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4連覇へのキーマン・細山田武史
第6回 細山田武史
押すに押されぬ一大投手王国を築く早大において、キャッチャーというポジションはかなり重要だ。2年の秋からレギュラーに定着し、数々の投手をリードしてきた細山田武史(スポ4)もいよいよ最高学年。副将として迎える初めてのシーズン、細山田の心中はいかに?
――最後にお話を伺ったのが、昨年の夏なのでだいぶ前なんですが、まずは昨シーズンのことから振り返っていただきたいと思います
秋でしょ?いやぁ、苦しかったですねぇ。春があんだけ良かった分、秋にチームの悪いところが出たっていうか。点取れないし、ピッチャーもそこまでいい状態じゃなかったし。法大戦からそれが出ちゃった。だから一戦一戦、全部が苦しい戦いでした。もう……疲れましたっ!!
――でも、苦しみながらの優勝ということで、逆に感慨もあったんじゃないですか
そうだね。自力優勝がなくなった時点で、あとは願うだけっていうか。(メイジが)負けた時に、これはワセダに勝ってくれって神様が言ってくれてるのかなって思っちゃったりなんかしちゃったりして(笑)。
――ご自身はベストナインを受賞されました
そうなんすよ、奇跡のベストナイン!
――それはやっぱり打撃面での反省から「奇跡」なんですか
うん。あれでいただけたっていうのは、やっぱりキャラ重視というか(笑)。
――いや、でもそれが評価されたのもいいことだと思います
そう?まぁ、あと何本か打っておけば、楽勝でベストナインだったってことで(笑)。
――打撃に関しては、自分では不振の原因をどう分析していますか
インコースとかを攻められて、自分で(フォームを)崩しちゃって。打てないボールまで手を出そうとして、それでどんどん崩れていった。
――やっぱり春に首位打者を獲られて迎えるシーズンということで、気負いもあったのでは
うーん、調子乗ってましたね!調子乗りまろでした、たぶん。
――調子乗りまろ、ですか(笑)。では、ご自身でも反省するところの多いシーズンだったと
そうですね。やっぱり必死さが足りなかったというか、打席の中で一生懸命一球に集中できなかったというか。
――ただ、それでもベストナインを受賞されたというのは、リード面が評価されてのことだと思いました
キャラ8割、リード2割だね!(笑)。
――自分のリードを振り返っていかがですか
うーん、どうっすかね。でも、やっぱりここで抑えなきゃいけないところで抑えられなかったっていうのが、やっぱりメイジとの試合であって。一球で試合が決まっちゃう、それをもっと考えて、ここの一球だっていうのはもっと自分がちゃんと知ってれば、もっと楽な試合が出来たんじゃないかと思います。ピッチャーはよく頑張ってくれたんでね。
――一球の重みという意味では、秋季リーグ後の明治神宮大会はトーナメントなので、普段とは少し違いますよね。決勝で東洋大との接戦に敗れました。
まぁ、トーナメントは(全日本)選手権でもやってますし、経験はあったんで、一戦必勝っていうのは変わりなく、リーグ戦の時と同じようにやっていただけ。ただ決勝は大場(翔太=現ソフトバンク)さんに負けたかな。東洋というよりも、ピッチャーに負けたという感じですね。
――バッターとして対峙してみて、やはりすごいピッチャーでしたか
そうですねぇ。打てないですもん!
