春のアシスタントコーチ就任から一転、エントリーとなったのは河津直行(一文5)だ。もともとコーチとして選手と一緒になって走ってきたのが幸いし、夏前に本格的な練習を再開。一躍エントリーにこぎつけた。努力が開花し、初めてその実力の片鱗を見せたのが昨年のこの大会。チーム内7位に入る健闘を見せ、今年の箱根では準エース区間の9区を任された。10000mではチーム内4位の記録を持つだけに、どれだけ昨年の勢いを取り戻して臨めるかがカギとなる。


 この14人のエントリーの中で当日実際に走るのは12人。杉山や空山、河野など故障明けとなる選手の回復具合もあり、当日朝まで渡辺監督は頭を悩ませることになりそうだ。

 なかなか思うように結果が出ない早大長距離陣に対し、周囲からは不安の声も聞こえるが、夏を越えてチーム状況はかなり上向いている。チームを引っ張る篠浦も「絶対に(予選会7位以下に与えられる)関カレタイムのお世話になってたまるか、という思いです」と力強い。何よりもこのチームに足りないのは自信だ。杉山主将が言うように「本番に結果が出ないというのを払拭する」走りができれば、そこから一気に波に乗れる可能性は大いにある。苦い経験はもう十分積み重ねてきた。夏場にはチーム全体で高めあう練習が積めている。あとは選手一人ひとりが結果を残すだけだ。予選会独特の雰囲気に飲まれ、実力を発揮できない選手も出てくるだろうが、そこでどれだけ周りがカバーできるか、勝負はそこにかかっている。

 ライバルと目されるのは大東文化大や山梨学院大、中央学院ら。昨年の同大会7位という凋落を乗り越え、念願の1位突破はなるか。3年前、予選会を1位で突破したワセダはその翌年の箱根で3位へと大躍進を遂げている。今までにないチームワークの良さを手に入れたエンジの軍団は、どこまでその本領を発揮できるのか。10月16日、ワセダの前に開けるもの、それは箱根への道筋だ。

(佐藤峻一) 


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