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TOKYO BIG 6 秋に懸ける男たち〜FOR THE AUTUMN LEAGUE〜
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TOKYO BIG6 秋に懸ける男たち 青池、加藤幹、佐藤翔
慶大 青池・加藤幹・佐藤翔インタビュー
最終回はワセダの永遠のライバル・慶大で攻守の中核を担う3選手に直撃した。昨季、チームトップの打率を残した青池、ベストナインを受賞した佐藤翔。そして、早大に唯一の黒星をつけた加藤幹。ラストシーズンを迎える彼らが最後に優勝を味わったのは1年時の秋季リーグ。それから3年、遠ざかった栄冠奪取に燃える3人は、リーグ戦を前にどんな思いを抱いているのだろうか。
―まずは、福島でのキャンプはいかがでしたか
青池
:松橋のローストビーフ好きが発覚するっていうのがね(一同爆笑)。まあ良かったよね!
佐藤翔
:良かったですね!
青池
:僕らも調子良かったしね。いつも盛り上げるのは僕らだから、声も響いたし、元気が出たよね。
加藤幹
:僕は(プレ五輪で)行ってないんです…。
―特に重点を置いて取り組んだことは
青池
:いかに人を笑わせるか。え、翔君は何なの?
佐藤翔
:いかに笑えるかですね(笑)。
―野球に関してはどうでしょう
青池
:なんでも打てるようにすること。ストレートだけを待つんじゃなくて、どんな球種でも打ち返せるように。でも、基本は間を大切にすることだよね、笑いもバッティングも。だから笑いも鍛えなきゃいけないっていうのが福島での成果(笑)。
佐藤翔
:キャンプなので、一日中練習できるということで、バットスイングを速くできるようにバットを多く振りましたね。スイングが速くなれば、より引きつけてボールを捕らえる確実性が上がるので。
青池
:そんなに振ってなかったけどね(笑)。夜は俺の部屋でビール飲もうって来たじゃん。
佐藤翔
:振ってたよ! 陰でちゃんとやっていたんだよ!
―オープン戦の仕上がり具合はどうですか
青池
:キャンプって結果より過程を大切にしてきたんだけど、今は結果が欲しすぎてちょっと狂っている感じです。
佐藤翔
:僕と青池は運命共同体と言いますか(笑)。…調子が悪い時は二人で落ち込んだり、良い時は二人とも良いみたいな感じなんですよ。まあ、最近は出場機会も少ないんですけど、出たときは結果をちょくちょく残せてますね。
加藤幹
:僕は、今日(8月28日)は亜大に勝ちましたよ!とりあえず上がり調子って書いててください。
青池
:僕は浜松だけに「うなぎのぼり」って書いてください(笑)。
佐藤翔
:じゃあ僕は秋田だけに「こいのぼり」で(笑)。
―春季リーグは3位でした
青池
:負けるべくして負けたよね。もちろん勝てると思ってやってるんだけど、負けて考えれば、チームとしてのまとまりがなかったかなと。
―青池選手は昨季スタメンに定着し、打率もチームトップでしたが
青池
:よくお調べになってる(笑)。でも、個人的には良かったシーズンですけど、大事なところで打ててなかったし、数字にならない所でも打ちたかったですね。
―法大戦からは打順が1番に上がりました
青池
:僕は6番にいる時からずっと1番みたいなバッティングしていたんで、そんなに変化はなかったです。1番って一番上に名前があるじゃないですか、それがかっこいいなって思っていて(笑)。とりあえずチャンスメーカーとして塁に出ることを一番に考えていました。
―静岡でのオール早慶戦は地元だけに歓声がすごかったですね
青池
:騒がれ過ぎて、もう自分が自分じゃなかったです。静岡で、しかもこんな舞台でやれるなんてって思ったら気が焦って全然ダメでしたね…。試合前もめっちゃ緊張していて、話しかけられても無視でしたよ。ゆとりがなかったですね、ゆとり教育の時代なのに(笑)。
―次は佐藤翔選手にお聞きします。昨季は満塁本塁打を2本打ちましたが
佐藤翔
:満塁ホームランって僕一人じゃなく、みんなが繋いで塁に出てこそあるものですよね。法大戦では三塁ランナーに加藤がいたし、大事な試合だったから何とかここで打ちたいと思って打席に立ちました。ホント、みんなのおかげです。
