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全日本学生運転競技選手権
11月27日 大阪・近鉄自動車学校
歓喜の瞬間訪れず・・・団体戦4位で引退へ
主将・エースとしてチームを引っ張った上山、最後の走り
今シーズン最後の公式戦、そして4年生にとっては学生生活最後の大会となる全日本学生運転競技選手権(全日フィギュア)が大阪・近鉄自動車学校にて開催された。全関フィギュアとは異なり、今大会は順位によるポイント制が採用され(部門1位の選手に100ポイント、2位・85ポイント、3位・75ポイント以下20位・10ポイントまで)、小型乗用の部A・B、小型貨物の部A・Bの4部門それぞれの出場選手の獲得ポイントを合計し、最も多くのポイントを稼いだチームが団体戦優勝というルールの下で競技が行われた。
ペナルティーに泣いた全関フィギュアでの雪辱を晴らすべく、そして何よりも最高の結果で4年生の引退を飾るべく、この日まで練習を重ね、並々ならぬ決意を持って今大会に臨んだワセダは、小型乗用の部Aに上山晃平主将(創理4=埼玉・早大本庄)、Bに井田翔太(政経2=埼玉・開智)、小型貨物の部Aに金子楓(教4=神奈川・聖光学院)、Bに高野健志郎(人3=東京・国際)と現時点で考えられるベストメンバーを揃え、優勝に向けて邁進するはずだった。しかし、待っていたのはワセダ以上にレベルアップしていた他大学の壁であった。
今大会で引退となった4年生6人。
(左から)辻村、早川、上山、入江、柴田、金子
まず初めに登場したのは、小型貨物の部Bの高野。総減点をタイムオーバーによる20点のみで切り抜け、部門5位(60ポイント)と最低限の結果を残し後続の選手につなぐ。続いて、小型乗用の部Bに井田が登場。「いい走りをしてくれた」と指導役を務めてきた上山が称賛するパフォーマンスで、総減点21点の部門4位(65ポイント)の健闘を見せる。下級生が各々の役割を果たしたことで、勝負の行方は4年生エース2人に託される。小型貨物の部Aの金子は、「前の走者に流されて、直前で走り方を変えてしまった」と自分の弱さを悔やんだものの、減点なしの圧巻の走りで部門2位(85ポイント)につけ、優勝への望みをつなぐ。この時点で上位陣による優勝争いは史上稀にみる大混戦に。そしてワセダの命運は小型乗用の部Aの上山に委ねられた。誰もが固唾を飲んで見守る中、「プレッシャーもあったが、それ以上に責任感が原動力になった」と語る上山は、しっかりと自分の走りを披露。総減点もタイムオーバーによる14点のみと、優勝を手繰り寄せたかに思われたが、他大学がそれ以上の成績を残したため部門4位(65ポイント)となり、ワセダの最終的な団体戦順位も4位(計275ポイント)に留まることとなった。
最後の大会となる全日フィギュアでの優勝を逃し、シーズン無冠が決定したワセダ。これは、「勝って当たり前」(上山主将)とされるチームにとって受け入れがたいことではある。しかし、部員たちの表情には、悔しさとともに充実感がうかがえたのも事実である。選手全員が、長らく課題とされてきた接輪や脱輪によるペナルティーをひとつもすることなく戦えたという収穫もあった。4年生は今大会をもって引退となるが、彼らが果たせなかった「名門復活」という使命は後輩たちが引き継いでいってくれることだろう。早稲田大学自動車部の更なる成長に期待したい。
(記事、カメラ 川上大志)
◆結果 ※結果は早大関係者のみ
▽団体戦小型乗用の部A
4位 上山晃平主将(創理4=埼玉・早大本庄)総減点14(65ポイント)
▽団体戦小型乗用の部B
4位 井田翔太(政経2=埼玉・開智)総減点21(65ポイント)
▽団体戦小型貨物の部A
2位 金子楓(教4=神奈川・聖光学院)総減点0(85ポイント)
▽団体戦小型貨物の部B
5位 高野健志郎(人3=東京・国際)総減点20(60ポイント)
▽団体戦総合
(6位までが入賞)
1位 日大 320点(100+100+65+55)
2位 慶大 295点(75+75+60+85)
3位 明大 280点(45+50+85+100)
4位 早大 275点
(65+65+85+60)
5位 青学大 265点(85+55+50+75)
6位 中大 255点(60+60+100+35)
※団体戦総合は小型乗用の部A・B、小型貨物の部A・Bに出場した各選手、計4選手の獲得ポイントの合計によって争われる。カッコ内は左から小型乗用の部A、B、小型貨物の部A、Bのポイント
◆コメント
岡島昭英監督(昭61理工卒=東京・早大学院)
――今大会を振り返って
