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4連覇へのキーマン・原寛信
第7回 原寛信
ワセダの4番を担う原寛信(文2)。昨春は1年生ながら2本塁打、打点11という好成績を残し、鮮烈なデビューを飾った。しかし今季、伝統ある4番を任されたことで感じる責任と重圧。若き長距離砲は「4番としての自覚」を胸に、リーグ戦に臨む。
――昨年を振り返っていかがですか
去年は出来すぎだと思うんですけど、今まで実績も何もなかったので、とにかく一生懸命やろうと思っていました。大学に入っていきなりあのような結果を残せたことは自分でもびっくりしています。良い結果が残せたのは、上級生が優しく声をかけてくださって、すごくやりやすい環境で野球ができたからだと思います。
――大学野球のレベルはどう感じましたか
最初は手の届かない場所にあるなと思ったんですけど、少し結果を出しはじめてから自信に変わり始めました。今は、自分でもいけるのかなと思うくらいにはきてるんですけど、(実績は)まだあんまり目立ったものは残せていないと思います。
――一年間やってみて自分のアピールポイントはどういうところだと感じましたか
監督(応武篤良=昭56教卒)はそう思って使っていただけていると思うんですけど、大きな一発ですね。ホームランは狙って打つわけではないんですけれども、監督に期待していただいている以上は、やっぱりそういうところに重点を置いてやっていきたいと思います。
――上本(博紀=スポ4)さんが新主将になりましたが
上本さんは、気持ちよりもプレーで引っ張っていく主将です。自分も一番尊敬している選手の一人なので、やっぱりああいう完ぺきな人に引っ張っていってもらえるというのはありがたいことです。今年はもう、上本さんについていくだけだと思っています。
――ケガでキャンプに行かれませんでしたが、その間は
神谷コーチ(雄毅=スポ4)と斎藤コーチ(竜義=商3)がずっと付きっきりでバッティングを見てくれました。なんとか春までには間に合わせてくれるということで、ずっと教わっていたので、復帰できてその二人には本当に感謝しています。
――オープン戦はいかがでしたか
しばらくはケガでチームに合流していなかったので、(調整が)遅れてしまっていました。それで、結果を残せたのがシカゴ大戦で…。
――第3戦で本塁打を打ちましたね
はい。それまではチームとかなり離れていたので、自分の中でもうチームに必要とされていないんじゃないかと思ったこともありました。
――本塁打が出てどういったお気持ちでしたか
チームに合流できてから初めて自分の力が出せたので、やっと存在が認められたってことですね。今までは合流してもスタメンでもなかったので、今年はもしかしたらこのままないのかな、3年目に頑張ろうかなってそういう気持ちにもなりそうだったんですけど、あそこで打てたことが自信にもなったので。
――ベースを一周しているときはどのような気持ちでしたか?
やっと出たっていう安心感ですね。あと、三塁ベースを回ったときに観客の方が立って拍手してくださる姿が見えて、本当にありがたかったです。東伏見で練習してて、一人だけ沖縄に行けないことが本当に悔しくて苦しかったので、その中でやった練習が報われてうれしかったです。
――気持ち良かったですか
はい、気持ち良かったです(笑)。
―今年も本塁打に対するこだわりはありますか
去年もホームランを打とう打とうとしていたわけではなくて、思い切り振った結果がホームランになったっていう感じです。ただ、シカゴ大戦のあのホームランは、初めて狙って打ったホームランでした。その前の打席で自分でも良い感じでヒットを打てていたんですが、あの打席、打席に立ったときに、観客の方の「ホームラン打ってくれー!」という声が聞こえたので。それできょうは2本打ったし、大きいの狙ってみようかなと思って。それが初めてです。でもそれも偶然なので、思い切り振ってたまたま当たっただけだと自分では思っています。
――試合後の記者会見で田中幸長(現トヨタ自動車)さんの話がでましたよね
自分は去年の最後の方はずっと5番を打っていたんですけど、幸長さんが自分の前にいるので、勇姿というかそういった姿を目に焼き付けようと思っていました。幸長さんのバッティングは本当にすごかった。あの人に近づこうとしているんですけど、勝負強さというか、存在感と言うか、まだまだ遠く及ばないかなと。
――偉大な先輩ですか
はい。この間も幸長さんと夕食でお話をさせてもらったんですけど、幸長さんも2年の春から4番を打っていて、「おれもずっと結果を出せなくて2年目はすごい苦しんだ」とおっしゃっていました。4番のことは気にしないでいいと言っていただいたんですけど、やっぱり4番の重圧はありますね。
――今でも幸長さんとも連絡を取ったりはしますか
そうですね、何か4番として困ったことがあったときは、何でも答えてくれますし、本当に頼りにしています。
――リーグ戦の話に移りますが、他大で気になる投手はいますか
中林(慶大)さんですね。仲も良くて、メールもよくしたりしています。
――神奈川のつながりで
そうですね、自分は一つ下なんですけど。
――何か中林さんはメールで言っていましたか
去年の早慶戦で対戦したときはフォアボールで、「お前には投げづらい」とかそういうことを言われました。あとは勝たないでくれみたいな(笑)。今年はエースとしてくると思うんで、何とか打たないといけないですね。
――1番のライバルとなりそうなチームは
慶大にはやっぱりなんとか勝たないといけないと思います。あとは個人的には、明大と法大ですね。去年負けていますし。
――法大の小松投手は
去年エースの桐蔭(学園)の先輩の平野(日立製作所)さんもすごかったんですけど、今年は小松さんが絶対的なエースなので、なんとか打たないといけないですね
――打ち崩したい気持ちは強い?