―本塁打へのこだわりはありますか
佐藤翔
:やっぱり、人と違ったホームランを打ちたいですね。観客により楽しんでもらえるようなホームランを打ちたいなという思いで打席に立っています。でも、まあ特にリーグ戦ではあんまり意識しないで、とにかく一打席一打席、勝利に繋がるバッティングをしようと思っています。
―三冠王への思いも強いですか
佐藤翔
:三冠王は多少意識しているんですけど、日頃の積み重ねが三冠王に繋がってくると思うし、プロセスを大事にしたいですね。それで最終的に三冠王獲れたらいいかなと。
―佐藤翔選手は、秋田高の先輩でもある石井浩郎(昭62二文卒=元プロ野球・横浜)選手に憧れていたとか
佐藤翔
:秋田高校に入学したのも石井さんを尊敬していたというか目標だったので。高校に入ってからもワセダで野球やりたいなとずっと思っていたんですけど、高校2年の冬に慶応の勉強会に参加したときに、慶応の野球部を意識するようになりましたね。
―加藤幹選手は春のリーグ戦を振り返っていかがでしたか
加藤幹
:悔しいですね。ギックリ腰の影響もあって調子自体があまり良くなくて、チームに迷惑をかけた部分もあったんですけど、まあ良い経験になりました。
―しかし、早慶戦では見事なピッチングでしたね
加藤幹
:それはもう「打倒佑ちゃん」でしたから(笑)。早慶戦に向けて調子を合わせていました。ワセダに優勝懸かっていたので、とにかく2連勝したいという思いが強くて、まず第1戦を完ぺきな状態でいこうという感じで。
―負けられない状況で、プレッシャーも大きかったのでは
加藤幹
:いや、全くなかったですね。自分の仕事をやるだけ。自分の調子が良ければ良い試合ができるって分かっていたんで、緊張というより楽しむ感じでした。
―「打倒佑ちゃん」とおっしゃっていましたが、斎藤佑樹(教1)選手についてはどんな印象を受けましたか
加藤幹
:早慶戦という舞台で投げるっていうのは実際、結構大変なことじゃないですか。そこで佑ちゃんが投げて、結果的には勝ちましたけど、まだ1年生だなって感じですね。
―日米大学野球選手権では第2戦で先発されましたが
加藤幹
:知らない、対戦したことないバッターと対戦して、自分の可能性を見出せたというか、いままで感じられなかったこともいろいろありましたし、すごく良い経験になりました。
―プレ五輪にも参加されましたよね
加藤幹
:たくさん勉強になりましたよ。フォームを変えました。
青池
:え、変わってた!?全然分かんなかった!どっから見ても分かんない。
加藤幹
:ホントに!? 下半身を使ったフォームです。大野(五輪代表投手コーチ、元プロ野球広島)さん直伝で。それ以上は言いませんけど(笑)。リーグ戦までには完璧にします。
―プロの選手と一緒にプレーしてみてどうでしたか
加藤幹
:守備がうまいなっていうのと、プロは…職業野球なんだなって(笑)。プロ意識を感じましたね。やっぱり見た目をすごい気にしていて、プレーだけじゃなく私生活とかまで意識して行動しているんですよ。
青池
:いい意味でも、悪い意味でも?
加藤幹
:うーん、両方ある。
青池
:じゃあ、俺悪いほうだけ後で教えてもらおう(笑)。
―星野仙一五輪代表監督はどんな人でした
加藤幹
:熱い人でしたね!
青池
:今年の夏とどっちが熱い!?
加藤幹
:話が広がらないじゃん(笑)。けど、北京は涼しかったんだよ。粉塵(ふんじん)がやばかったけどね。空気がどんよりしてた。
―リーグ戦終了後から日米大学野球、プレ五輪と大忙しですね
加藤幹
:テスト休みだけでしたね。調整だけして練習はしてないです。不安もありますよ、そりゃ…。
―では、皆さんにとって早慶戦はどんな存在ですか
加藤幹
:お祭りだよね!
青池
:だって、早慶戦を楽しまなくて、いつ野球楽しむのみたいな。あんなに人が入るのは学生野球ではないし、羨ましがられるしね。早慶戦って勝たなかったら、言ってみたら…ね!?お祭りを楽しめない人ってことでしょ。それって誰!? 一番でかい花火の時だけ後ろ向いちゃって見逃しちゃった人でしょ(笑)。
加藤幹
:………?