4位という順位そのものは当然満足のいくものではないのですが、内容的には各大学が正面からぶつかって互角に戦っていたし、うちもその中で全員がペナルティーなしという走りが出来たことはひとつの成果だと思っています。4人全員がペナルティーなしというのは私が監督を始めて、いつ以来だろうというくらいにあまりないことですし。ここ最近の大会ではペナルティーによって自滅するパターンが多かったのですが、今回ひとつのペナルティーをすることなく走り切れたということは今後にもつながるはずです。
――今シーズン無冠という成績について監督としてはいかがですか
悔しいとしか言いようがないですね。全く勝てなかったというのも結果としては久しぶりのことですね。勝負の常で勝つこともあれば負けることもあるので悔しいけれどやむを得ない、やむを得ないけれど悔しい、そんな気持ちです。
――今までチームを引っ張ってきた4年生は今大会で引退となります
上山以下今の4年生はまとまりも良くて、チームを引っ張るということに関しても力を発揮してくれたと思います。良くも悪くも卒業ですから、後輩への引き継ぎを上手く行って、今の3年生が力を発揮していけるようにサポートして欲しいですね。そして私は監督として、次の世代の技術面向上に力を注いでいこうと思っています。4年生は本当によく頑張ってくれました。
団体戦乗用の部A・上山晃平主将(創理4=埼玉・早大本庄)
――今大会を振り返って
今大会は自分達にとって、全関フィギュアのときに僅差で敗れた慶大に対して、雪辱を晴らすためのものでもありました。全関と全日で採点方式が異なっていたので、今大会には走り方を切り替えて臨みました。全関はタイムが出れば上位に行けるのですが、全日はタイムが出てもペナルティーをひとつしてしまえばそれだけで順位が下がってしまうので、ペナルティーを絶対にしないような走りを心がけてチームとしても練習を重ねてきました。実際に、4人全員がペナルティーなしで帰ってくることが出来たことには満足しています。ただそれでも4位だったということで、他大に対する技術面での未熟さを痛感させられました。
――ご自身の走行について
本番で出たタイムは、練習時のタイムと比べても一番いいものだったので、走り終わった後は満足感がありました。ただ、その後に走った他大のドライバーの素晴らしい走りを見て、「自分は4年間を通してまだまだ技術を磨ききれなかったんだ」と思いました。
――上山主将の結果によって優勝が決まるという状況でしたが、プレッシャーはありましたか
やはりありましたね。ただ、自分の走りによって、祝勝会が出来るかどうか等の部員の今後も左右されるし、早スポさんや競技スポーツセンターさんに伝える結果も変わってくる、ということに対する責任をより強く感じました。それがいいタイムが出せた原動力になったのだとも思います。
――結局、今シーズンは一度も表彰台の中央に立つことが出来ませんでした
本当に悔しいですね。主将としてもそうですし、監督を胴上げ出来なかったことも悔しいです。無冠でシーズンを終えるということは自分が自動車部に入ってから一度もなかったし、ワセダは勝って当たり前のチームだったので、やはり悔しいですね。
――今大会は4年生にとっての引退試合でもありました
率直な気持ちを言えば、ひとつ肩の荷が下りたかなというところです。それはキャプテンとしてもそうですし、全ての大会において結果を出すことが求められるエースとしてもそうですね。ただ悔しい気持ちもやはりありますね。「もう少し練習していればタイムも伸びたのかな」とか・・・。でも今更悔やんでも仕方がないですし、自動車部を通じて学んだことは社会人になってからも活かしていきたいし、後輩たちには4年間の経験から「もっとこうしたほうがいいよ」というように教えられることがあればどんどん教えてあげたいですね。
――後輩たちに期待することは
今回乗用Bで出場した井田(翔太)がいい走りをしてくれたことが僕としては嬉しかったですね。ずっと教え込んできた成果も少しずつ現れてきて、成長してくれているので、来年の乗用はあいつが引っ張ってくれるだろうと期待しています。今年のチームは4年生中心で運営してしまったところがあって、来年、後輩たちは「どうしよう」という場面が多々あると思うんですよね。でもそこでチームとして協力できれば強いチームになれると思うので、初めはつらいかもしれないけれど踏ん張っていいチームになってほしいなと思います。
団体戦貨物の部A・金子楓(教4=神奈川・聖光学院)
――今大会を振り返って