――大場選手のデビュー戦は見ましたか? すごかったですね。
テレビでちょっとだけ見ました。
――ただ、決勝の日は斎藤(佑樹=教2)投手もとても調子が良くて、私なんかはあのまま投げてほしいと思っちゃったりしたんですが
うん、みんなたぶんそう思ってると思うけど、まぁねぇ……。
――今年に繋がるいい敗北だったんでしょうか
そう思えるのは、今年優勝してからですかね。そう思えるように、今年勝てればいいよね。
――さて、新チームになりました。4年生になって、気持ちの変化はありますか
今まではずっと先輩がいたから、先輩を負けさせたくないとかそういう気持ちだけでやってて。でも今年は最上級生ということで、自分がやらなきゃいけないっていうのは変わらないんですけど、チームをどうやって持ち上げていくのかっていうのが、やっぱり難しいというか。とりあえず今の4年がチーム一丸となるようにきっかけを作ったりしなきゃいけないかな、っていうのが去年と違うところですかね。
――副キャプテンとして、どんなことを心がけていますか
まぁ、キャプテンの前に出ないことぐらいですよ。
――上本(博紀=スポ4)キャプテンは、細山田選手から見てどんなキャプテンでしょう
ものすごい一生懸命。チームのことをよく考えてます。たぶん勝ちたいという気持ちが一番強いかなと思いますね。それを出さないんですけど。それを自分が押し上げてやる。
――いろんな人がいるチームをまとめていく苦労はやっぱりありますか
うん。まぁ下級生がどう思ってやっているのかわからないというのが、一番心に引っかかるっていうか。まぁみんな勝ちたいって思ってるんでしょうけど、それをもっと伝えてきてほしいっていうのはやっぱりありますね。
――細山田選手は後輩に積極的に話しかけていって、コミュニケーションを取るタイプですか
いや、そんなでもないかな。どうだろう?でもちゃんと言わなきゃいけないことは、言います。けど、そんなに馴れ馴れしくっていうのはないです。まぁ、来るもの拒まず、去るもの追わずだよね!
――なるほど。チームには新入生ももう加わっています。キャッチャーだと、昨年夏の甲子園を制した佐賀北高校から市丸(大介=教1)選手が仲間入りしましたね
おっ、市丸!結構試合出てますからねぇ。まぁ、市丸はこれから白川(英聖=社2)と切磋琢磨して成長していけばいいと思います。
――今年最後の一年になりますけど、ワセダの背番号6番として伝えていきたいことってありますかね
うーん、なんだろう……まぁなんでも一生懸命やるってことですかね。あとは勝った時にみんなで分かち合う喜びを教えてやりたいですね。
――新チームの始まりでもあった沖縄キャンプでは、何を重点的に取り組まれましたか
沖縄は暖かかった。とりあえずバットを振るってことだけですね。ホントそれだけ。
――その沖縄キャンプから直接台湾に飛ばれて。台湾はいかがでしたか
台湾ね、ホテルがめっちゃ良かったっす!五つ星らしいですよ。羨ましいっしょ?
――羨ましい!台湾は滅多に行けないところで、いろいろ観られたりしましたか
観光がありましたね。夜市とか。あと、めっちゃ高いビル行った。(台北)101。
――試合のほうは、台湾の学生とやられてみてどうでしたか
うーん、まぁ、日本のバッターの方がいいっすけど、ピッチャーはあれ、あれ……!
――昨年12月の北京五輪アジア最終予選の台湾代表のメンバーがいらっしゃったんですよね!
そうそう。それよ!153キロとか、154キロとか(出す選手が)いましたね。やっぱすごいですね。その人たちが出てきたら、あんまり点を取れなかったと思います。最後にちょっと出てきたぐらいだったので。
――外国の学生との試合といえば、その後シカゴ大との交流戦もありました
シカゴ大は、やっぱり一生懸命やってましたね。うまくはないと思いましたけど……まぁちょっと上から目線だけど、みんな接してみてもすごく明るいし、ポジティブだし、人間性が豊かだなと思いましたね。ホント出来ることを一生懸命やろうという気持ちは伝わったというか。そういうのが一番大事かなと思いました。
――結構忘れがちなことだったりしますよね
結果だけ見るんじゃなくて、1人1人の選手の気持ちを思ったら、すごいやった意味があったと思います。
――じゃあ、試合内容よりも取り組む姿勢から学ぶことが多かったと
Yes, I do! いや、Yes, I did!
――シカゴ大だけに、わざわざ英語でありがとうございます(笑)。いよいよ春が開幕しますが、最初に聞いてしまうと、ずばり今年の目標は何でしょうか
勝つ!
