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十六人の志士に訊く・川畑依啓
川畑依啓インタビュー
「十六人の志士に訊く」第9回は川畑依啓(スポ3)。高校時代甲子園で輝かしい成績を残した選手の多い早大のなかで二浪を経て、野球部の門をたたいた異色のプレーヤーだ。昨季、レギュラーに定着すると高い選球眼と犠打などの堅実なプレーでチームの日本一に貢献。長い月日と努力で「文武両道日本一」を体現した苦労人・川畑はどのような人物なのか迫ってみた。
―オープン戦も中盤ですが調子は
ちょっと暑さでバテているんですけど、調子的にはそんな悪くないです。
―猛暑が続いていましたが、疲れは大丈夫ですか
先週はずっと6日間オープン戦でちょっときつかったですけど、今(8月23日)はもう大丈夫です。
―重点を置いていることはありますか
とにかく自分に与えられた役割を、試合の中で送りバントであったり、守備であったり、与えられた役割を果たそうかなという感じです。
―どこか向上した点はありますか
春、打点が1しかなかったんで、やっぱりチャンスの場面で打ちたいっていうのは課題に置いていて、今回オープン戦では4打点か5打点くらい打てているので、その辺はチャンスで打てたかなと思います。
―逆に課題は
バントミスが一回あって、それでその時すぐ交代になったんですけど、やっぱり大事なところでしっかりバント決めることですかね。
―日本一で終わった春はどんなシーズンでしたか
最初監督(応武篤良監督=昭56教卒)に「(リーグ戦前)3勝8敗の力しかない」と言われていて。それで、コーチとキャプテンを筆頭に一戦必勝っていう形でずっとやってきて。で、日本選手権(全日本大学選手権)も一戦一戦やってきた中で頂点に立てたって感じだったので、あんまり自分の中では実感がなくて、気付いたら決勝を迎えていたって感じでした。
―去年の秋にリーグ優勝も経験しましたが、今年との違いはありましたか
そうですね、春は3年生になって上級生になって、去年ベンチでいろいろ見させてもらった経験を生かして、ベンチワークだったり、先発出場させてもらった時は、自分の与えられた役割をやろうと思ってやっていました。
―春の法大戦で初スタメンを果たしましたが、どのような気持ちで迎えましたか
緊張はもちろんしたんですけれど、もう失敗してもしょうがないって気持ちでとにかく思いっきりやろうと、自分の力を出す事しか考えてなくて、本当に思いっきりやりました。
―話がさかのぼるんですけれども、そもそもワセダに入ろうと思ったきっかけは何ですか
きっかけは……ちょっと話が長くなるんですけど。とりあえず高校選んだ時に、甲子園出た事ない高校で、高1の夏が終わって新チームになってレギュラーになって、で……ホンマ話長くなるんですけど大丈夫ですか?(笑)。
―大丈夫です(笑)
大学選んだ理由は、高校は甲子園行けるような高校行く選択肢もあったんですけど、親と相談して、甲子園行けるような高校行ったとしても、もちろん行ける保証はないし、ケガとかした場合のことも考えると、大学行けるような高校を選んだ方がいいんじゃないかと言われて。その時自分は中3の時やったんですけど、大学行くっていう保険をかける事がすごく嫌だったんですけど。結構迷ったんですけど、その(選んだ)桑名高校に一個上の小学校、中学校一緒にやっていた先輩がいて、その先輩から誘いの声がかかって。その時は学力的には全然足りなかったんで、「無理ですよ」って言ったんですけど、一応塾とか通って、勉強するなら上の方目指そうかなと思ってやって。で桑名高校に入って、1年の終わりから試合に出させてもらって、甲子園には結局行けなかったんですけど。3年生になって大学を選ぶ時に、もう中途半端に野球をやりたくなくて、やるならもう全国からトップクラスが集まる所でやりたいなって思っていて。それで東京六大学っていうのが浮かんできて。自分はスポーツ系の勉強に興味あったんですけど、ちょうど高3の時にスポーツ科学部が独立して出来て、それでやっぱ野球やるならスポーツの学部のある所に行って、野球につながるような勉強が出来たらいいなって思って。それが、もし慶応とか法政にあったら、そっち受けていました。どうしてもワセダっていうよりは、スポーツの勉強しながら、野球がトップクラスで出来る所って考えていて、ワセダがちょうど当てはまったという感じですね。
―スポーツ科学部で何を勉強したいっていうのはありましたか