4年間やってきて一番最後の大会で、正直途中の段階で2位くらいには入れるのかなという状況の中で、最終的に4位というのは本当に悔しい結果です。個人的には(部門2位に入る走りで)最低限の仕事は出来たかなというところです。ただ、(同じ貨物の部の)高野(健志郎)を勝たせてやりたかったし、そこは自分の指導力不足でした。結果を見てみると、1位から4位、特に2位から4位はそれほど離れていないわけで、やはりちょっとしたミスであったり、選手層の厚さであったりが勝敗を分けてしまったのだと思います。後輩たちの中には有望なやつらがたくさんいますし、これから次の代に変わっていくにあたって新しい力が出てくることを期待しています。
――ご自身の走行について
正直、技術的な面に関しては1位を獲れたなというところです。今大会の自分の目標はペナルティーをしないということだったので、その点ではやり切れたと思います。ただ、2つ前の走者が新しい走り方をしていて、自分もそれに惑わされて当初考えていたものを変えてその走り方をしてみたのですが結果として上手くいきませんでした。流されやすいという自分の弱さが出てしまいました。それでも、個人的には今までの4年間の中で、2、3番目くらいに納得できる走りでした。
――結局、今シーズンは一度も表彰台の中央に立つことが出来ませんでした
悔しい思いが一番ですね。あとは(優勝することによって)嬉しい思いを後輩にさせてあげられなかったことが残念です。後輩たちに支えられて4年間やってきたし、彼らがいなかったら成り立たないし、その恩返しがしたかったんですけどね・・・。ただ、後輩たちも悔しさを持ってくれていると思うし、来年は結果を出してくれることを期待しています。自分もOBとして、恩返しの気持ちも込めて、勝てるチーム作りに少しでも貢献できたらと思っています。
団体戦乗用の部B・井田翔太(政経2=埼玉・開智)
――今大会を振り返って
今までの大会は、ペナルティーもあって思うような走りが出来なかったのですが、今大会に関してはペナルティーもなく走り切ることが出来て、今年最後を締めくくれて良かったなと思います。順位的にはもちろん悔しいですが、今後につながる大会だったと思います。
――ご自身の走行について
かなり緊張していて、修正も多くなってしまって、やはり慣れが必要だと思いました。タイムが少し遅くてタイムオーバーのペナルティーをもらってしまったのですが、他のペナルティーをしてしまうよりは良かったので、その点に関しては良く出来たと思います。
――結局、今シーズンは一度も表彰台の中央に立つことが出来ませんでした
本当に悔しいです。今大会も目前までいって優勝を逃してしまったので悔しいですね。
――今大会で4年生は引退となります。4年生から学んだことは
やはり「気持ち」の部分ですかね。気合い、意気込みが全然違います。僕達の代もまだまだなので、しっかり見習って、4年生のように活気ある集団にしたいですね。
――引退する4年生へ
来年は絶対優勝するので、見ていてください!是非大会にも足を運んでください!
団体戦貨物の部B・高野健志郎(人3=東京・国際)
――今大会を振り返って
ワセダは誰も接触等のペナルティーをしなかったのですが、他大もペナルティーへの意識は例年以上に高くなっていて、タイムもしっかり出さなければ勝てない戦いになっていました。そういった状況の中で、ワセダはタイムオーバーに対するペナルティーをたくさん受けてしまい順位が下がってしまったので、他大のレベルも上がっているということを肝に銘じて、ペナルティーをしないことももちろんですがタイムもしっかり出すということも意識しながら練習していくことが大切だと思いました。
――結局、今シーズンは一度も表彰台の中央に立つことが出来ませんでした
年間通じて、試合に出るときもあったし、サポート役に回ることもあったのですが、その両面において自分の力不足を感じています。選手経験のある数少ない3年生として、来年は、初めて選手を務める後輩たちに、練習に向かう姿勢などを経験を生かして伝えていけたらと思います。
――今大会で4年生は引退となります。4年生から学んだことは
4年生のチーム運営の仕方はかなり高水準にあると思います。1人1人が自分の役割を理解して、サポートする人はサポートする、走る人はその期待に答えられるように自分の力を精一杯出すといったところは見習うべきですね。そういった精神を僕達3年生もしっかり受け継いで、自分の役割を全うして、勝てるチームを作っていければいいなと思います。
――引退する4年生へ
ずっと指導してくださった金子(楓)さんと一緒に部門1位を獲るという目標を達成できなかったことがとても悔やまれます。4年生の皆さん、3年間御指導ありがとうございました!
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