――何に勝ちます?
試合に勝つ!
――どの試合に?
全部、全部!優勝っす!
――この春で4連覇で、最多タイ。秋も勝つと5連覇という前人未到の領域なんですけれど、やっぱりそこはチームとして意識していきますか
うーん、意識しないって言ったら嘘ですけど、別に。4連覇とか5連覇とかじゃなくて、とりあえず勝ちたいっす。とりあえず優勝しないと意味がないっていうか。
――去年までは先輩のためにっていうのがあったと思うんですけど、今年はみんなが細山田さんを優勝させたいと
まぁ、そんなことをこちらから『お願いします!』って言うわけじゃないけど、目標は一つだから。その一つの目標に向かって、全員がまっすぐ突き進んでくれれば、自ずと勝てる道は出来てくると思うんで。まぁ何思っててもいいんすよ。自分のために頑張っても、先輩のために頑張っても。なんでもいいんですけどね、とにかく。
――投手陣に期待することはありますか
一球一球に集中して、一球入魂。みんなに期待してます。自分がもう最後なんで、ピッチャーは全員負けさせたくなくて。
――相変わらず充実の投手力だと思うんですけど、そういう選手たちをリードできるのは幸せですか
そう思えてきましたね。まぁ、でもまだまだ大学生ですから。
――雑誌でご自身のことを「カメレオン・タケシ」っておっしゃっていたのが、印象的でした。ただ、カメレオンとはいえ、時にはいろんな投手に合わせるのが大変じゃないですか
カメレオンとはいえね(笑)。でもそれは前からですからね。
――キャッチャーはチーム全体を見廻せるポジションでもありますよね。新学年になり、レギュラー争いが結構激しい位置もあると思うんですが、細山田選手はどう見ますか
いいと思う!ていうかね、まぁ1人1人が自分がやるべきことをしっかりとこなす、やる、やろうとする気持ちとか、そういうのがいいよね。見てて気持ちいい、けど、そういうのがないとダメですね。
――それは自分に対して?
まぁ、誰に対しても。俺に対しても。
――今はワセダの不動の背番号6番だと思うんですけど……
うん、まぁ、下からのアレっていうのはほしいですよね。でも、別にそんなのに頼ってるわけじゃない。逆に4年がもっと下を引っ張る、同時に下が上を持ち上げる。それでどんどんあがっていく方向に進んでいけばいいと思います。まずは4年、4年全員。4年ががっちりしてれば、下も自ずとついてくるから、ガッチリキープ。
――六大学の開幕が近づいてますが、注目、警戒している大学とかはありますか
いやぁ、ワセダ注目してますねぇ(笑)。でもやっぱり法政かなぁ。うん、やっぱ法政でしょ。法政はねぇ、去年秋やられてるからね。法政はやっぱりホントにキーになると思いますよ。
――春季リーグ、どんな展開が待っているでしょうか
まぁ、わかんないですからね。球場も変わったんで、それでどんな影響が出てくるかもわからないし。そういうところでミスしなければ、いいゲームにできると思う。逆に相手がそういうミスした時に、いかに畳み掛けられるかっていうのがチーム力。それが出てくれば、うん、勝てると思いますね。
――わかりました。また優勝して、インタビューさせてください
オーケー、オーケー任せとけ。
――あ、先ほどから宣戦布告されてますけれど、松本(啓二朗=スポ4)選手とのウイイレ対決にも勝ちたいところですね
ホントあいつ俺のこと好きなんすよ(笑)。まっ、イングランド松本にはとりあえず負けないっ!
(取材・編集 平野麻理子)
◆細山田武史(ほそやまだ・たけし)
1986年(昭和61年)4月29日生まれのA型。178 センチ、75キロ。鹿児島・鹿児島城西高出身。スポーツ科学 部4年。捕手。右投右打。
昨季成績 試14 打47 安9 本0 点1 率.191
通算成績 試44 打123 安35 本1 点14 率.285
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