青池
:とにかく負け組にはなりたくないよね。
佐藤翔
:いままでの野球人生で、こんなに人が入った試合は初めてだし、これからプロに入らない限りたぶんこういう舞台でやれることはないんで、最後の早慶戦は絶対勝って終わりたいですね。
春の早慶戦を振り返ってみてどうですか
青池
:大事な場面で打ちたかった。しかも3試合とも初回でアウトになっているんで、ここで出塁できていたらよかった。初回に1番打者が塁に出るとやっぱりチームも勢いづくし、もしホントに一番勝負所だった第2戦のときに出れていたら、また変わったんじゃないかなって思いますね。上本(博紀=スポ3)はやっぱり、勝っている試合はきっちり出塁していたもんね。
佐藤翔
:2戦目は(ワセダに)優勝懸かっていたし、序盤は皆全然打てなくて、自分が「打とう打とう」って空回りしてしまって逆に打てなかったんです。もっとどっしり構えてやっていればなって思いますね。
加藤幹
:優勝争いに残りたかったんで、唯一ワセダに黒星をつけたことにはなりましたけど、そういうことは気にしてなくて。僕は第2戦で勝ちたかったし、むしろもう1戦勝って(早大と明大とで)三つ巴でやりたかったな。
―その第2戦、加藤幹選手は9回2死から内野安打で出塁しましたが
加藤幹
:たぶん僕では終わらないだろうなと。終わらせたくないなという思いでした。
青池
:俺はあの時焦ったけどね(笑)。
―青池選手はそのあとに打順が回ってきたんですよね
青池
:絶対俺で終わると思いました(笑)。2ストライクまで追い込まれていたし。じゃなくて、自分で終わりたくないなって思いました! 僕中学、高校といつも負ける試合って自分で終わることが多くて、だからまた自分で終わるのか…って感じだったんですよ。でも、なんかここで終わったら寂しいなーって思ったら打てたんだよね!ちょっとそこで「あ、大人になれた」と思ったもん。
―4年生として皆さんはチームではどんな存在なんですか
青池
:僕と佐藤は笑いでチームを引っ張ってくみたいな(笑)。
佐藤翔
:青池は宴会部長確定だよな。
青池
:加藤は正直、みんなの憧れですから。後輩とかはもう「加藤さんが言うなら…」みたいなね。イエスキリストより加藤。やっぱりすごいじゃないですか、いろんな代表に選ばれて、プロにも行くし、そういう存在が身近にいるんだから、憧れるに決まってますよ。ちょっと嫉妬(しっと)するけど。
加藤幹
:恥ずかしいっすね…。
―慶大に入ってよかったなって思うことは
佐藤翔
:なんかね、オール早慶戦の時に泊まったホテルがすごかったんですよ。そこに一番感動したよね。
青池
:そうなんです。ホテルがめっちゃきれいだったんです。俺と佐藤で、部屋に入った瞬間「慶応入って良かったな」って言ったもんね。いや、本当は99パーセントが野球部の皆と出会えたことで、1パーセントは……。
佐藤翔
:全国から集まってきて、いろんな人もいますし、そういう中でたくさん繋がりができたことが、すごい僕の中では財産になりましたね。
加藤幹
:いろんな価値観を持っている人がいて、慶応ならではだと思うんですよ。野球だけをやってきた人ばかりじゃなく、勉強とかで入ってきた人もいるし。野球強豪校ではないけど、その分皆で考えてやっているというか。そういうのがすごい良いなって思います。
―期待の後輩はいますか
青池
:俺、上本! だって上本大好きだもん。あ、慶応ですよね(笑)。松尾(卓)と梶本かな。僕は二宮と2人でコンビみたいな感じなんですよ。すっごい仲良くって。それと同じぐらい松尾と梶本もいいコンビで。いや、もっとかな。旧コンビとして新コンビには頑張ってほしいですね。まあ笑いのセンスはないですけど(笑)、野球のセンスはありますよ!
佐藤翔
:青山ですね。春は僕と青池と青山の3人で外野守っていて、1年生なのにすごい選手だなって感じますし、順調に育ったら絶対にプロにもいけると思うので、期待していますね。
加藤幹
:梶本はケガで1年出られなくて、まだケガが治って1年も経ってないのにあれだけの成績残しているんで、持っているものはすごいですよね。順調に行ったらチームの中心になれる存在だと思います。あとは中林です。早慶2回戦で悔しい思いをしているんで、それを糧にこれからやってくれるんじゃないかと。今はいろんなこと教えていますよ。
―早大で気になる選手はいますか
青池
:俺、國府(潤士学生コーチ=教4)! あいつは面白い! 絶対チームの雰囲気良くしてるでしょ!? あいつさえ潰してしまえばな。早慶戦の前にめっちゃ飲ましてやろうかな(笑)。生島(大輔=スポ3)も超面白いし、田中幸長(スポ4)もめっちゃ良い奴だよね。皆オール早慶戦の時に飲んだ奴らじゃん(笑)。でもあれでホントに仲良くなったよね。ワセダは良い人が多かった!