そうですね、エースから打たないと意味がないと思うので。
――他大学も今季はいつも以上に「打倒ワセダ」で来ると思いますが、やはりワセダが一番強いと思いますか
そうですね、強いとは思いますけど、そこで慢心が生まれるのが一番良くないことなので。監督がいつもおっしゃるんですけど、「ワセダがワセダに負けるな」と。他の大学のことを気にはしますけど、まずは自分たちに勝つということが大事だと思います。
――さて、「新4番」としてどのような4番になりたいですか
前後に良いバッターがたくさんいるので、そのあとに打つ4番というのは自分にとっても大変なものだとは思います。でも今は、結果というよりも4番としての存在感を、どんなに打てなくても4番にずっといられるような、思いきりの良いスイングをしていきたいと思います。
――やはり4番は違いますか
そうですね、「ワセダの4番」の重さや歴史を感じます。OBの方からの声も頂きますし、2年生ながら4番を打つことの大変さと言うか、そういったことのプレッシャーを感じています。
――ご自身の目標で昨秋は「打点10」とおっしゃっていましたが、今年も具体的な数字の目標はありますか?
去年の秋、打点10とか言っといて2なんですよ(苦笑)。ほとんど幸長さんが返してくれて、自分が打つときにはランナーがいなくて、っていう記憶があるんですけど。それで、打ったホームランもソロホームラン2本。数字は…言うとプレッシャーになるので言わないですけれど、1点でも多く、今年もやっぱり打点だと思うので。打率はあんまり気にしないで、自分がアウトになっても、ランナーを返すっていうそのことだけ考えてやりたいと思います。
――昨年の自分から進化したところはありますか
技術的にはそんなに変わってないんですけど、精神的なことですね。去年は一生懸命やるだけだったんですけど、今年はチーム全体を見て、自分の必要とされる場所っていうか、4番だったら4番ということに対して、責任感というか自覚っていうのが生まれたと思います。
――監督からは何かは言われたりはしますか
かなりつらいことを言われたりもしますね(苦笑)。でも、「お前をずっと打たせるから」というようなことを言っていただいたので、期待にこたえないといけないなと思います。
――原さんにとっての理想のバッティングは?
自分が今まで見てきた4番バッターで一番すごかったのが幸長さんなので、自分のなかでの目標の人ですね。あれだけランナーを返す勝負強さ、存在感など、あんなに頼れる4番バッターはいなかったので。今年来年でなんとか幸長さんに追いついて、4年のときには幸長さんを超えられるように、頑張っていきたいです。
――期待しているファンの方々にどんなバッティングを見せたいですか
自分は神宮の方が好きなので、思い切りの良い自分を見ていただきたいです。ホームランに関しては大きくなった神宮ですけど、それを越せば問題ないので。
――最後に、春季リーグ戦への意気込みを
とにかく4番としての存在感を六大学に見せつけられるようにしたいです。あとは個人の結果が残せれば一番ですけど、やっぱり4連覇、5連覇はワセダしかできないことなので、自分としては新しい歴史を作ったその一員になりたいと思っています。なんとか優勝して、歴史を作って、4年生を卒業させてあげたいです。
(取材・編集 水上大輔)
◆原 寛信(はら・ひろのぶ)
1988年(昭和63年)6月20日生まれのA型。184センチ、82キロ。神奈川・桐蔭学園高出身。文学部2年。一塁手。右投右打。
昨季成績 試12 打27 安9 本2 点2 率.333
通算成績 試20 打45 安15 本4 点13 率.333
※今回をもちまして全7回でお届けいたしました「4連覇へのキーマン」は終了となります。いかがでしたでしょうか。ご意見・ご感想などあればお待ちしております。また、お忙しい中にも関わらず取材にご協力いただいた野球部の皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。〈早稲田スポーツ新聞会 野球部担当一同〉
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