そうですね、野球につながる、例えば走塁で、どうしたらもっと早く走れるかとか、バッティングに関してもそうなんですけど、そういうのが学べるんじゃないかなと。
―川畑選手は二浪なさっていますが、二浪目になるとき迷いとかはなかったんですか
それはありましたけど、でもワセダの小宮山(悟=平2教卒、現プロ野球・ロッテ)さんも二浪で入っていて、そういうのを冊子とかで見て、この人も二浪して入ってプロまで行っているんだなって励みにして。まぁ本当に最後の一年間だって思って、落ちたらしょうがないって思ってやっていました。
―その間、焦りはありませんでしたか
焦りはなかったですね。とにかく受からないという感じだったんで。
―2年のブランクは不安になりませんでしたか
最初の一年は、新人メニューで走り込みとか筋トレとかあったんですけど、そこを耐えて、一年間は雑用とグランド整備に徹しようと思っていたんで。二年目からが勝負やと思っていて。一年耐えれば大丈夫かなと思ってやっていました。
―浪人中はトレーニングはしていましたか
いや、ほとんどしてないです。ちょっと筋トレ自分でするだけで。
―それで、入ったとき、きつかった
最初はきつかったですよ。でも、まあ何とか耐えました。
―そのように苦労されながらも、今こうしてスタメンで出られるようにまでなった、自身の一番の強みは何だと思いますか
何ですかね……。自分の目標というか夢を持ち続けた事だと思いますね。
―夢っていうのは……
まああの(笑)ワセダで試合に出て活躍するっていう……。まだまだ全然ですけど。その「気持ち」だと思います。
―2年の秋から代走として出場し始めましたが、自分自身レギュラーとして手ごたえをつかみ始めたのはいつごろですか
2年の夏のオープン戦で何度かチャンスを頂いて、ちょっとずつ結果が出てきた時ですかね。
―今までやってきて苦しかった時はありますか
1年の時は、グラウンド整備とか雑用はきつかったですけど、一人じゃなくてみんなで一緒にやっていたので……。なくはなかったって言えばいいんですかね(笑)。
―逆に「やっていて良かった!」と思う瞬間はありますか
それはやっぱりリーグ戦で活躍して、勝ったときです。
―自身のアピールポイントはどこですか
守備で安定した所をみせる事と、あとは出塁率と、チャンスで打てるバッティングです。
―川畑選手にとっての野球哲学、モットーみたいなのはありますか
モットーですか(笑)? なんでしょうね……やっぱ「練習は嘘をつかない」。練習ですね。
―練習が嫌になったりする事はないんですか
常に嫌ですけど(笑)。やっぱ練習しないと、試合では結果は出ないですね。それは感じます。
―憧れの選手は
青木(宣規=平16人卒、現プロ野球ヤクルト)さんですね。
―野球を続けてきたなかで影響を受けた人はいますか
イチロー(現米大リーグ・マリナーズ)選手ですね。
―それはどんなところにですか
野球自体にじゃなくて道具に関してなんですけど、イチロー選手は練習とか終わったら、すぐに自分の使っている道具とかを磨くんですよ。それをテレビで観て、それを真似しています。やっぱ道具を大切にしなきゃいけないなって思って。
―春、日本一となったチームとしてプレッシャーもかかってくると思いますが、秋に向けてのチームの手ごたえはどうですか
春のことをいつまでも「自分たちは日本一だ」ってあまり思い過ぎると、逆にプレッシャーになると思うんで。チームでも言っているんですけど、春は春で終わったんで、ゼロにして、また春戦う前に言っていた「一戦必勝」っていう形でいけば、多分結果はついてくると思うんで。
―個人的な目標は
やっぱり、レギュラーで出続けることです。
―小島宏輝(社2)選手との争いもあると思いますが
そうですね、彼も本当に持っているものはすごいんで、彼にないような所でアピールして、何とかやっていきたいです。
―ライバル視は……
それはやっぱりしますけど(笑)。お互いそんな口には出さないですけど、どっちかが使われている事になるんで、意識はしますね。
(取材・編集 寒河江真奈)
◆川畑依啓(かわはた・よりひろ)
1984年(昭和59年)8月7日生まれのO型。171センチ、68キロ。三重・桑名高出身。スポーツ科学部3年。外野手。左投左打。
昨季成績 試10 打13 安4 本0 点1 率.308
通算成績 試11 打13 安4 本0 点1 率.308
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