―実際に試合で警戒してる選手は…
青池
:すごいなって思うのは上本と松本(啓二朗=スポ3)。もうお手本みたいな。上本は天才でしょ。1番バッターで、あれだけゲームメイクできるわけだしさ。松本はやっぱり肩がいいよね。勝負強いし。ピッチャーだと佑ちゃんかな。佑ちゃんから打ったらもう自慢だもんね。
佐藤翔
:やっぱり、同じポジションの田中幸長ですね。向こうは春、すごく調子良かったし、僕も負けられないって気持ちだったので、秋もそういう気持ちを持ってやっていきたいです。
加藤幹
:僕は細山田(武史=スポ3)です。日米野球でバッテリー組んでいたのもあるんで。早慶戦ではホームラン打たれたし、3点取られたし…。
―慶応は秋に強いという印象がありますが
加藤幹
:まさにその通りですよ!
青池
:僕ら「もみじ軍団」って言われているからね(笑)。
佐藤翔
:なんだかんだで1年の秋しか優勝してないんですけど…。
―では、ラストシーズンに懸ける思いを聞かせてください
青池
:僕は今のことで精一杯ですね。終わりが近づくにつれ、そういう思いが湧いてくるんだと思います。だから早慶戦が一番ヒートアップするんじゃないですか!それに慶応は野球続ける人も少ないから、早慶戦がホントに最後になるわけで。だんだん気持ちが高まっていって、最後は肩組んで泣きたいですよね。
佐藤翔
:最後の最後にやっぱり優勝して終わりたいんで、最初の立教戦に皆で勢いよく向かっていけたらなって思います。
加藤幹
:最後は笑って終わりたいですね。野球続ける人も、やめる人も一緒で、やっぱり野球やっていて良かった、慶応に入って良かったって思えるように頑張りたいです。
―最後にワセダに一言お願いします
加藤幹
:ワセダにですか!?
青池
:また飲もう!…いや、ここは真面目に。
佐藤翔
:じゃあ、僕から。やっぱり、早慶戦ができるというのも、僕ら慶応だけじゃなくてワセダがいるからであって、そういうのには感謝していますし、良きライバルとして、秋は良い試合をしたいなと思います。
青池
:皆、ワセダと慶応は敵同士みたいに言いますけど、僕はそうは思ってないんです。僕は、お互いを共に高めあっている友だと思っているんで……「友よ!!!」
佐藤翔
:うわー、面白いなー(笑)。
加藤幹
:なにそれ、ハードル上がるじゃん! えーっと、伝統の一戦って言われているじゃないですか。春はほぼ満席になっていたんですけど、やっぱり秋はいつも人が少ないんで、春以上に満席にして…「祭り!!!」…にしましょう(笑)。
談笑を交えながら、終始和やかな雰囲気で取材に応じてくれた選手たち。慶大野球部を語るその言葉からは4年間の重みが感じられた。最後の早慶戦に懸ける彼らは、必ずやワセダを苦しめる存在となるだろう。天皇賜杯をめぐる頂上決戦――そこには勝利への執念がぶつかり合う、劇的なクライマックスが待っている。
(取材・編集 加藤寿寿華、寒河江真奈、関口香奈子、西村佳恵、山田 豊)
◆青池悠五(あおいけ・ゆうご)
1985年(昭60)8月19日生まれの0型。182センチ、75キロ。静岡・静岡高出身。慶大・環境情報学部4年。外野手、右投右打。
昨季成績 試11 打43 安16 本1 点6 率.372
通算成績 試47 打122 安34 本2 点15 率.279
◆加藤幹典(かとう・みきのり)
1985年(昭60)6月4日生まれのB型。179センチ、75キロ。神奈川・川和高出身。慶大・環境情報学部4年。投手、左投左打。
昨季成績 試7 勝4 負2 回41 1/3 責12 防2.61
通算成績 試53 勝26 負15 回314 1/3 責75 防2.15
◆佐藤翔(さとう・しょう)
1985年(昭60)8月2日生まれのA型。190センチ、94キロ。秋田・秋田高出身。慶大・総合政策学部4年。外野手、右投右打。
昨季成績 試11 打44 安14 本3 点13 率.318
通算成績 試53 打130 安38 本10 点34 率.292
※今回で全6回でお届けいたしました「TOKYO BIG 6 秋に懸ける男たち〜FOR THE AUTUMN LEAGUE〜」は終了となります。いかがでしたでしょうか。ご意見・ご感想などあればお待ちしております。また、お忙しい中にも関わらず取材にご協力いただいた各大学野球部の皆様に、この場を借りてお礼を申し上げます。
(早稲田スポーツ新聞会 野球部担当一同)
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すべての著作権は早稲田スポーツ新聞会に帰属します。
なお学校長期休暇中のお問い合わせには応じられませんのでご了承をお願いします。
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